2022年 M221211 HOZAN A-915 スポークネジ切り器
1980年代頃の古い中古工具、宝山工具製作所時代のもののようです。Aは試しに1、2度使用したことがありますが、習熟するほどには至らず、以後、折損したスポークがあってもそれぞれ適合する長さのスポークを購入していました。
現在のホーザン(株)(旧 宝山工具製作所)は終戦直後の1946年、初代奥野錠太郎が大阪市東区(現在の中央区)に自転車工具メーカー「寶山工具商会」を開業、以後名古屋の「畑屋製作所」と共に戦後の自転車工具業界を牽引してきました。1955年大阪市浪速区に移転「(株)宝山工具製作所」と改組(1955~1985)、以後、電子・電気関連工具、計測器等の開発・企画・販売にも注力しつつ、一般工具、自転車工具販売を継続しながら、1985年社名をホーザン(株)に改変、現在に至ります。米国の世界最大の自転車工具メーカー「Park Tool」の日本総代理店でもあります。
出品のスポークネジ切り器・A-915は1980年代の初期型のもので、海外にも大分輸出されたようで、ビンテージものとして中古品が取引されているようです。幾種類かのマイナーチェンジされた型式もあるようで、C-915(780g)は「ワールドパーツ カタログ」(大阪トモダサイクル 1987年)に載っており、ホーザン・カタログ1990年版にもあります。C-700は2019年頃まで販売され、A-915からの従来型とほぼ酷似していますが、2019年頃に発売された後継器のモデルチェンジされたC-702シリーズが以後現在まで販売されています。
出品のA-915は丸ダイス転造加工により、ネジの盛り上げを行うスポーク専用の特殊ネジ切り器です。実測重量787g。一般に転造加工では、切削加工と異なりファイバーフロ(繊維状金属組織)が切断されません。連続したファイバーフロを持ち、かつ強い力で押し込まれた金属繊維は圧縮されることで、さらに密度が高くなり加工硬化を起こします。塑性変形の加工硬化により、転造加工品は切削のものと比較しても高い強度を保ちます。この強度こそがスポークに求められるものです。このネジ切り器の習熟により、プロメカニッククラスの強度と精度を持つ、オリジナルのスポークを製作することができます。好みのスポーク組(変速組・ラジアル組)により独自のホイール、自転車を組み上げられる上級者向けの工具です。ステンレス・鋼鉄製スポークの#14・#15用で、チタン製・エアロスポーク等変形スポークには適応できません。丸ダイス転造駒部分に極端なサビ・汚れ等は見当たりません。替駒はC-702シリーズのものが使用出来そうですが、試しておりません。メイン写真のものが全てになります。主要部分の詳細は、サブ写真をご覧下さい。使用法については、ホーザン(株)のホームページより後継器のC-702シリーズのものをダウンロードして参考願います。
(HOZAN A-915 スポークネジ切り器 メイン写真)
(HOZAN A-915 スポークネジ切り器 サブ写真1)
(HOZAN A-915 スポークネジ切り器 サブ写真2)
(HOZAN A-915 スポークネジ切り器 サブ写真3)
(HOZAN A-915 スポークネジ切り器 サブ写真4)
(HOZAN A-915 スポークネジ切り器 サブ写真5)
(HOZAN A-915 スポークネジ切り器 サブ写真6)
1980年代頃のA-915、C-915の取扱説明書は資料等の中に見当たりませんでしたが、C-700のものが入手できました。モデルチェンジしたC-702シリーズの取扱説明書はホーザン(株)のホームページよりダウンロードできますが、マイナーチェンジを重ねたC-700の方がよりA-915、C-915に近い外観ですので、後に掲載しました。
※掲載の取扱説明書につきましては、著作権制限対象物に当たるか否かは不明ですが、個人使用のみに限らせてもらっております。掲載物関係者の方で、御異議・苦情等があれば、ご連絡ください。早期に削除等の対処をさせていただきます。
(HOZAN C-700 取扱説明書 P1 )
(HOZAN C-700 取扱説明書 P2 )
(HOZAN C-700 取扱説明書 P3 )
(HOZAN C-700 取扱説明書 P4 )