昨年の因島水軍まつりで、初めて「小早レース」に参加しました。全てが初めてという状況でしたが、周りの人たちが丁寧に教えてくれて、とても楽しい思いをさせてもらいました。昨年のレースが終わった時点で、すぐに今年も参加したいと思うほどでしたから、余程僕の性に合ったのでしょう。
今年も昨年と同じチームで参加することを考えていたのですが、僕の友人であり、尊敬する人から、「一緒に漕がないか」と誘われました。僕にしてみれば、凄く嬉しいことであり、すぐにでも飛びつきたい話ですが、昨年所属したチームは初心者の僕を教えてくれて、楽しい思いをさせてくれたチームですから、すぐに決断することは出来ませんでした。
自分の中で返事の期限は1週間以内にしようと決めて、昨年のチームに誘ってくれた人などに相談したり、色々と考えてみました。決め手となったのは、僕が中学生の頃に父親に言われた言葉でした。
「楽な道と苦しい道があるなら、迷わず苦しい道を選べる人間になりなさい。」
父親がどのような意味を込めて言った言葉か分かりませんし、今も覚えているかどうか分かりませんが、僕は自分自身で選択するときには、よくこの言葉を思い出していました。そして、自分なりに責任を持って決断をしてきたつもりです。もちろんそれが全て正しいとは思いませんが、後悔はしていません。
さて、そういうこともあり僕が選んだのは、新しい環境(チーム)でした。昨日は、その僕の尊敬する友人夫婦が家に招いてくれました。そしてチームのリーダーの方とも話をする機会を与えてくれました。その心遣いに感謝です。
そこで話した友人の言葉で僕の心を見透かしたような言葉がありました。言葉全てがこのままでは無かったと思いますが、「ある環境で、しんどいと思っても、実はその上にもしんどいことってあるんだよね。」と言われました。あまり多くは語らない人なのですが、その言葉は真実を捉えていることが多いのです。
僕は勝手に”苦しさ”の上限を作っていなかっただろうかと思ったのです。例えば、10キロの長距離走だって、十分にしんどいですが、妥協すればそれなりのしんどさだし、それを誰よりも速く走ろうとすれば、凄くしんどいし、或いは42.195キロのマラソンなら、さらにしんどいでしょう。
「環境が人を育てる」と言いますが、今回の選択が僕を育ててくれると信じることの出来た夜でした。