ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

ダリ展

2016-07-17 09:24:21 | 美術鑑賞
「奇想全開。ダリ展」 2016.7.1-9.4 京都市美術館

 ダリと言えば、写真の右端にあるようなピンととんがったひげ。作品では、燃えるキリンやぐにゃりと曲がった時計。というイメージしか私にはなかったが、それをいい意味でぶち壊してくれた作品展。見終わった後では、「ダリ、すげぇ」「ダリって天才!」と思うはず。見て損はなし。

<初期作品>
若い頃から才能を感じる。色使いがいい。空の描写がうまい。
●ラファエロ風の首をした自画像 なんか気持ち悪い絵。

<モダニズムへの挑戦>
キュビズムやピカソやマチスの影響を受け、挑戦し取り入れているのがすごいと思う。
●アス・リャネーの浴女たち スーラのような点描に挑戦している
●ルイス・ブニュエルの肖像 力強く、印象的な作品
●ピュリズム風の静物 色合いが好きな作品。

<シュルレアリスム時代>
●子ども、女への壮大な記念碑 モナリザ、ナポレオン、ミレーの晩鐘、ありんことかがある
●速度の感覚 無音の世界を感じる。好きな作品。
●謎めいた要素のある風景

なぜか懐かしいような気持ちになる、私が二番めに好きな作品。左にある壁がキラキラ光っているのはどうして?
●形態学的なこだま 本展覧会で一番好きな作品。オブジェが浮かんで見える不思議な作品。
●引き出しのあるミロのヴィーナス 眉間、乳首、へそなどにポンポンが取っ手になった引き出しがある
●「消えるイメージ」のための習作 アーチの向こうに見えるアーチ、アーチの下に佇む人たちが顔となって見える不思議な作品。その人も左から少年、ひげをはやした成人、ドクロに見える。イメージが重なりあう作品。

<ミューズとしてのガラ>
●ガラの3つの輝かしい謎 ガラはダリの女神であり、生涯の伴侶だった。平原に何があるのかと思えば、ガラの鼻から口にかけての横顔が横向きに描かれている。

<アメリカへの亡命>
●船 ドーソンの絵を換骨奪胎。荒海に乗り出す船がダリにかかると船に縛り付けられた操り人形に見える。どうしたらこんなことがダリの頭に浮かぶのか。
●アン・ウッドワードの肖像 アンの肖像なのだが、背景の岩はアンの輪郭をしており、アンのサッシュベルトは水平線を巻き付けたようで、だまし絵のようだ。

<ダリ的世界の拡張>
ダリは、舞台美術、本の挿絵、アクセサリーのデザインもしているとは知らなかった。
●「ドン・ファン・テノーリオ」の舞台美術のためのスケッチ スケッチの上に「ドン・ファン・テノーリオ」の記録が映し出されており、スケッチが映像のどの部分に使われているのがわかるしくみ。映像には「千と千尋の神隠し」のカオナシのようなものや魚の口から人間の下半身がでているものがあり、斬新すぎる。
●ガラの晩餐 魚が横たわる女性の裸体であったり、食べ物が男の人の顔に見えたり。ロブスターとソーセージかと思ったら、生首が転がり、女性の腕が切り落とさた切り口から血が噴き出すという・・・。通り過ぎがちだが、よくよく見たら、いろいろなことが見えてくる。

<原子力時代の芸術>
●ビキニと3つのスフィンクス 原爆のキノコ雲が樹木にも人の後ろ頭にも重なって見える。
●素早く動いている静物

すごいのは、この絵の左端にあるガラス瓶と水の描写。本物にしか見えない。(写真では切れていて見えない)写実的なのにオブジェの並びがとても不思議。

絵を見ているとイメージが何層にも広がる。いったい、ダリの頭の中はどうなっているのか?どうして、こんなことを思いつくのか。ダリの頭の中身を見てみたい。よかった!


閉館してしまい、横から撮影したカメラOKの場所。正面から見ると人の顔に見えるのかな?


ダリ展の近くで開催されているポール・スミス展はすごく並んでいた。ダリ展も少し並んだ。どちらもチケットを事前に手に入れる方がいいと思う。祇園祭ということもあり、人がいっぱいの京都だった。

おまけ

美術館横の川辺にいたアオサギ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする