『かくれ里』 白洲正子 金羊社
世を避けて隠れ忍ぶ村里――かくれ里。吉野・葛城・伊賀・越前・滋賀・美濃などの山河風物を訪ね、美と神秘のチョウ溢(チョウイツ)した深い木立に分け入り、自然が語りかける言葉を聞き、日本の古い歴史、伝承、習俗を伝える。閑寂な山里、村人たちに守られ続ける美術品との邂逅。能・絵画・陶器等に造詣深い筆者が名文で迫る紀行エッセイ。
白洲正子の文学や歴史の素養の深さ、そこからの洞察力に驚く。また、独自の審美眼がいい。
(仏像や古美術は)普段の尊敬と愛情によって磨かれ育ち輝きを増す←私は、それを作った技術にばかり目が行っているような気がする。尊敬を持って接しているだろうか。御朱印集めに走っていないだろうか。
(民芸は)名もない民衆が作ったから美しいのではなく無心に作ったから、たまたま美しいものが生まれたにすぎない。民芸は生活の中にとけこんでこそ美しい。飾り物やお土産物になったらおしまい←美しいものを大切に使う暮らしがしたいと思う
煤や手垢で汚れた道具を煤や汚れを洗いおとすのではなく、そのまま丹念に磨き上げたのが利休のわびさび←わかりやすい。普通のモノの中に美を発見した利休はスゴイな。
歌はそのままの姿で味わうのが一番いいのである。あるがままに受けとって、それでもなお余韻が残ればそれこそ名歌というべきであろう←奇をてらう句を作ろうとする自分への戒めだ
過渡期というと、中途半端の代名詞みたいだが、過渡期ほど多くの可能性を包含し、期待にあふれた時期はない←普通の目線と違う!しびれた
「山国の火祭り」の文のなんて美しいこと。村の人々とのふれあいのなんて温かいこと。
この本を薦めてくれたY子ちゃん、ありがとう。よかったです。
子どもが滋賀出身の子と結婚が決まってから、滋賀県がやたら目に付く。滋賀県産の農産物があれば、買ってしまう。明恵上人展に行った時も滋賀のお寺の所蔵物がいっぱい展示されていたのにも気付く。そう言えば、彼のお母さんが「滋賀は京都よりお寺が多いんですよ。プチ自慢」と言ってらしたが。今の私は、滋賀県に興味津々。『かくれ里』にあった滋賀のお寺社に行ってみたいな。
世を避けて隠れ忍ぶ村里――かくれ里。吉野・葛城・伊賀・越前・滋賀・美濃などの山河風物を訪ね、美と神秘のチョウ溢(チョウイツ)した深い木立に分け入り、自然が語りかける言葉を聞き、日本の古い歴史、伝承、習俗を伝える。閑寂な山里、村人たちに守られ続ける美術品との邂逅。能・絵画・陶器等に造詣深い筆者が名文で迫る紀行エッセイ。
白洲正子の文学や歴史の素養の深さ、そこからの洞察力に驚く。また、独自の審美眼がいい。
(仏像や古美術は)普段の尊敬と愛情によって磨かれ育ち輝きを増す←私は、それを作った技術にばかり目が行っているような気がする。尊敬を持って接しているだろうか。御朱印集めに走っていないだろうか。
(民芸は)名もない民衆が作ったから美しいのではなく無心に作ったから、たまたま美しいものが生まれたにすぎない。民芸は生活の中にとけこんでこそ美しい。飾り物やお土産物になったらおしまい←美しいものを大切に使う暮らしがしたいと思う
煤や手垢で汚れた道具を煤や汚れを洗いおとすのではなく、そのまま丹念に磨き上げたのが利休のわびさび←わかりやすい。普通のモノの中に美を発見した利休はスゴイな。
歌はそのままの姿で味わうのが一番いいのである。あるがままに受けとって、それでもなお余韻が残ればそれこそ名歌というべきであろう←奇をてらう句を作ろうとする自分への戒めだ
過渡期というと、中途半端の代名詞みたいだが、過渡期ほど多くの可能性を包含し、期待にあふれた時期はない←普通の目線と違う!しびれた
「山国の火祭り」の文のなんて美しいこと。村の人々とのふれあいのなんて温かいこと。
この本を薦めてくれたY子ちゃん、ありがとう。よかったです。
子どもが滋賀出身の子と結婚が決まってから、滋賀県がやたら目に付く。滋賀県産の農産物があれば、買ってしまう。明恵上人展に行った時も滋賀のお寺の所蔵物がいっぱい展示されていたのにも気付く。そう言えば、彼のお母さんが「滋賀は京都よりお寺が多いんですよ。プチ自慢」と言ってらしたが。今の私は、滋賀県に興味津々。『かくれ里』にあった滋賀のお寺社に行ってみたいな。