通し狂言 妹背山婦女庭訓 第二部 平成28年4月2日~24日 国立文楽劇場
<鹿殺しの段>
猟師の芝六は、息子の三作と猟が禁じられている爪黒の鹿を仕留める。二人は、人目を避けて我が家へと向かう。
<掛乞の段>
芝六の家には、天智帝が匿われている。米屋の新右衛門が、金の督促にくる。金の代わりにと芝六の女房・お雉に抱き付く新右衛門。しかし、新右衛門は、芝六に投げ飛ばされ、さらに間男代を請求され、逃げ帰る。
芝六が官女たちに目立つので着替えるようにと庶民の服を差し出す。しかし、官女たちは豪華な髪飾りをしたまま地味な庶民の服を着るので、全然似合わない。また、大納言兼秋は、金の勘定書きを和歌と間違えるなど、雅な御所と貧しい庶民の暮らしの対比がおかしい。
<万歳の段>
目の見えない帝は、芝六の家ではなく、御所にいると思い込んでいる。帝が雅楽の演奏を望むため、藤原鎌足の息子・淡海は困ってしまう。そこで、芝六親子が機転をきかせて万歳を披露して急場をしのぐ。実は、芝六は藤原鎌足の家臣であり、今は勘当を受ける身。芝六は、禁猟の爪黒の牝鹿の血を入れた壺を淡海に渡す。淡海は、明日、勘当が許されることを芝六に伝える。
<芝六忠義の段>
帝の隠匿を役人に疑われ、申し開きのため、芝六は出かける。その後、興福寺の衆徒がやってきて鹿殺しの犯人として三作を引き立てて行く。三作は、継父である芝六を助けるため、「犯人は三作である」という手紙を弟の杉松に持たせて興福寺に届けたのであった。明け方には、三作は芝六の身代わりとして石子詰の刑(地面に掘った穴に入れ、石で生き埋めにする)に処される。その後、帰宅した芝六は、何を思ったか、明け方に実子の杉松を殺す。自分の心を試す鎌足に、迷いを見せた芝六は、実子を殺し覚悟を示したのであった。そこへ、鎌足が自分の娘で帝の寵姫である采女、三作とともに現れる。石子詰の刑のために、掘った穴から蝦夷子が盗んだ神鏡と勾玉が見つかったため、三作は助けられたのであった。神鏡が地中から取り出されたことで、帝の目も見えるようになる。
三作は助かったものの杉松を失ったお雉が哀切。
<杉坂屋の段>
杉酒屋の娘お三輪は、隣に住む烏帽子職人・求馬(もとめ)を恋い慕っている。しかし、求馬の元を訪れた美しい女性が求馬を連れ帰ろうとしたため、争いとなる。
うつむき加減にほおずきをくるくると回していたお三輪がだんだんと大胆になっていく。お三輪を遣う桐竹勘十郎さんがお見事!
<道行恋苧環>
お三輪と女は、求馬を巡って争う。夜明けの鐘に驚いた女は慌ててその場を去る。求馬は女の着物のたもとに、お三輪は求馬の着物の裾に糸をつけて後を追う。
くるくると回る苧環がお三輪の心の乱れを表しているよう。美男美女が争いながら舞う美しい場面。
<鱶七上使の段>
帝位を奪い取った入鹿の三笠山の御殿に鎌足の使者と称して漁師の鱶七がやってくる。鱶七は鎌足の降参を伝えるが、入鹿は不審に思い、鱶七を御殿に留め置く。
<姫戻りの段>
御殿にお三輪と求馬を争っていた女がやってくる。実は、女は入鹿の妹の橘姫だった。後を追ってきた求馬は橘姫の素性を知り、姫も求馬が鎌足の息子の淡海だと知っていた。淡海は夫婦になりたければ、入鹿が盗んだ剣を手に入れるように迫り、姫は承諾する。
<金殿の段>
ようやく御殿にやってきたお三輪は、求馬が婚礼をあげることを聞く。お三輪を不審に思う女官たちは、姫の敵とばかりにお三輪をもてあそぶ。辱めや求馬の心変わりに怒りと嫉妬の念を燃やすお三輪に鱶七の刀が刺し貫く。鱶七は鎌足の家臣であり、入鹿から剣を奪うためには、爪黒の鹿の血と、嫉妬と疑念に固執する「疑着の相」がある女の生血を注いだ笛の音が必要だと明かした。お三輪は、求馬のために死ぬのならうれしいと言って息絶えるのであった。
鱶七が正体を明かす場面では、鱶七の袖を左右に引っ張った敵方が正体がわかって驚いて逆立ちするのだ。人形を逆さまにするなんて。
しかし、お三輪ちゃん!あんた、なんて男を好きになるの!求馬のどこがいいの!今話題の乙武さんか、ゲスの極み乙女。の川谷さんとベッキーか!?でも、好きになっちゃったんだね・・・。どうしようもなく好きだったんだね・・・。と、お三輪ちゃんに目がうるうる。勘十郎さんの人形遣いに全部持っていかれて、お雉さんも半分忘れかけていた。
通し狂言なので、筋がよく理解できた。雪、桜、七夕と季節の移ろいが美しい。また、興福寺、三笠山、三輪、春日大社、猿沢の池、吉野川(紀の川のことだったのね。知らなかった)と奈良の名所がいっぱい出てくる。
私は、第二部のほうがよかったかな。しかし、休憩があるとはいえ、4時から9時まではお尻や足がきつかった。
仕事帰りに行ったので、お弁当を買う暇がなく、しょうがなく劇場で買う。しかし、売り切れ。困ったと思っていたら、予約ができるとのこと。幕間に売店へ取りにいき食べる。「ん!?」以前、食べたときはまずいと思ったが、今回は美味しくて驚いた。以前、買った弁当屋と違うのだろうか?
ロビーにあった三輪明神大神神社の杉玉 杉酒屋の段にちなんで
<鹿殺しの段>
猟師の芝六は、息子の三作と猟が禁じられている爪黒の鹿を仕留める。二人は、人目を避けて我が家へと向かう。
<掛乞の段>
芝六の家には、天智帝が匿われている。米屋の新右衛門が、金の督促にくる。金の代わりにと芝六の女房・お雉に抱き付く新右衛門。しかし、新右衛門は、芝六に投げ飛ばされ、さらに間男代を請求され、逃げ帰る。
芝六が官女たちに目立つので着替えるようにと庶民の服を差し出す。しかし、官女たちは豪華な髪飾りをしたまま地味な庶民の服を着るので、全然似合わない。また、大納言兼秋は、金の勘定書きを和歌と間違えるなど、雅な御所と貧しい庶民の暮らしの対比がおかしい。
<万歳の段>
目の見えない帝は、芝六の家ではなく、御所にいると思い込んでいる。帝が雅楽の演奏を望むため、藤原鎌足の息子・淡海は困ってしまう。そこで、芝六親子が機転をきかせて万歳を披露して急場をしのぐ。実は、芝六は藤原鎌足の家臣であり、今は勘当を受ける身。芝六は、禁猟の爪黒の牝鹿の血を入れた壺を淡海に渡す。淡海は、明日、勘当が許されることを芝六に伝える。
<芝六忠義の段>
帝の隠匿を役人に疑われ、申し開きのため、芝六は出かける。その後、興福寺の衆徒がやってきて鹿殺しの犯人として三作を引き立てて行く。三作は、継父である芝六を助けるため、「犯人は三作である」という手紙を弟の杉松に持たせて興福寺に届けたのであった。明け方には、三作は芝六の身代わりとして石子詰の刑(地面に掘った穴に入れ、石で生き埋めにする)に処される。その後、帰宅した芝六は、何を思ったか、明け方に実子の杉松を殺す。自分の心を試す鎌足に、迷いを見せた芝六は、実子を殺し覚悟を示したのであった。そこへ、鎌足が自分の娘で帝の寵姫である采女、三作とともに現れる。石子詰の刑のために、掘った穴から蝦夷子が盗んだ神鏡と勾玉が見つかったため、三作は助けられたのであった。神鏡が地中から取り出されたことで、帝の目も見えるようになる。
三作は助かったものの杉松を失ったお雉が哀切。
<杉坂屋の段>
杉酒屋の娘お三輪は、隣に住む烏帽子職人・求馬(もとめ)を恋い慕っている。しかし、求馬の元を訪れた美しい女性が求馬を連れ帰ろうとしたため、争いとなる。
うつむき加減にほおずきをくるくると回していたお三輪がだんだんと大胆になっていく。お三輪を遣う桐竹勘十郎さんがお見事!
<道行恋苧環>
お三輪と女は、求馬を巡って争う。夜明けの鐘に驚いた女は慌ててその場を去る。求馬は女の着物のたもとに、お三輪は求馬の着物の裾に糸をつけて後を追う。
くるくると回る苧環がお三輪の心の乱れを表しているよう。美男美女が争いながら舞う美しい場面。
<鱶七上使の段>
帝位を奪い取った入鹿の三笠山の御殿に鎌足の使者と称して漁師の鱶七がやってくる。鱶七は鎌足の降参を伝えるが、入鹿は不審に思い、鱶七を御殿に留め置く。
<姫戻りの段>
御殿にお三輪と求馬を争っていた女がやってくる。実は、女は入鹿の妹の橘姫だった。後を追ってきた求馬は橘姫の素性を知り、姫も求馬が鎌足の息子の淡海だと知っていた。淡海は夫婦になりたければ、入鹿が盗んだ剣を手に入れるように迫り、姫は承諾する。
<金殿の段>
ようやく御殿にやってきたお三輪は、求馬が婚礼をあげることを聞く。お三輪を不審に思う女官たちは、姫の敵とばかりにお三輪をもてあそぶ。辱めや求馬の心変わりに怒りと嫉妬の念を燃やすお三輪に鱶七の刀が刺し貫く。鱶七は鎌足の家臣であり、入鹿から剣を奪うためには、爪黒の鹿の血と、嫉妬と疑念に固執する「疑着の相」がある女の生血を注いだ笛の音が必要だと明かした。お三輪は、求馬のために死ぬのならうれしいと言って息絶えるのであった。
鱶七が正体を明かす場面では、鱶七の袖を左右に引っ張った敵方が正体がわかって驚いて逆立ちするのだ。人形を逆さまにするなんて。
しかし、お三輪ちゃん!あんた、なんて男を好きになるの!求馬のどこがいいの!今話題の乙武さんか、ゲスの極み乙女。の川谷さんとベッキーか!?でも、好きになっちゃったんだね・・・。どうしようもなく好きだったんだね・・・。と、お三輪ちゃんに目がうるうる。勘十郎さんの人形遣いに全部持っていかれて、お雉さんも半分忘れかけていた。
通し狂言なので、筋がよく理解できた。雪、桜、七夕と季節の移ろいが美しい。また、興福寺、三笠山、三輪、春日大社、猿沢の池、吉野川(紀の川のことだったのね。知らなかった)と奈良の名所がいっぱい出てくる。
私は、第二部のほうがよかったかな。しかし、休憩があるとはいえ、4時から9時まではお尻や足がきつかった。
仕事帰りに行ったので、お弁当を買う暇がなく、しょうがなく劇場で買う。しかし、売り切れ。困ったと思っていたら、予約ができるとのこと。幕間に売店へ取りにいき食べる。「ん!?」以前、食べたときはまずいと思ったが、今回は美味しくて驚いた。以前、買った弁当屋と違うのだろうか?
ロビーにあった三輪明神大神神社の杉玉 杉酒屋の段にちなんで
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます