あこがれ
少年はあこがれに吹きあげられて
丘の上にのぼる
人っ子ひとりいない斜面をかけ上がると
したたるような空の青さだった
向こうに一面のコスモス畑
孤独な花の匂いの中へ
少年は歩きつづけた
白と赤の明るい花びらの下に
何人の少年がかくれていることだろう
いつの日か買った詩画集「秋桜物語」の中から
「あこがれ」を選んでみました
野焼きの風景
ゆっくりとした時間が流れているようです
*令和4年10月21日 日野町西大路にて