恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第四章 「思い変え」こそ幸せの扉を開ける鍵
◆心こそ心惑わす心なり、心に心 心赦すな――中道の大切さ――◆
先の続き・・・
或る晩のことです。
寝ている部屋はT字路にはさまれた角部屋なのですが、
ちょうど私の枕元で犬の吠え声が
けたたましくて、とうとう朝まで寝つかれませんでした。
うるさいなあと思うけれども、犬が吠えるのは
犬の自由だからと思い変えします。
しかし、二日、三日とたつうちに
思い変えができなくなってきます。
まず、飼い主は何をしているのだろう、
こんな真夜中に放し飼いになんかして。
ちゃんとつないでいてほしい。
こう思うと腹が立ってきました。
さらに五日、七日と続くと夜は眠れない、
明日の仕事にはさしつかえるでいよいよつらくなってきました。
それがさらに続くと、竹刀を持っていって
殴ってやろうかと思いました。
それがエスカレートし、
ついに薬局に行って猫いらずを買ってきてパンの中へ入れて
食べさせてやろうかという
考えまで出てくる始末です。
心の修行がちょっとはできていると思っていたのに、
できていない自分に直面し、
愕然としました。