恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第四章 「思い変え」こそ幸せの扉を開ける鍵
◆指をとられて自殺した方と腕をもがれて感謝した方◆
若い頃の知り合いの方に、工場で働いていて機械に指の先をはさまれて
右親指の第一関節から切断した方がおられました。
女性の方でしたが、勤め先の会社を恨み、機械を修繕した人を恨み、
生まれもつかない手になってしまったと運命を呪い、
もう結婚もできなくなってしまったと悲観しました。
そして、とうとう自殺してしまいました。
指先を失っただけで自殺をしてしまったのです。
同じ年頃の方に、
やはり機械に巻き込まれて右上腕部から切断していしまった方がいました。
指先どころか腕までも取られてしまったこの方は、
「ああ、よかった。そのままずっと機械に引き込まれていたら、
全身までも機械に引き込まれてしまっただろうに。
私は運がよかった。
お陰様で助けてもらった」と、一命をとりとめたことを喜びました。
義手をつけていますが、今も幸せに生きておられます。
指の先を失って命を捨てる方と、腕を失っても
「よかった。私は幸運だった」と言って、
幸せに生きている方と、この両者の違いは何かというと、
思い方にあります。
思い方ひとつがどんなに大きく人間の幸不幸を左右するか、
良く分かると思います。
何が起きたかということには、関係なくです。
片目を事故で失った女性もそうでした。
四年間というもの、なぜ私だけがこんな不幸な目に
遭わなければならないのかと毎日
泣き暮らしていたそうです。
そのお姉さんが見るに見かねてあまりかわいそうだからということで、
私のところに妹さんを連れておいでになりました。
毎日四年も泣いておりますと、笑っても泣き顔になるのです。
笑筋といって、笑う時に使う顔面の筋肉を使わないで、
泣筋ばかりを使っているために
こちらが発達してしまい、
笑った時でさえ泣き顔にしか見えないのです。