かなり久しぶりに隔月刊『昭和40年男』を買いました。まさに私はストライクど真ん中の昭和40年生まれですから、創刊号からずっと注目してるし度々買ってもいます。
皆さんご存知でしょうが、最近になって姉妹誌と言える『昭和45年女』『昭和50年男』も創刊されました。けれど恐らく『昭和60年女』や『平成5年男』等は出ないような気がします。
つまり、’70年代〜’80年代のカルチャーがいかにパワフルだったかってこと。昨今のカルチャーもそれぞれパワフルかも知れないけど、すっかり細分化されてるから「みんなで懐かしむ」ようなネタにはならんでしょう。
今回買った『昭和40年男』2023年10月号のテーマは「相棒物語/愛すべきバディたち」。表紙と巻頭特集を飾るのはもちろん、刑事がただ突っ立って謎解きをするアレではなく、国広富之&松崎しげるが暴れまくる『噂の刑事トミーとマツ』!
そして日本におけるバディ物のパイオニア『傷だらけの天使』に『俺たちの勲章』!
ほか、仮面ライダーの相棒だった滝和也(千葉治郎)とかルパンの次元大介あたりにスポットを当ててるのが面白いし、テーマとは関係ないけど私のフェイバリット邦画『さびしんぼう』が特集されてるのが決定打となり、買うに至りました。
で、この記事のタイトル「明日できることは今日するな」は、インタビューコーナーで三宅裕司さんがおっしゃった座右の銘。もう、大賛成ですw
元はベンジャミン・フランクリン氏の格言「今日できることは明日に延ばすな」をパロった言葉だったのに、還暦を迎えた年に大病で半年間の休養を余儀なくされ、それが実感に変わって来たんだそうです。つまり「やらなきゃいけないこと」に追われるんじゃなく「やりたいこと」にじっくり取り組もうと。
「これから還暦を迎える昭和40年男の皆さんも今一度、自分が好きなこと、やりたいことを本当にやれているかと見つめ直して、健康で充実した人生を送っていただきたいですね」
やっぱり同じ時代を歩み、同じテレビ番組を観たり同じ音楽を聴いて育った人たちの言葉には、半端じゃない共感を覚えます。
話を「相棒物語」に戻すと、戦後のテレビ文化を研究されてる社会学者の太田省一さんは『傷だらけの天使』から『相棒』へと連なる日本のバディ物の歴史を振り返った上で、こうおっしゃってます。
「最近のバディ物にはファンタジー的な要素がある。それは“絆”という幻想です。実際の人間関係なんて、そううまくいくもんじゃない」
その通り!!
「’70年代のバディ物は常に二人の間に緊張感がありました。だからこそ観ていてリアルに感じたんです」
なるほど!!
それはバディ物に限らず、すべての日本製ドラマや映画に対して言えることで、私が稚拙な文章で伝えきれないことを見事に言い表して下さいました。
あと、関口宏さんへのインタビュー記事では、古舘伊知郎さんと青木理さんの「サンデーモーニングにおける関口宏」を絶賛する言葉が紹介されてて、これもメチャクチャ共感しました。
古舘さん→「『ねえ』で同意、『そう?』で反論。『ん?』『うん』。これだけで番組が成り立っている。あんなMC、関口さん以外に誰もできません」
青木さん→「戦場のシーンに情緒的なBGMをかけるのに関口さんが反対した。戦場に音楽はかかっていないだろう?と」
前者は、口数の多さで勝負する古舘さんならではの、決して皮肉じゃない賛辞。(たぶんw)
後者については関口さんご自身は「あんまり覚えてない」らしいけど「言ったかも知れない」と。その上でこうおっしゃってます。
「なんでもかんでも音楽をつけて雰囲気が出ているように誤魔化しちゃう演出法ってあるんだよ。必要な時には効果的だけど、必要じゃないものにやったらホント見苦しいものになるから。そういう意味で注文を出したことは何回もある」
数ある報道バラエティー番組の中でも『サンデーモーニング』が(私にとって)頭抜けて居心地よく感じる理由が解った気がします。