2024年 ポタリング 大堀川水源地から国道6号線呼塚橋際(1)
Aのポタリングコースの一つに利根運河から柏の葉公園、おおたかの森を巡るルートがあります。ほぼ流山市地域の中を回りますが、住宅地と雑木林、畑地が点在し、まだ多少の自然が残っています。このコースの中、地図上に「大堀川水源地」と記され、住宅地の外れから生活排水が流れ出ている場所があります。通るたびに気になっていましたので、水源地から大堀川を下るポタリングを計画してみました。
※ 大堀川(千葉県)
水源地より河川域青葉橋両岸、新橋手前右岸までが流山市、以後、青葉橋より手賀沼までが柏市の一級河川。利根川水系の支流、延長6.9km。水源は主に生活排水と雨水、おおたかの森北部より南下、新駒木橋付近で流路を東に変える。「こんぶくろ池」方面から流れてきた水を合わせ(地金堀)て手賀沼に注ぐ。
1月24日は天気晴朗、気温は10℃未満、体感2~3mの風があります。ランドナー車を車載にて「流山総合運動公園北側駐車場」(無料開放 09:00~22:00 夜間閉鎖)に到着、コンビニのお握り2個を食べ、小休止後、10:00出発しました。
(「流山総合運動公園駐車場入口」①)
(「流山総合運動公園北側駐車場」)
「つくばEX」の南側を並行している大通りを「流山おおたかの森駅」を左手に見ながら直進、突き当たりJR柏駅から北進している「柏中通り」とのT字路交差点を左折、狭いバス通りから「柏の葉公園通り」へ。「県立柏の葉公園」南東角、公園名を記した石のオブジェのある公園入口で小休止しました。
(「県立柏の葉公園」南東角入口の石のオブジェ ②)
「柏の葉公園通り」を直進し、「東京大学柏キャンパス」を正面に見るT字路交差点を16号方向に右折すると、右手は大きな「国立がん研究センター東病院」の建物がそびえています。
(「柏の葉公園通り」突き当たりT字路交差点正面は「東京大学柏キャンパス」③)
(T字路交差点を右折すると右手は「国立がん研究センター東病院」④)
※ こんぶくろ池と地金堀
千葉のこの辺(下総台地)は、表層の関東ローム層中やその下の粘土層との境界部あたりから水が湧いており、日照りが続いても凌ぐことが出来ました。台地のどこでも湧くと言うことではありませんが、地層の重なり具合や傾きなどによって水が集まってくる場所です。千葉県では「しぼり水」という言い方もあります。
現在では柏市内唯一の手賀沼の自然水源となった「こんぶくろ池」は、近世資料によると「青田新田の林内にある子袋池清水」と江戸期300年前より記述があり、かつて近辺は緑多い林でクヌギやコナラは薪炭に、こんぶくろ池の湧水は、生活用水・農業用水の恵みとして大切に扱われていました。柏市正連寺(地名)の「こんぶくろ池」と「弁天池」を水源とする延長約4.9kmの水路「地金堀」は、一部16号線と並行しながら南に下り、生活排水や旧柏ゴルフ場の湧水などを集め、柏市根戸新田のアサヒビール飲料製造工場跡地に建てられたマルチテナント型物流施設「ロジポート北柏」脇の「地金堀樋管」より大堀川に流れ込みます。
当初「大堀川水源地」(おおたかの森北部)からの出発を予定していましたが、紐解くうち「こんぶくろ池」の所在を知りましたので、足を延ばしそちらから回ることにしました。
「国立がん研究センター東病院」正面より16号線方向へ向かい、ファミマ交差点を右折、100m先(北東駐車場の直ぐ裏)が、「こんぶくろ池自然博物公園」入口でした。園内は大きく2ヶ所に分かれ、Aは池エリアの一部しか巡っていませんが、きれいに整備され、自然環境保全の心配りの様子が、そこかしこに見られます。後で知りましたが、柏市から公園管理業務を受託された「NPO法人こんぶくろ池自然の森」の会員が、自主的に活動されている場所でした。
(「こんぶくろ池自然博物公園」入口)
(「園内散策マップ」)
(園内に通じる雑木林の入口)
(湧水がしみ出す「弁天池」と祠(ほこら)⑤)
(NPO法人による水脈踏圧防止のための木道敷設)
(「弁天池」より「こんぶくろ池」に流れ込む湧水)
(湿地保護のための木橋設置)
資料によると、生活・農業用水に使われて近隣村民により手入れ保全が行われていた森は、薪炭のための伐採も行われていたので、低木が多く今より草地の多い明るかった森のようです。冬枯れで陽射しが差し込む雑木林ですが、葉が繁茂する夏は幾分鬱蒼とした森になるのでしょうか? また、その頃来てみたい場所です。
弁天池から数分、雑木が林立する木立の中に忽然と池(大きな水溜まり)が現れました。案外広く見えますが、水があるのは半分ほどで、奥の方は乾いているようでした。丸太の銘木に「こんぶくろ池」の名前が彫り込まれています。散策マップには、水源を集めて「地金堀」に続く水筋が書かれていますが、よく分かりませんでした。200mも離れていない所を16号線が通り、木立の隙間からは有料駐車場が見えます。人里の喧噪が届かないこの場所は、貴重な別天地でした。
(丸太に彫り込まれた「こんぶくろ池」⑥)
(案外広い「こんぶくろ池」)
「こんぶくろ池自然博物公園」散策は、40分ほどでした。「東京大学柏キャンパス」前のT字路交差点まで戻り、その先の「東大前」バス停より柏の葉公園内・北エントランスを抜け、ボート池に面するレストハウス脇を通り、「国土交通省国土交通大学校柏研修センター」に近い出口から公園を後にします。この「柏研修センター」は、利根運河ポタリングコースのおおたかの森へ向かうルート上の場所で、ゲート正面左側の研修センターと住宅地の間の道を紆余曲折しながら、「大堀川水源地」に向かう慣れた道になります。
(「東大前」バス停より「東京大学柏キャンパス」をのぞむ ⑦)
(公園・北エントランス入口前の石のオブジェ ⑧)
(「国土交通省国土交通大学校柏研修センター」正面ゲート ⑨)
流山市には、江戸川CRや利根運河・利根川縁のポタリングで、残された自然の緑を楽しませてもらっています。雑木林や堀、並木道、小規模な公園が多く、癒やしの対象である環境保全事業・緑化推進に熱心なように見受けられます。公園の木陰で一休み、水辺の涼しい風に汗が引くとき、必ず目にするのが「みどりの課」が管理管轄している旨の表示板です。そう言えば、本日の駐車場のある「総合運動公園」の再開発も「みどりの課」の担当と記憶しております。
「大堀川水源地」に出る直前に「駒木ふるさとの森」という雑木林の公園がありました。この時季のチョット薄暗い人寂しい雑木林の東屋は、小休止にもってこいの場所でした。ここにも例の表示板は、ありました。
(「駒木ふるさとの森」へ続く雑木林の道)
(「駒木ふるさとの森」 ⑩)
「駒木ふるさとの森」を抜けると住宅地の一角、川下に口を開けたU字型の窪地「大堀川水源地」の出現です。地図上に名称記載はありますが、現地には何の説明書きもありません。大きな暗渠排水の開口部が口を開け、排水が流れ出ているだけです。チョロチョロと流れる河原の右岸を200mほどすすむと、直ぐにコンクリートで固められた護岸です。
河原の案内表示板には、「降水時最高水深3.7mになるので要注意 河原には近づくな!」と書かれていました。
(手前「大堀川水源地」とされる暗渠排水の出口から川下をのぞむ ⑪)
(「大堀川水源地」より大堀川右岸河原への道)
(大堀川右岸より「大堀川水源地」の暗渠排水の出口をのぞむ)