何故だか判らないんだけど、CSのある局がベルサイユ特集?みたいなことをしている。
上の映画は昔も見た映画ですが、今、大人目線で見てみると色々思うところがあります。
完璧な政略結婚でオーストリアからフランスに嫁いだオーストリアの女帝のマリア・テレジアの末娘
「マリア・アントーニア」
嫁いだとき14歳だった。
彼女は嫁ぐ際、オーストリアの全てを捨てさせられた。
本来はドイツ語読みでは「マリア・アントーニア」だった名前もフランス語読みの「マリー・アントワネット」に変わった。
当時は寿命が今ほど長くないから、これくらいで嫁ぐのも普通だった。
「ロミオとジュリエット」のジュリエットの大恋愛も14歳だった。恋愛するのも普通のお年頃なわけだ。
その大恋愛でジュリエットは心中することになるという…。と、こちらはシェークスピアの創作劇ですが。
マリー・アントワネットは、嫁いですぐに「跡継ぎをー」が始まる。
今じゃこの年齢でと、大問題となることも当時は普通だったわけだ。
当時はフランスの2割が王族・貴族で、それを、それ以外の大衆が支えていた。
マリー・アントワネットの散財などが重なり、それが最後の一手となったように民衆の怒りが爆発し、最後はフランス革命へと突き進んでいく。
それ以外にも革命が起こる原因は山済みになっていて、本当に見事に最後の一押しになっている。
フランスの民衆には、いい刺客がオーストリアから嫁いできたって感じよね。
見事王朝文化を終わりにしてくれた。
あの「オーストリア女」と、同じ貴族からは二枚舌でさげすまれ、最後は民衆からも憎まれた。
でも、民衆には王政を終わらせる究極のチャンスをくれた方であった。
彼女の人物像については色々な説があり、この映画でも語られているのはごく一部でしかない。
ただ貴族とか国王の生活は民衆には想像できない束縛もあったことは確かだ。
嫁ぐ際に名前もフランス流に変えられた。
出産も子どもの取り換えを防ぐため、高位にある人物立ち合いのもとで行われる。
食事も多くのお世話係に囲まれたままだ。
、息きつく暇もない。
マリー・アントワネットがフランスに持ち込んだ文化は数しれない。
入浴、香水、食べ物、様々なファッション…
フランスは多くのことが彼女がやってきたことで変わった。
それでも稀代の悪女のように呼ばれた。
(最近は、普通の女性だった。ただ王妃となる器じゃなかっただけだというのが主流になってきている)
彼女の母のマリア・テレジアも日本の漆の小物などが好きだったそうで、マリー・アントワネットも同じく漆の小物を愛していたという意外と日本には有難い人だった。
最後は民衆の憎しみを一心に浴び処刑され断頭の露と消えた、マリー・アントワネット享年37歳の儚くも短い人生だった。
断頭の露と消えた…これがギロチンによってだったのですが、フランスは死刑制度がなくなるまで、死刑は全てギロチンでした。
何故かって言うと、ギロチンが1番処刑される側の苦痛が少ないという理由らしいのですが、確かに首をはねられればその一瞬で苦痛も無くなるだろうが、そこまでの恐怖は凄いんじゃないの?
あんな刃をむき出しの物を目の前に見せられて、首を抑える場所に入れられるんだから。
ルイ16世との間にもうけたマリー・テレーズ(マリア・テレジアのフランス語読み)、ルイ・シャルルが一緒に幽閉の身になった。
マリー・テレーズはいわれるままルイ16世の家系に嫁ぎ天命が尽きるまでその生を全うした。
ルイ・シャルルは色々な噂があり、実は幽閉場所から逃げて生き延びたと、いろいろなルイ・シャルルを名乗る人物がのちに現れた。しかし姉のマリー・テレーズは誰とも会って確認することはなかった。(…まあ、あの革命を見て両親を奪われればね、静かに黙ってるのが1番と思うでしょうね)
しかし最新のDNA鑑定で歴代の王室の王の心臓が保存されているものと彼の骨から抽出したんじゃないかと思われるが(ここんとこは忘れた。どこかに書いたけど)DNAを比べた所、幽閉されたまま死んだ少年がルイ・シャルルだったことが確認されている。
やっぱりこうして残ってること自体が凄い事よね~。
まさに運命のとき、オーストリアに生まれ、フランスに大きな貢献と大きな打撃を与えた
悲喜劇こもごもの人生を生きた女性だった。
今もまだ様々に語られるマリー・アントワネット、それだけでその存在の意味が大きいことが判るというものだ。