恩師の御著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第二章 必要なのは正しい生命観の確立
◆絶対を忘れているむなしさ◆
先の続き・・・
なぜでしょうか。
それはもちろん十分に生命を燃焼し尽くさなかったということもあります。
もう十分にやりたいことをやり、使命も果たした。
満足と感謝に満たされ、いつあの世に召されても
不足はないと言いきることができたなら、
抵抗なく死を迎えられそうです。
けれども、もっと大切なことがあります。
死んだらどうなるかかがわからないということが、
人間が死に対してあまりにも不必要な恐怖や苦しみを
持ってしまう原因になっているということです。
人間とは単なる肉体的存在ではなくて、
肉体がなくなっても心は続き、あの世に霊として
生き続けるのだとわかれば、
死への態度も一変してしまうことでしょう。
それがわかると生き方も変わる筈です。
「父母にかりに呼ばれて客に来て、
またたちかえるもとのふるさと」このうたは、
この世は仮の宿ということを教えています。
どんな世界から生まれ、何のためにここに来ているのか、
魂の目的というものがわからない限り、
死に対しても無知であり続けるでしょう。
無知であればあるほど、
それは突然襲って来る恐ろしいものであるかのように受け取られます。
その結果、生きている間は心の安らぎがなく、
どこかで疑問や不安を持ち続け、これを
解消しきれずにいることになります。
これが残念ながら、
現在までのこの地球社会の実態にほかなりません。