








庶務係の久美ちゃん(青木英美)は、殉職したジーパン(松田優作)に代わる新人刑事テキサス(勝野 洋)の着任を見届けてから、1年間の役目を終えて降板。代わって第118話『信じあう仲間』から登場するのが、二代目マスコットガールとなる「チャコ」こと永山久子。演じるのは当時まだ14歳の浅野ゆう子さんです。
本名は「裕子」で、石原裕次郎ファンだったお母さんが「裕」の字を頂いたんだとか。縁を感じますよね。
なのに、以前の記事にも書いたとおり、女性視聴者たちから猛バッシングを受けたチャコは、僅か1クール(第130話まで)であえなく降板となります。
アイドル歌手としてデビューされた浅野さんは、日本人離れした長身とナイスプロポーションをあまりに強調して売り出されたため、元より女性ウケは良くなかったみたいです。
だけど、同じくモデル体型で、同じように勝ち気なキャラクターを演じた前任者の青木さんは受け入れられて、浅野さんはなぜダメだったのか?
そのへんの女性心理はよく解らないけど、浅野さんはあまりに垢抜けてて、あまりに若すぎたことが嫉妬を買ったのかも知れません。既に女優としての経験を積んでおられた青木さんに比べて、まだデビューしたての浅野さんは演技も拙かったですからね。
それに『太陽にほえろ!』自体がこの1年で視聴率30%を常時超える「おばけ番組」に成長しており、久美が登場した頃よりも注目度が格段に上がってたせいもあるでしょう。
今あらためて観直すと、同じ「でしゃばり」キャラでも場の空気に溶け込んでた久美に比べて、チャコがでしゃばると確かに目立つんですよね。そして藤堂チームの刑事たちも、久美の時より鼻の下を伸ばしてるように見えるw 相手があまりに若いゆえ自然と対応が甘くなったんでしょう。
そんなこんなでチャコがフェードアウトし、後任のアッコ(木村理恵)が登場するまでの1年弱、藤堂チームは男ばかりのむさ苦しい職場で働くことになります。
『太陽にほえろ!』の長い歴史の中でも、これほど「華」が無かった時期は他にありませんw だから、名作が多いと云われる時期にも関わらず、私はあまり観返す気にならないんですよね。
浅野ゆう子さんはその後も女性たちにバッシングの的にされつつも女優業を邁進され、刑事ドラマは『事件ファイル110/甘ったれるな』『夜明けの刑事』『刑事くん』『七人の刑事』『西部警察PART III』等にゲスト出演。
そして'88年『君の瞳をタイホする!』の刑事役でいよいよブレイク、浅野温子さんと共にトレンディードラマの顔とまで云われるようになり、'99年の『ママチャリ刑事』、'05年の『女刑事みずき/京都洛西署物語』では主役を張り、2時間ドラマでも数多く刑事を演じ、ついには署長役にまで出世されました。