ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『線は、僕を描く』

2020-05-18 21:59:14 | 
 関ジャニ∞TV。安くん、髪を切った姿も素敵だった。美輪さんが褒めてくれたのも納得だが・・・。キッチンバサミで自分でカットしたって!?キッチンバサミって、なんて斬新。でも、キッチンバサミでカットしたとは思えない出来ばえだった。
 そして、皆、リモートの画面に映るように ちびぬいやブランケットを部屋に飾っているのが嬉しい。ブランケットがかわいいので、販売が楽しみ。団扇とアクスタとちびぬいとブランケットと~。爆買いの予感。恐ろしい。

『線は、僕を描く』 砥上裕將 講談社
 両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう霜介。それに反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけて霜介と勝負すると宣言する。水墨画とは、筆先から生みだされる「線」の芸術。描くのは「命」。はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで次第に恢復していく。
 「円山応挙から京都近代画壇へ」の展覧会で円山応挙の「松に孔雀図」を見たことを思い出した。金地に墨一色で描かれた襖絵。墨の濃淡で描いたにも関わらず、松葉の緑や孔雀の羽の青がうかんで見えて驚いた記憶がある。また、最近、書道のかなを少し練習したのだが、墨汁ではなく墨をすっているうちに、心に広がる静けさや墨のなんとも言えないよい香りを思い出した。だから、水墨画の描写にもすっと入っていけた。もちろん、水墨画の描写が上手いが。
 とくに、霜介が菊の花を一気呵成に描きあげる場面は、ため息が出るほど美しかった。
 「いつも何気なく見ているものが実はとても美しいもので、僕らの意識がただ単にそれを捉えられないだけじゃないか」
「形ではなく命を見る」
 この言葉には、お茶や俳句をしている私の心に響いた。
 また、湖山先生の言葉「君が生きる意味を見いだして、この世界にある本当にすばらしいものに気づいてくれれば、それだけでいい」が心に響く。霜介だけではなく、暗いトンネルの中にいるように感じている子どもたちにも届いてくれたらいいなと思う。
 霜介の魂の再生、霜介と千瑛の恋に発展しそうな甘酸っぱいような関係など、爽やかであたたかな話だった。
 
 
コメント
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