恩師のご著書「講演集」より
講演、四
「水」が教えてくれる自然の法則
バケツ一杯の水を汲んできて拭き掃除をしますと、
自ら汚れを吸収して他を清めていきます。
雑巾をかけますと、自ら汚れや埃を吸い取って清めてくれます。
私たちも、自分を犠牲にしてでも、
他の汚れである苦しみを吸い取ってあげる
ぐらいの愛が必要ですね。
そのバケツの中の水は、雑巾をすすぎますと、ドロドロになりますが、
そのようになっても、水の本質は忘れておりません。
前栽の植木に、水をかけてやりますと、水は低きに流れます。
汚い木の枝や葉やゴミはどうぞ上にあがって下さい、
私は下を通らせてもらいますと、すべてを持ち上げて、自らは低くなります。
私たちも水にならって、自らを低く他を持ち上げて生きることですね。
普通、私たちは、人よりも少し優れていたり、
ちょっとでも変わったところを持っておりますと、
「ああ、私はこんなことができる、私は偉いのだ」と思って、
自らを高く評価します。
自ら高くなった時、他はその人を引きずり下ろそうとします。
必ず周りは下ろしにかかります。