2020年 レシピ「きぬかつぎ」
12月22日最後のサトイモを収穫したとき、20~30gの使い道に困りそうな子イモが20ヶほど取れました。吉田類出演の居酒屋メニューの中で「きぬかつぎ」という里芋料理があるのは知っておりました。また、かつて突き出しとして2、3回食した記憶がありますが、その名前までは知りませんでした。
山に自生する山芋(自然薯)に対し、もっぱら里で栽培された芋なので里芋(サトイモ)と言うのが由来らしいですが、今回Aが収穫したサトイモの「土垂」(どだれ)は関東域で多く栽培され、その粘りと食感が特徴の芋です。
「きぬかつぎ」に多く使用されるサトイモは、大阪の南河内郡石川村(現河南町)原産の、つるりと粘り気があり淡泊な味わいで、形が小さく、均一の大きさで多収されるため、きぬかつぎや丸ごと煮物にも使えるので、広く全国で栽培されるようになった「石川早生」という品種です。石川早生の出回る時期が、夏から秋への季節変わりの時ですので、中秋の名月(旧暦8月15日)によくお供えされたと言われます。
このレシピは、単純に里芋の子芋を皮のまま蒸し(煮る)、その皮を剥がして、塩や味噌ダレを付けて食べる秋の料理で、酒の肴にも最適なものです。「きぬかつぎ」の名称は、子芋の一部に皮の付いた様子が、平安時代の女性の衣装「衣被き」(きぬかずき)になぞらえて付けられたとのことです。
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○収穫した里芋は親イモから小分けに取り分けて、軽く泥を付けたまま段ボール箱や紙袋に収納し、霜のかからない物置などにしまいます。料理用に水洗いしたものや皮を剥いたものは、調理しなければ、皮を剥いた後冷凍保存します。蔵置したものも早めに食するほうが良いです。
(12月22日 収穫した里芋「土垂」)
○20~30gのものを数個タワシで水洗いします。使い道に困るような子芋ですので、形・大きさも不揃いですが、今回は「試してトーライ!」です。水洗い後ざるに取り、一つ一つ布で拭き、軽く乾かします。
(タワシでひげ根や泥を洗い流します)
(その後の処理がしやすいように少し乾かします)
○芋の座りの良い方の反対側の上から三分の一位の所に、ぐるり一周刃物で切り込みを入れます。これは芋の熱処理後、剥きやすく・食べやすくするためです。
(芋の三分の一位の所に刃物で切り込みを入れる)
○里芋の調理に、しっかり蒸し器で15~20分や、水からのボイルで10分前後というレシピが紹介されていますが、Aは1000Wの電子レンジを使ってみました。耐電子レンジ容器にラップをかけ、3分30秒の加熱を行いました。竹串が丁度良い具合に通りましたので、取り出します。
(ラップ後1000Wで3分30秒の加熱)
(竹串も良い具合に通る出来具合です)
○先に三分の一位の切り込みを入れたところを剥がしながら、それぞれの芋の出来具合を見てみます。
(切り込みを入れた三分の一を剥がす)
○盛り付けの時座りの良いように、底部を平らに削ぎ落とします。この時、出来上がり過ぎて柔らかくなった芋は包丁で削ぎにくいので、少し注意します。今回は自前のサトイモを使いましたので、多少、姿・形のバラツキで見映えが悪くなりましたが、均一な「石川早生」では、よくできるかもしれません。
(盛り付け時 座りの良いように底部を削ぐ)
○芋に付けるつけ種は、普通の塩やごま塩、味噌ダレなどがありますが、今回は、少し甘く深みのあるヒマラヤピンク岩塩を添えてみました。他にKが得意とする醤油麹や塩麹も用意できます。
(ヒマラヤピンク岩塩を用意したAの「きぬかつぎ」)
※ 【 反 省 】
加熱時、芋の皿に接した部分に出来上がりの片よりが見られました。また、微妙に大きさにより加熱の度合いが違いますが、初めてにしては許せる範囲か? と手前味噌に思います。均一に炊き上がる? 蒸しや煮たりも試してみたいと思いました。里芋の持つ口当たりの良いぬめりや淡泊な味が、つけ種をいろいろ変えて、また、酒種を変えて味わってみたいと感じました。盛り付け写真のうち、右下の少々黄色味がかった芋は「風邪をひいた芋」らしく、硬く食用には不適でした。
「石川早生」の栽培も興味を抱かせる「きぬかつぎ」レシピでした。