2017年の2月から3月にかけて、NHK総合の水曜夜10:25枠で全4話が放映された特集ドラマ。同時期にBSプレミアムでやはり全4話が放映された『スリル!黒の章/弁護士・白井真之介の大災難』と連動した内容になってます。
またもや謎解きミステリーって事でスルーしようかと思ってましたが、gonbeさんがブログで薦めておられたので第2話から観ました。なるほど、これは小松菜奈さんの魅力が爆発してますね!
これまで映画『渇き。』と『バクマン。』で彼女の演技を拝見し、前者のミステリアスな小悪魔も、後者の清楚な王道ヒロインも見事に演じておられたけど、自分がハマるタイプの女優じゃないだろうと思ってました。
ところが、この『スリル!』における大胆不敵かつ飄々としたヒロイン像は実に私好みで、それを違和感なくシレっと演じる彼女の才能に、私はコロッと惚れちゃいましたw
これまで観た3作品における小松菜奈は全く別人が如くで、観る度に驚かされるこの状況は、私が多部未華子さんに惚れてしまった時によく似てます。そこまでのハマり方はしないにせよ、今後の活躍に注目したい女優さんがまた1人増えたのは確か。
ドラマそのものも面白かったです。これは単なる謎解きミステリーじゃありません。
菜奈さん扮するヒロイン=中野 瞳は警視庁庶務係で働く一般職員。『太陽にほえろ!』で言えばアッコ(木村理恵)やナーコ(友 直子)と同じ、いわゆる「お茶くみ」が勝手に事件を捜査し、臆せず凶悪犯に立ち向かい、渡り合っちゃうというアクティブさ。
父親が現在行方不明の詐欺師で、そんな父のDNAを受け継いだ彼女は、人の嘘を見抜く才能と人を欺くテクニックを生まれながらに持ち合わせてる。
その上、人一倍の好奇心と正義感があるもんだから、捜査一課のお人好し刑事=外河(小出恵介)から巧みに捜査情報を聞き出し、的確な推理で難事件を解決に導くというストーリー。
警察は犯罪を取り締まるプロなのに、実際に犯罪を犯した経験が無い、言わば犯罪の素人たちが事件を捜査するのは、一度も野球をしたことの無い人間がプロ野球の監督をするようなもんじゃないか?……ていう発想から、こんなユニークなヒロイン像が生まれたんだそうです。
で、瞳が興味本意で事件に首を突っ込み、その真相に迫るも捜査本部のエリート刑事たちが無能揃いなもんだから、やむなく自ら犯人の懐に飛び込んで絶体絶命の「スリル」を味わうも、彼女からのメッセージを受けて駆けつけた外河刑事に救われる、っていうのが毎回のパターン。
とても見覚えのあるこの構図、最終回にテロリスト集団が登場した事で、そのモデルとなった作品がはっきり判りました。そう、瞳がジョン・マクレーン刑事で、外河がパウレル巡査、無能な捜査本部はそのまんまだし、最終回に出て来たマヌケな公安がFBIってワケです。
瞳はテロ集団の人質にされながら全く臆せず、騙しのテクニックで彼らを翻弄し、自力で脱出。それで逃げりゃいいものを、盗み出したスタンガンで凶悪テロリストを1人ずつ片付け、首謀者を激怒させるというw
これは明らかに小松菜奈版『ダイ・ハード』であり、私が絶対に観なくちゃならないドラマでした。危うくスルーしちゃうところで、教えて下さったgonbeさんに感謝!ですm(__)m
天然キャラの小出恵介さん、無能丸出しの木下ほうかさん、堀部圭亮さんも良い味を出されてました。
そして本作は、お金に汚い腹黒弁護士=白井真之介(山本耕史)を主人公とする『黒の章』と連動しており、1つの世界観が2人の主人公それぞれの視点から描かれるという、新たな試みも見所になってます。
残念ながら『黒の章』まで観る時間の余裕がなくスルーしちゃいましたが、山本耕史さんの三枚目キャラもまた魅力的だし、助手役の佐野ひなこさんも可愛いし、『赤の章』の主役コンビも脇で登場しますから、機会があれば是非観てみたいです。
その後も私は小松菜奈さんを追いかけております。『恋は雨上がりのように』の感想はブログに書かせてもらいました。ほかにも『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『さよならくちびる』というのを見ましたが、こちらは今のところ記事にする予定はありません。後者は門脇麦さんと小松菜奈さんの共演は魅力的でありましたが・・。
これまで観た中では『恋は雨上がりのように』が小松菜奈さんの魅力を一番引き出しているように思います。
さて、「黒の章」はおっしゃるとおり山本耕史さんんの三枚目ぶりがお見事なドラマでした。小出クンの例の事件のあおりで「赤の章」も「黒の章」も発売、レンタル中止という発表がNHKエンタープライズからあったようです。DISCASにはなぜか「黒の章」だけリストに載ってたのですが「在庫切れ」との表示でした。
小出クンも罪なことをしたもんです。今どうしておられるんでしょうねえ。
それに対して小出恵介くんは……w ある意味クスリ関係以上にイメージを悪くした不祥事で、復帰は絶望的ですよね。『スリル!』以外にも『キサラギ』や『Nのために』などの名作、多部ちゃんとの共演CMもありましたから、罪深いし残念なことです。