~ 恩師の「講演集」より ~
講演集、 一
「心に播いた善悪の種子、その収穫」
種子を播けば芽が出て来ます。
芽が出れば必ず生長し、時期が来れば花が咲き、
そのあとには必ず実りがあります。
同じように、
自分の心の中に苦しみの原因となる種子を播いてしまったら、
苦しみが芽生えて生長してきます。
時間はかかります。
今、種子を播いたからすぐ明日収穫するというわけにはいきません。
自然界と同じように或る時間を要します。
自然界では桃栗三年、柿八年、
二十日大根は二十日経てば収穫できます。
早く現れる場合と、時間がかかって現れる場合とがあります。
しかし、自然界のものは、せっかく丹精こめて育てましても、
心悪しき人がちょっと失敬しようかと持って行く場合がありますが、
自分の心の中に播いた種子は、何者も盗むことはできません。
全部自分が収穫しなくてはなりません。
もし善なる種子を播きますと、
それは必ず喜びとなって自分に収穫が回って来ます。
これはまた、誰も盗めません。
その代わり恐ろしいのは、悪い、苦しみの種子を播いてしまったら、
誰も取ってくれないことです。