2013年5月1日
今年もあちこちの庭で、色とりどりのツツジが咲いているのが見られるようになった。
我が家の庭でもピンクや赤のツツジが咲いている。
白いツツジは無いが、白いツツジにはある思い出がある。
もう10~11年くらい前のちょうど今頃の季節の事だ。
ある天気の良い日に私の従兄(いとこ)から電話があった。
内容は従兄の家の白いツツジが咲いたから、見に来ないかという誘いの電話だった。
私は子供の頃から良く遊びに行っていて、どのツツジかすぐ分ったが、それ程そのツツジに興味は無かった。
けれどせっかく電話をもらったので出かけることにした。
車で10分くらいの距離である。
従兄の家に着くと、従兄の妹夫婦もツツジを見に来ていた。
妹夫婦は私には従姉(いとこ)夫婦だが、ご主人は闘病中だった。
年代もののその白いツツジは見事に綺麗に咲いていた。
私は感心しながらも普通に眺めていたが、私の従姉のご主人はツツジをしみじみと見入っていた。
そして 「もう来年は見れないかもしれないな」 と、ボソッと言った。
それを聞いた従姉は、 「そんな事ある訳ないでしょ!」 と強い口調でたしなめた。
ツツジを見た後は、皆でお茶を飲んで、いろいろ世間話などして帰って来た。
その年の冬、従姉のご主人は亡くなった。
あの時の言葉どおり、従姉のご主人は次の年、白いツツジを見ることは出来なかった。
白いツツジが咲く時期になると、あの日の従姉のご主人がツツジを眺めていた姿を思い出す。
少し高台に咲いていたツツジを、ジ~ッと、まるでいとおしむように眺めていた・・・
この従姉夫婦に、私は色々とお世話になった。
元気な頃は私と同じに山好きで、夫婦でよく山に登っていたようだ。
登山の写真を見せてもらったこともある。
知り合いがいなくなると言うことは、とても寂しい・・・
その従姉も2年ほど前に大きな手術をした。
退院してきたとき、お見舞いに行った。
顔を見たとき、非常にショックを受けた。
元気だったころは美人だったのに、ものすごくやつれて、年取って見えた。
その後、だんだんと元気になり、以前ほどでもないが、きれいになってきた。
良かった。
生きていると、いろいろなことがある。
正直、つらいと思う時もあるが、これまで生きてこられたことに感謝をしなければと思っている。
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