恩師の御著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第二章 必要なのは正しい生命観の確立
◆死ぬとは何か◆
先の続き・・・
死が訪れるとたちまちにして肉体は腐ってゆき、
一瞬たりともとどまることなく腐乱しいきます。
野に放っておけば、やがて腐り果てるか、
動物や鳥に食べられて、やがて消えてしまいます。
今在るように見えるのは、
ただ一時的に現れているにすぎません。
この世に形あるものとして生じた限りは、
必ず消えてゆかなければならない宿命のもとにあります。
頂いたお饅頭が、トイレに行くとそのままの形で
出て来るなどということはありません。
この世のいっさいはまったく実体がないことがわかります。
形となって現れた世界、般若心経で説かれている
「色即是空 空即是色」の「色」の世界に当たる
目に見える現象世界(以後、現象界と呼ぶことにします)を
「この世」と呼んでいます。
一方で、「空」と表わされている世界、
「あの世」という世界が、実はちゃんとあるのです。
そして、こちらこそが実体のある世界
(以後、実在界と呼ぶことににします)です。