2019年の夏シーズン、NHK土曜深夜の若者向け30分ドラマ「よるドラ」枠でスタートした全8話の新ドラマ。
日々「インスタ映え」するレストランでの食事やイケメン婚約者とのラブラブ画像をSNSにアップし、無理して「リア充」を演じてきたアラサーOLの愛(桜井ユキ)が、その婚約者に捨てられ、ヤケ酒を煽った挙げ句にスマホを紛失。
で、それを拾ってくれたアイドルオタクの「小豆さん」(細田善彦) に会いに行ったその場所は、地下アイドルグループ「サニーサイドアップ」のライブハウスだった!
元気に唄い踊る5人の地下アイドルたちの中で、歌もダンスも明らかに下手くそなのに無理してるハナ(白石 聖)の一見みじめな姿を見た愛は、これまでの自分自身を重ねずにいられず、つい八つ当たりして野次を飛ばしちゃう。
だけど自分みたいにクサったりせず、不器用ながら懸命に前を向いてるハナの姿を見る内、自然と涙が出てきた愛は、ライブに通って全力でハナを応援していくことを誓います。
ゾンビ、そしてボーイズラブと、NHKらしからぬ題材をビビッドに扱ってきた「よるドラ」の第3弾は、大好評だったドラマ10『トクサツガガガ!』と同じく、深いオタク沼にハマった独身OLの奮闘記となりました。
ただし、ストレートなオタク応援歌でファンタジックとも言えた『トクサツガガガ!』とは趣が大きく異なり、ハナが相当タチの悪いストーカーにつきまとわれ、なのに守ってやろうともしない運営陣のいい加減さ等、キラキラした世界の裏側にある暗い現実も描いたシビアな作品になりそうです。
『トクサツガガガ!』の主人公(小芝風花)は周囲への「オタばれ」を恐れてはいたものの、ひたすら自分の好きな道を邁進する、ある意味たくましいスーパーヒロインでした。
それに対して本作の主人公=愛は、黒木華さんが『凪のお暇』で演じてる主人公と同じで、つい周りの空気に合わせて自分を偽ってしまう等身大の弱いヒロイン。こちらの方がより現実的、現代的と言えましょう。
そんな彼女が、自分とよく似た「ぽんこつ」アイドルのハナに元気と勇気をもらい、いかにもヤバそうなストーカー問題に立ち向かっていく。
しかも物語は、警察で刑事(澤部佑w)の取り調べを受ける愛の「自供」に沿って進んでいく、言わばミステリー仕立て。愛はどうやらストーカーを階段から突き落として重傷を負わせたらしく、なぜ彼女が、どういういきさつで犯行に至ってしまったのか?っていう「謎解き」で視聴者を引っ張る仕掛けになってます。
普通に考えれば、ハナに対する想いが両者ともエスカレートしてしまい、愛がそうしなければハナを守りきれなかった、っていういきさつになるんだけど、残りはまだ6話ありますから、多分そんな一筋縄じゃいかない事でしょう。
ハナがソロのアイドルじゃなく、5人グループの一員であることがポイントのような気がします。残りの4人(松田るか、松川星、田中珠里、天木じゅん)がただの脇役で終わるとは思えませんから。けど、あんまりドロドロした話にはなって欲しくないですよね。
単純に、愛が自分の人生を犠牲にしてでもハナを守りたかった、その結果であって欲しいです。そしたら多分、私は泣いちゃうと思います。ストーカー野郎はもう、死ねばいいw
いずれにせよ、そんな悲劇を招きかねない地下アイドルの運営やストーカー対策の現状など、放置されたまんまの現実問題に一石を投じる作品になることは間違いなさそうです。
事件の謎解きはともかくとして、愛とハナがどんな風に変わっていくか気になるので、これは最終回まで見届けることになりそうです。
主演の桜井ユキさんは2011年頃から活躍されてる女優さんで、多部ちゃんの映画『ピース オブ ケイク』('15) 等にも出演されてますが、連ドラの主演は本作が初。これで一気にブレイクされる事でしょう。
ヌード&濡れ場は '17年の主演映画『リミット・オブ・スリーピングビューティー』より。相手役は高橋一生さんです。
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