~ 恩師のご著書「講演集」より ~
講演集 一
「自殺者さえ救われる」
これは本で読んだ話でなく、私の体験したことです。
まだ二十七、八歳の若い方が服毒自殺をされました。
青酸カリですからものすごくきついですね。
寝ている身体の下の部分はすぐに変色してきます。
二時間ぐらいで真黒になり、五、六時間もすると
全身が腫れあがって、
鼻、口など穴という穴から汁が出てきます。
もう見られた姿ではありません。
鼻、口に綿を詰めるのですが、細胞が腐っているから、
穴が広がっていよいよお化けです。
胸をかきむしって断末魔の苦しみのまま目をむいて
死んでおられたのです。
私が寄せてもらった時は、
池の底の泥といった状態に全身が変色していました。
紫色になり、身体は腫れあがり、目をむいて、
硬直していて指一本動きません。
石よりも堅い有様です。
余りの気の毒なお姿に、家族のご諒解を得てから、
「どうか神よ、この方の罪をお許し下さい。
どうか許して下さい」と私は泣きながら許しを乞いました。
それから、その方に向かって「あなたは、どんな事情があったのか
知らないけれども、何ということをしてくれましたか。
自らの命を自ら断つとは何事ですか。
神は生きよ生きよと言われます。
あなたはその神のご意志に背いて何ということをしてくれましたか」
「その過ちに気付けば、ほんとうの神様に心からお詫びを言いなさい。
私も共にお詫びします。
その過ちに気付いて、心からお詫びして下さい」
と話させてもらいました。
私も泣きながらだったのですが、目を開きますと、
真黒になって腐りかけたその方の顔が綺麗になっているのです。
白くなってピンクがさしてきています。
目は剥いていましたが、手で触るとさっと閉じてくれました。
一瞬にしてお化粧をしたような顔に変わっておられるのです。
家族の方も親戚の方も驚いておられました。
硬直していた腕が柔らかくなっていて指を組ませましたら、
今度は倒れてしまうので、座布団を二つに折って肘につっかいをして
合掌してもらいました。
もしも普通の宗教が言うように、神に背いて命を絶った者は
永遠に救われない、神が怒って救われないのだったら、
いくら私が泣き叫んでも祈っても救われる筈はありません。
この体験をさせてもらうことによって、
神は自分に対して最も背いた行為をした人にさえ、
救われなさい、自らに目覚めて救われなさいと、
慈愛を与えて下さったことが分かりますね、
なぜ、
その方の硬直がとけて観音様のようなお顔に
変わったかと言いますと、
その方が自らの過に気付いて、私が泣き叫んだように、
その方も神に泣き叫んでお詫びをされたからだと思います。
この現象を見せてもらうことによって、
神仏の御心をはっきりと自分が体得しました。
「神の名において許しません」という宗教がありますが、
あれは嘘です。
神は無限の許しです。
無限の許しの意識です。
罰は絶対に当てられません。
皆さんも時間があれば、心が落ち着いた時に、
或いは夜寝床に入った時でも結構です。
朝起きた時でも結構です。
「ありがとうございます」という感謝のひとときを持って下さい。
そうすれば心に安らぎをいただきます。
幸せとは心の安らぎです。