浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「垂訓」

2024-02-02 23:57:33 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

  恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より


      第四章 「思い変え」こそ幸せの扉を開ける鍵

    ◆指をとられて自殺した方と腕をもがれて感謝した方◆

若い頃の知り合いの方に、工場で働いていて機械に指の先をはさまれて
右親指の第一関節から切断した方がおられました。
女性の方でしたが、勤め先の会社を恨み、機械を修繕した人を恨み、
生まれもつかない手になってしまったと運命を呪い、
もう結婚もできなくなってしまったと悲観しました。
そして、とうとう自殺してしまいました。
指先を失っただけで自殺をしてしまったのです。

同じ年頃の方に、
やはり機械に巻き込まれて右上腕部から切断していしまった方がいました。
指先どころか腕までも取られてしまったこの方は、
「ああ、よかった。そのままずっと機械に引き込まれていたら、
全身までも機械に引き込まれてしまっただろうに。
私は運がよかった。
お陰様で助けてもらった」と、一命をとりとめたことを喜びました。
義手をつけていますが、今も幸せに生きておられます。
指の先を失って命を捨てる方と、腕を失っても
「よかった。私は幸運だった」と言って、
幸せに生きている方と、この両者の違いは何かというと、
思い方にあります。
思い方ひとつがどんなに大きく人間の幸不幸を左右するか、
良く分かると思います。
何が起きたかということには、関係なくです。
片目を事故で失った女性もそうでした。


四年間というもの、なぜ私だけがこんな不幸な目に
遭わなければならないのかと毎日
泣き暮らしていたそうです。
そのお姉さんが見るに見かねてあまりかわいそうだからということで、
私のところに妹さんを連れておいでになりました。
毎日四年も泣いておりますと、笑っても泣き顔になるのです。
笑筋といって、笑う時に使う顔面の筋肉を使わないで、
泣筋ばかりを使っているために
こちらが発達してしまい、
笑った時でさえ泣き顔にしか見えないのです。


           

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「垂訓」

2024-02-02 00:08:19 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

 恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より


          第四章 「思い変え」こそ幸せの扉を開ける鍵

     ◆幸せの扉を開ける鍵「観自在菩薩」の意味と「思い変え」の法◆

先の続き・・・

私たちは天上界で魂の兄弟たちと、ある約束をしてこの世に生まれてきます。
それは、「魂の修行をして、自分を高めてきます」という約束です。
あの世から見れば、この世は、断崖絶壁にも似た危険きわまりない場所です。
蟻地獄に落ち込み、逃げようとしても、砂をかけられて落とされ、
最後には食べられてしまう蟻の姿と同じような人生もあります。
現象界は一歩足を踏み外せば、底の見えない谷底に落ちたり、
霧がたちこめれば一歩も
進めないような危なかしい世界です。
その危なさは、状況に応じて思いをコントロールすることの
難しさからも来ています。
魂を百パーセントとすると、オギャーと生まれた時に、
意識は百パーセント潜在してしまい、
徐々に浮上してわずか十パーセントの表面意識で生活をします。

九十パーセントまでが潜在意識として隠れます。
怒りたくないと思っても怒ってしまったり、
嫌ってはならないと思っても嫌ってしまったりと、
私たちは表面の意識でいくらこういう自分でありたいと願っても、
肉体の煩悩がそうさせてくれません。
しばしば自分で自分を裏切るような自己矛盾が出て来ます。
これが不幸の始まりです。
偽我の思いと、そうでない神我の自分とをはっきり
峻別する努力が必要です。
それを可能にしてくれるのが、
潜在意識の最も奥深くに蔵されている智慧です。
この中には観自在すなわち物事を見通す力が備わっています。
それを獲得することこそ、この世での魂の修行の目的でもあります。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする