ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

「藤田嗣治展」

2016-09-21 20:27:05 | 美術鑑賞
スーパーのビール売り場を見て、亮ちゃんがCMをしているアルコール飲料を買おうと思いつく。名前が思い出せずに、ビールを品出しをしている店員さんに聞く。
「錦戸くんがCMしているアルコール飲料はどれでしたっけ?」
「錦戸君って関ジャニ∞の錦戸君?」
(おっ、知ってるじゃん♪)「そうです!」
「ごめんなさい。わかりかねます」とニッコリ。
えーっ!?
 家に帰って調べると「キリンのどごしオールライト」だった。でも、あのスーパーでは、リニューアル前のパッケージだったぞ。リニューアルした商品を並べてくれ!

「生誕130年記念 藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」 兵庫県立美術館 2016.7/16~9/22

自画像



●自画像 東京美術学校の卒業制作。さすが、うまいと思う。しかし、卒業時の成績は30人中16番目位だったらしい。
●ル・アーブルの港 暗いけれども、なぜか心魅かれる絵。好きな作品。
●アントワープ港の眺め 淡い色合いで、童話の挿絵のようだ。離れて見ると美しさが際立つ。
●エレーヌ・フランクの肖像 洋服の緑がアクセントとなり、肌の白さを引き立てている。
●エトワール、バレリーナ姿の自画像 恋人を喜ばせるために作ったコラージュ。恋人の髪や自分の写真、薄紙、銀紙などを使っている。ユーモラス。
●裸婦 きれい。乳白色の肌にふくらみや筋肉の陰影がある。
●座る女 気品あふれる女性。背景はキジの描かれた金屏風。
●私の画室 すごく立体的に見える。好きな作品。
●パリのマドレーヌ マドレーヌへの愛が感じられる作品。
●アッツ島玉砕 累々と横たわる死体。必死の形相の兵士たち。叫びやうめき声が聞こえてきそうだ。
●二人の祈り 藤田嗣治と君代夫人、聖母子、天使、キリストが書かれた絵。雲?の下にはカエルのような、魚のような、ヘビのような魔物がいる。
●聖母子 清らかな作品。回りのモチーフもいい。
●カスタニャリー通り、パリ ●静物(夏の果物) ●ノートルダム=パリ、フルール河岸 好きな作品。フランス国籍を取って吹っ切れたのか絵に集中して仕上げているような気がする。

 『ウェディングドレス』(玉岡かおる 幻冬舎)に藤田嗣治の「アッツ島玉砕」が出てくる。主人公の少女たちは、藤田嗣治の作品に圧倒される。そして、美しい絵を描く藤田が茶一色の絵を描いたことに衝撃を受ける場面がある。
 だから、ぜひ「アッツ島玉砕」を見てみたかったのだ。そして、主人公の少女たちと同じように私も衝撃を受けた。あまりの迫力に立ち尽くす。後からじわじわと悲しみがわいてくる。実際、戦時中は絵に手を合わせて拝む人がたくさんいたと言う。
 この戦争画により藤田は戦争責任を糾弾され、日本を去り、フランス国籍を取ることになる。しかし、戦争礼賛というより、戦争の悲惨さや悲しみを描いているように私には見える。画家のサインも「嗣治」ではなく、ローマ字で描いているのは、かすかな反抗だと思うのは私の勝手な想像だろうか。
 戦時中は、日本人全体が戦争一色だったのに、戦争が終わると手のひらを返したように戦争に協力したと糾弾され、藤田は悔しかっただろうと思う。日本を離れた後は、心が定まったのか真っすぐに絵と向き合っているような気がする。子どもや少女の絵、キリスト教に癒しを求めたのだろう。
 明日で神戸の「藤田嗣治展」は閉幕するが、駆け込みで行ってよかった。

兵庫県立美術館へ向かうミュージアムロードの街路樹に変な実がなっていた。



これも何かの作品?と思ったら、これはコブシの実らしい。安藤忠雄さんが寄贈したコブシの木に実がついていたのだ。コブシの実がこんな形をしていたとは知らなかった。



 
 

コメント
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