(市内にて撮影)
「沁みる夜汽車」という鉄道にまつわる
ちょっと心が温まる物語をドキュメントと映像で
紹介していく番組をご覧になりましたか。
昨夜の物語は近鉄(近畿日本鉄道)での物語です
ある暑い夏の昼下がり
お母さんと二人の幼い女の子が乗って来ました
ちょうど3人座れるスペースがあり
3人はすかさず座りました
次の停車駅で、お腹の大きい女性が乗って来ました
生憎 空いている席はありませんでした。
お母さんは妊婦さんが気になり
席を譲ろう、と考えている様子が見えました
姉妹のうちお姉ちゃんがすくっと立って席を譲ろうとしましたが
女の子の直ぐ隣に座っていた野球のユニフォームを着た高校生が女の子を制して
「僕が替わるから大丈夫だよ」と言って
妊婦さんに声をかけました
妊婦さんは「あなたも荷物が多いし・・」
そのまま座っておくように言いました
高校生は「いえ、次の駅で降りますから どうぞ」と
言ってドアの近くに立ちました
妊婦さんは「ありがとう」と言って座りました
(市内にて撮影)
列車はほどなくしてホームに滑り込み
高校生は妊婦さんに一礼して降りて行きました
ここまでは よくある お話
高校生はホームを歩き、一両前の車両に再び乗り込みました
それを見ていた女の子は
「お兄ちゃん、また、前の車両に乗ったよ、何故?嘘をついたの」と
驚いたように大きい声で云いました
その瞬間、乗客たちは前の車両を確認
確かに背番号10をつけたユニフォーム姿の高校生が
ひとつ前の車両に乗っていました
乗客の大人たちは彼の【優しい嘘】の意味を理解し、
車内は爽やかな風が吹き抜けたようでした
女の子は幼稚園児か小学1年生くらいでしたから
お兄ちゃんの嘘が理解できなかったのでしょう
お母さんは常に子供たちに
「嘘をついたらいけません!」と言っていたから・・
無理もありません!
お母さんは、その日、娘に【優しい嘘】を
わかるように説明しました
その女の子は 今、小学5年生になりました
あの夏の日、電車での出来事を理解できる年齢になりました
お母さんは 優しい娘に育ってくれたことに
嬉しく誇らしく思ったそうです
令和5年1月15日「TV・沁みる夜汽車」より