恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
人間は皆、自己が最もいとおしい
先の続き・・・
「私は主人を命の限り愛しています」といっても、
主人がよそへいってお金を持ってきてくれなかったりすと、
主人を憎むようになります。
主人のほうも「私は家内を愛しています。いとおしくてたまりません」と
いいましても、心の底を掘り起こしてみると、
「この人がいないと洗濯もしてくれない、
めしも炊いてくれない」という具合に結局は全部自分の為です。
お釈迦様は、「自己がいとおしいように、人さまも各自、自己がいとおしい、
だから自分をいとおしむ如く、他をいとおしみなさい」と教えておられます。
これは蚊一匹、蟻一匹といえども自らをいとおしんでいます。
だから私たちは自分をいとおしむように、
他のすべての命あるものをいとおしまなくてはならないのですね。
「自らを愛し、自らを愛するが如く他を愛しなさい」