第1章から11章までは別件なので、都合により第12章から始める。
第12章 ジェットエンジンの原理と初期の歴史
ジェットエンジンは、高速で噴き出すジェットの反力により有益な運動を起こすもので、その起源は紀元前のアレクサンドリアのヘロンが発明したアイオロスの球と考えられる。
12.1 ヘロンの装置と原理
アイオロスの球(アエオリピル)(図12.1)は、一般的にはヘロンの蒸気機関と呼ばれているが、ウィトルウィウス(紀元前80年ごろ - 紀元15年)は アイオロスの球について「アイオロスの球は中空の真鍮製容器で、1つの小さな開口部があり、そこから中に水を満たす。容器の水を火の上で熱すると、ささやかな風が放出される。水が沸騰してくると、激しい風が吹き出してくる」と記している。
原理的には、羽根のない簡単な半径流蒸気タービンなのだが、ジェットの力を直接に使っていることで、ジェットエンジンとも云えるのではないだろうか。
Lord Kings Nortonは、「WHITTLE the True Story」(1)のまえがきで、「his aeolipile, which was a simple form of turbine driven by jet propulsion」と述べている。
ヘロンは、その球形容器の回転軸にロープと滑車を取り付け、ロープを巻き上げることによって寺院の扉を自動的に開いてみせたとの説がある。この力の原理は単純で、作用と反作用だけの問題となる。つまり、ある物体から作用力を発生させて、その反作用で動かす力を得ることになる。
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図12.1 アイオロスの球
ジェットエンジンも、これと全く同じ原理で航空機に加速度を与えている。
ヘロンは、これ以外にも機械を発明したのだが、それらの技術が伝承されることはなかった。この機構の採用は、当時の奴隷の労働力を際限なく搾取すると考えられたためであった。このように、技術は思わぬ理由で、系統化が完全に途切れてしまうことが、歴史上多く発生している。
第12章 ジェットエンジンの原理と初期の歴史
ジェットエンジンは、高速で噴き出すジェットの反力により有益な運動を起こすもので、その起源は紀元前のアレクサンドリアのヘロンが発明したアイオロスの球と考えられる。
12.1 ヘロンの装置と原理
アイオロスの球(アエオリピル)(図12.1)は、一般的にはヘロンの蒸気機関と呼ばれているが、ウィトルウィウス(紀元前80年ごろ - 紀元15年)は アイオロスの球について「アイオロスの球は中空の真鍮製容器で、1つの小さな開口部があり、そこから中に水を満たす。容器の水を火の上で熱すると、ささやかな風が放出される。水が沸騰してくると、激しい風が吹き出してくる」と記している。
原理的には、羽根のない簡単な半径流蒸気タービンなのだが、ジェットの力を直接に使っていることで、ジェットエンジンとも云えるのではないだろうか。
Lord Kings Nortonは、「WHITTLE the True Story」(1)のまえがきで、「his aeolipile, which was a simple form of turbine driven by jet propulsion」と述べている。
ヘロンは、その球形容器の回転軸にロープと滑車を取り付け、ロープを巻き上げることによって寺院の扉を自動的に開いてみせたとの説がある。この力の原理は単純で、作用と反作用だけの問題となる。つまり、ある物体から作用力を発生させて、その反作用で動かす力を得ることになる。
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図12.1 アイオロスの球
ジェットエンジンも、これと全く同じ原理で航空機に加速度を与えている。
ヘロンは、これ以外にも機械を発明したのだが、それらの技術が伝承されることはなかった。この機構の採用は、当時の奴隷の労働力を際限なく搾取すると考えられたためであった。このように、技術は思わぬ理由で、系統化が完全に途切れてしまうことが、歴史上多く発生している。
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