~ 恩師の「講演集」より ~
先の続き・・・
この話をしますと、その霊が「嘘をおっしゃい。
それならば死ななくてはいけません」と
ひどいことを言います。
「神とは自らの命捨つる者に命を与え、命求める者の命を失う。
自分を捨てた時、神は命を与えて下さいます。
あなたは正しくなかった」と言って懇々と話しますと、
「なぜ私はこのように苦しまなくてはならないのか分からない。
どうぞこの苦しみの原因を教えてほしい」と、
やっと目覚めてくれたのです。
この人が、そのように人に尽くし、尽くし、また人を愛し、
愛して間違いのない生活をしていたのに、死後なぜ、
地獄の生活をしておられたのか。
それは、人様の為に尽くして自分がすばらしかったら、
人様も皆すばらしいと思っておられたのですね。
しかし、この世に生まれる前は、皆次元の違う世界にいて、
それぞれの所から生まれて来ている。
すばらしい世界にいた人は、人の難儀しているのを見て放っておけない。
しかし次元の低い世界の人は、
人から恩を受けても平気で裏切っていきます。
人の為に必死で尽くしても、人は平気で裏切っていき、
その都度この方は夜も眠れないぐらい苦しんでおられたのです。
「どうしても分かりません」とおっしゃるので、
それではあなたが地獄へ行っておられる謎を解いてあげましょう。
それは、あなたはお人が良かった。
貴方自身魂の次元が高かかったのです。
まずそのことを知りなさい。
それで難儀な人や苦しんでいる人、
不幸な人を見ると放っておけなかった。
人の苦しみを救おうと一生懸命に尽くされたのです」
「その通りでございました」「あなたは自分がすばらしいが故に、
他もすばらしいと思っておられる。
しかし魂の次元はすべて違うのですから、あなたがいくら尽くしても、
次元の低い人は、低いが故に人の世話にならなくてはならない。
魂の次元の高い人は、人から世話になれば必ず恩返しをいたします。
しかし低い方は低いが故に平気で裏切って行きます。
あなたの大きな間違いは、魂の次元を同一と見たことにあります。
その時にあなたの心はいかがでしたか」と聞きますと、
「尽くし切って裏切られた時、
この胸がはり裂けるぐらいの苦しみを味わいました」と言われます。
しかもあなたは一度で止めておけばいいのに、
自分の魂の性ゆえにそれを止めることができず、
裏切られても裏切られても人の為に尽くし、愛し続け、
善なる行いの数が多くなると共に、裏切られる数も多くなっていき、
あなたはご自身の心を数多く苦しめてこられました。
その苦しみが、あなたが地獄に行く原因となっています。
そのことを知りなさい」と言いますと、
「この世はつれないものでございますね」と言って泣いておられました。
「この世には、嫌いな人で、あんな嫌いなと思うような冷たい人が
幸せに暮らしている場合がありますが、
それは他人が苦しんでいても悲しんでいても見向きもしない
次元の低い人であって、他人に対して親切はしません。
従って裏切られることはないから、自分の心を苦しめることもなく、
案外この世的にうまくいくのです」と説明させてもらいましたら、
「よくわかりました、私が間違っていました」と言って、
自分に目覚められました。
「私を安らぎの世界へ導いて下さい」とご本人が目覚められましたから、
「では、私がほんとうの神様の使いとして、
あの光の世界へお送りしましょう」といって、あの仏教でいう極楽ですね、
私達がこの世に生まれて来る前に住んでいたすばらしい世界へ
送らせてもらいました。
その苦しみの心の罪は、腹立ち、怒り、妬み、謗り、愚痴、恨み、憎しみ、
そして嘘をつくことです。嘘を言うのも、ひどく自分の心を苦しめます。
どんなに上手に嘘をついても、
自分では嘘をついていることを全部知っています。
自分に嘘はつけません。いかに天才の嘘つきでも、
人は騙せても自分は騙せないのですね。
これは神の証しです。
嘘をつけば必ずばれてくるようになっていますから、
人にばれるのではないかと恐れ、
もしばれたら又次の嘘をつかねばならないことになって、
自分の心を苦しめます。心の罪を犯してはなりません。