その場考学のすすめ(12)
・その場でメタ思考
「メタ思考」は、メタエンジニアリングの基本になっている。それは、あるものを一つ上の視点から客観的にみるということなのだが、そのことは、やはりその時その場で実行できなければ何にもならない。従って、メタ思考トレーニングなるものが必要なのだが、そのための良い本があった。
細谷 功「メタ思考トレーニング」PHP研究所[2016]
先ずは、「メタ思考」として、3つの特徴を挙げている。
『一つ目は、私たちが成長するための「気づき」を得られることです。特に知的な成長において「気づき」の重要性はいくら強調しても強調しすぎることはありません。まずは自分がいかに知らないか、自分がいかに気づいていないかを認識することが、知的な成長のための第1歩です。』
『二つ目は、「思い込みや思考の癖から脱する」ことにあります。まず「思い込み」とは、「自分(の考え)が正しくて当たり前だ」と、露ほどにも疑っていない状態のことです。一つ目の気付きにつながるものですが、自らの視野を広げ、成長するためには、「自分は間違っているかもしれない」と常に自分自身の価値観を疑ってみることが重要です。』
『三つめは、上記の二つで得られた気づきや発想の広がりを基にした創造的な発想ができる、ということです。本誌では、「なぜ?」という問いかけによってメタの視点に上がって新しい方法を考え出すやり方と、抽象化という手段でメタの視点に上がり、「遠くの世界から借りてくる」ことで斬新なアイデアを生み出すアナロジー思考について取り上げます。』(pp.4)
逆に、メタ思考を苦手とする人については、
『往々にしてこのタイプの人たちは行動力があり、それなりの実績を上げて地位の高い人も多く、そうなるとさらにこれらの傾向に拍車がかかってきます。その状態に入ったらもはやメタの視点で考えるのはほぼ不可能と云えます。』(pp.7)
と断言をしている。
ソクラテスの有名な「無知の知」を挙げて、『気づきの難しさと同様に、「気づいていない人」の最大の問題点は、「気づいていないことに気づいていない」という「無知の無知」状態だからです。一つ言えることは、「無知の無知」から脱するのは他人の力では絶対に無理ということです。』(pp.29)
メタの視点で考える具体的な方法としては、次のことを挙げている。(pp.34)
① 自分を客観視する
② 「無知の知」を知る
③ 「〇〇そのもの」を考える
④ 上位目的を考える
⑤ 抽象化する
「戦略というのはいわば「メタの作戦」のこと」
Whyだけが、「繰り返す」ことができる
『ある程度安定した組織、伝統ある会社、大企業ではこのような「手段の目的化」が後を絶たず、当然そのような組織にいる従業員は長年その組織にどっぷりとつかればつかるほど思考停止は進行していきます。そのためにはきわめて基本的なことではありますが、常に慣習化してしまった行動に対して目的を問うてゆく姿勢が求められます。』(pp.80)
この言葉は、現役当時での思い当たる節がある。考えてみると、「手段の目的化」は日常的に起こっていた。そこで、「その場でメタ思考」のためにひとつあげるとするならば、④の「上位目的を考える」だろうか。このことは、「手段の目的化」が起こっていることを、その場で気づかせてくれる。
・その場でメタ思考
「メタ思考」は、メタエンジニアリングの基本になっている。それは、あるものを一つ上の視点から客観的にみるということなのだが、そのことは、やはりその時その場で実行できなければ何にもならない。従って、メタ思考トレーニングなるものが必要なのだが、そのための良い本があった。
細谷 功「メタ思考トレーニング」PHP研究所[2016]
先ずは、「メタ思考」として、3つの特徴を挙げている。
『一つ目は、私たちが成長するための「気づき」を得られることです。特に知的な成長において「気づき」の重要性はいくら強調しても強調しすぎることはありません。まずは自分がいかに知らないか、自分がいかに気づいていないかを認識することが、知的な成長のための第1歩です。』
『二つ目は、「思い込みや思考の癖から脱する」ことにあります。まず「思い込み」とは、「自分(の考え)が正しくて当たり前だ」と、露ほどにも疑っていない状態のことです。一つ目の気付きにつながるものですが、自らの視野を広げ、成長するためには、「自分は間違っているかもしれない」と常に自分自身の価値観を疑ってみることが重要です。』
『三つめは、上記の二つで得られた気づきや発想の広がりを基にした創造的な発想ができる、ということです。本誌では、「なぜ?」という問いかけによってメタの視点に上がって新しい方法を考え出すやり方と、抽象化という手段でメタの視点に上がり、「遠くの世界から借りてくる」ことで斬新なアイデアを生み出すアナロジー思考について取り上げます。』(pp.4)
逆に、メタ思考を苦手とする人については、
『往々にしてこのタイプの人たちは行動力があり、それなりの実績を上げて地位の高い人も多く、そうなるとさらにこれらの傾向に拍車がかかってきます。その状態に入ったらもはやメタの視点で考えるのはほぼ不可能と云えます。』(pp.7)
と断言をしている。
ソクラテスの有名な「無知の知」を挙げて、『気づきの難しさと同様に、「気づいていない人」の最大の問題点は、「気づいていないことに気づいていない」という「無知の無知」状態だからです。一つ言えることは、「無知の無知」から脱するのは他人の力では絶対に無理ということです。』(pp.29)
メタの視点で考える具体的な方法としては、次のことを挙げている。(pp.34)
① 自分を客観視する
② 「無知の知」を知る
③ 「〇〇そのもの」を考える
④ 上位目的を考える
⑤ 抽象化する
「戦略というのはいわば「メタの作戦」のこと」
Whyだけが、「繰り返す」ことができる
『ある程度安定した組織、伝統ある会社、大企業ではこのような「手段の目的化」が後を絶たず、当然そのような組織にいる従業員は長年その組織にどっぷりとつかればつかるほど思考停止は進行していきます。そのためにはきわめて基本的なことではありますが、常に慣習化してしまった行動に対して目的を問うてゆく姿勢が求められます。』(pp.80)
この言葉は、現役当時での思い当たる節がある。考えてみると、「手段の目的化」は日常的に起こっていた。そこで、「その場でメタ思考」のためにひとつあげるとするならば、④の「上位目的を考える」だろうか。このことは、「手段の目的化」が起こっていることを、その場で気づかせてくれる。