ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『100万回死んだねこ』『ヒロシマを暴いた男』

2021-12-24 16:45:34 | 
『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』 福井県立図書館 講談社
 図書館利用者さんの「覚え違いタイトル」の実例を集め、HPで公開しているのが、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」。本書は、そのなかから秀逸な「覚え違いタイトル」を厳選し、「覚え違い」を文字通りに表したイラストを添付。そしてページをめくれば「正しい書誌情報」と「司書さんによるレファレンス」が現れて……という仕掛けになってい。読者はきっと、利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力に驚嘆することになるだろう。
 すぐ読める。おかしかったなあ。私が笑ったのは、「ひやけの人」「これこちちこうよれ」答えは、この記事の一番下に。覚え間違いのタイトルから探偵のように類推し、正解にたどりつく司書さんはスゴイ。

『ヒロシマを暴いた男  米国人ジャーナリスト、国家権力への挑戦』 レスリー・M・M・ブルーム 高山祥子 集英社
 1946年8月、とある雑誌の特集記事にアメリカ中が騒然となった。第二次世界大戦でアメリカに勝利をもたらした広島と長崎の原子爆弾が、1年後も市民に後遺症と死の苦しみを与えていることを、人々は全く知らなかったのだ。のちに世界的名著となったルポ『ヒロシマ』は、いかにしてアメリカ軍やGHQの隠蔽と検閲をすり抜け、世に知られるに至ったか。小説でピューリツァー賞を受賞しながらも才気ある記者として活躍したジャーナリスト、ジョン・ハーシーと雑誌『ニューヨーカー』の軌跡を辿る。
 広島・長崎の惨状が知られたのが一年後と知って驚く。そんなに隠していたなんて。ハーシーが暴露していなかったら、どうなっていただろうか?検閲した人も良心があり、世間に発表するべきだと思ったのかな。事実を矮小化して隠匿しようとした一方、発表を促すようなアメリカ人もいる。アメリカの懐の深さも感じた。
 戦場を巡ったジャーナリストであるハーシーは言う。「敵や捕虜を同じ人類の仲間として見るのをやめたとたんに彼らが蛮行に走るのを目撃してきた」 
 ハーシーの『ヒロシマ』を読もう。










覚え違いの答え
『ひやけの人』→『火宅の人』
『これこちちこうよれ』→『日日是好日』



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