『嘘の木』

　旅行前なのに歯がしくしくと痛む。歯医者に行くとかぶせをしている歯の根元が膿んでいるという。1.抗生物質で炎症を抑えて、今のまま旅行に行き、帰ってから治療する。2.かぶせをはずし、治療の途中で旅行に行く　の2択を先生に示される。1は、ご飯をしっかり食べられるが、2は仮に埋めているので片側で噛むことになる。1は、再び痛んだら、かぶせをはずして治療するしかないって、旅行中に痛んだらどうしたらいいの？ということで怖がりの私は、食べにくくてもいいので治療をすることを選択。膿がたまっていると聞いたら、排出したくなるよね。

　旅行用に無印良品のフード付きネッククッションを買う。買ってきて、いそいそと子どもに見せる。「フードがあるから、寝顔を見られることないしな、アイマスクも兼ねるねん」とフードを取り出して実演して見せる。と、フードがない！なんで、なんで？どうもフード付きではなくてただのネッククッションを買ったらしい。
　翌日、差額を払って交換してもらう。同じようなネッククッションがたくさんぶら下がっており、どこの場所がフード付きとか表示はない。いちいちラベルを見て確認しなければならない。
　よくラベルを見ずに買った私も悪いが、わかりやすい表示をお願します。

『嘘の木』　フランシス・ファーディング　児玉敦子訳　東京創元社
　高名な博物学者で牧師のサンダース師による世紀の大発見。だがそれが捏造だという噂が流れ、一家は世間の目を逃れるようにヴェイン島へ移住する。だが噂は島にも追いかけてきた。そんななかサンダース師が謎の死を遂げる。自殺ならば大罪だ。密かに博物学者を志す娘のフェイスは、父の死因に疑問を抱く。奇妙な父の手記。嘘を養分に育ち、真実を見せる実をつける不思議な木。フェイスは真相を暴くことができるのか?
　児童文学。嘘を養分に育ち、実を食べると真実を見せるという嘘の木。この木の存在に魅せられて、父の死の真相を知るために嘘を流すフェイスがちょっと怖かった。嘘の木に夢中になって、人生を狂わせる人々も。
　途中から先が知りたくて一気に読んだ。
　女性であるがために さまざまな制限がある時代に 果敢に立ち向かおうとするフェイスの姿がいい。