オダギリジョー、松坂桃李、菅田将暉、竹内涼真といった特撮ヒーロー出身の俳優さんたちが、あんなに目覚ましい活躍をされてるにも関わらず、いまだに「特撮オタク」の人たちが肩身の狭い思いをされてるという現実に驚きます。
まぁ、最初から興味がない、あるいは観ても面白いと感じない人たちが愛好者を見下すのは、仕方がないかも知れません。根本的に価値観が違うんだからどうしょうもない。
それより私が我慢ならないのは、子供の頃は好きでよく観てたクセに、大人になり自分は「卒業した」気になって、愛し続けてる人をバカにするヤツ。
一度好きになったものを、お前さんはそんな簡単に捨てちゃうんだ、と。夢中になって楽しめるものを見せてくれたことや、人として正しい在り方を(作品を通して)教えてくれたこともすっかり綺麗に忘れちゃうんだ、と。この薄情で恩知らずな乳首チョメチョメ野郎が!と。
特撮ヒーローに限らず、アニメやアイドル、そして刑事ドラマを(『相棒』より『西部警察』をw)愛する人も同じような思いをされてるでしょうけど、特に特撮ヒーロー物は子供向けのイメージが強いだけに、なかなか世界の中心で愛を叫べない。ましてや女性なら尚更のこと。
そんな超マイノリティな「特ヲタ女子」の日常を描いたドラマが、NHK金曜夜10時「ドラマ10」枠でスタートしました。(2019年冬シーズン、全7回)
原作は「ビッグコミックスピリッツ」に連載中の丹羽庭さんによる同名マンガ。このマンガ自体、本来は変身ヒーロー物を描きたかったのに「マニアにしか受けない」みたいなことを編集者から言われ、そんなことはない!と作者がファンの想いを熱く語ってたら「それをマンガにしたら面白いじゃん」って話になったんだそうですw
まぁ、変身ヒーローは生身の人間が仮面を被って演じるから面白いのであって、それをストレートに漫画化してもウケないだろうなと、私も思います。編集者さんの判断は正しかった。お陰でこうしてドラマにもなったワケで。
勤め先では女子力の高い優等生で通ってる主人公=仲村さんに扮するのは、本作が連ドラ初主演となる小芝風花さん。気になる女優さんの1人です。
初回で描かれたのは、ガシャポンで特撮ヒーローの携帯ストラップを(同僚たちに見つからずに)ゲットする仲村さんと、飲み会で(特撮ソングしか知らないことを同僚たちに悟られずに)カラオケする仲村さんの、孤独な闘いでしたw
特撮ヒーロー物の魅力とは何たるかを追及する熱いドラマかと思いきや、あの超ヘビー級ドラマ『透明なゆりかご』と同じ放映枠の作品とは思えない、このユルさw
大傑作だけど観るのに気合いが必要だった『透明な~』とは対照的に、こちらは肩の力を完全に抜いて観ないと肩透かしを食らっちゃう。仕事で疲れて帰った夜にはうってつけの癒し系ドラマです。
しかし本人にとって「特ヲタ」であることが周りにバレるかバレないかは死活問題。私みたいに人間関係をほとんど放棄しちゃえば割りと容易いけど、まともな社会人としてのステイタスと本格オタク道を両立させるのはとても難しい。せめて、そんな苦労を理解し、分かち合える仲間が身近にいたら、どれだけ心が救われるか……
初回は、長年孤軍奮闘してきた仲村さんがついに、同じ特ヲタのOL=吉田さん(倉科カナ)と出逢うまでのストーリーでもあり、二人が初めて互いを認識した瞬間にはちょっとウルウルしちゃいました。
歳を取れば取るほど、そんな出逢いはほとんど無くなります。かつて自主製作映画をやってた頃は沢山の仲間に囲まれてウザかったのにw、今の私はホントいつも独りぼっち。ブログを通じて刑事ドラマや多部ちゃんを語り合ったりする仲間に、どれだけ心が救われてるか分かりません。
だから仲村さんの孤独がホントよく解るし、応援せずにはいられません。他にも、クールで無愛想な同僚=北代さん(木南晴夏)が実はアイドルオタクだったり、ヤクザみたいな駄菓子屋の兄ちゃん(竹内まなぶ)が実はアニメオタクだったり等、今後も隠れオタク仲間が増えてくみたいで楽しみです。
ほんとユルくて他愛のない話だけど、陰湿なものを見せられるよりはずっといい。私はこのドラマを支持します。
正直、小バカにしたような内容だったら悲しいなーと最初は勇気が入りましたが、愛溢れる作品で安心しましたー!
主人公は女子でしかも一般人の仮面をかぶってるので大変だなーと思いました。
私は特撮好きは隠していませんが、若い頃は飲み会なんかで悪意を持って特撮ネタをイジッてこられた時は本当に悲しかった。
だからこそ、その辺の特撮ファンを巻き込むような素晴らしい研究とバランス、恐れいりました!
カラオケのごまかし、あのアイデア素晴らしい!
あと度々ヒーローが妄想のなか横に立ち励ますシーン!
あれマジなんですよ!
あれわかってくれるの本当に嬉しいです!
NHK、受信料払う価値のある素晴らしい作品を量産しますね!!
目が離せません!
オタクへの偏見を嘆くんじゃなくて、面白がるスタンスですよね。オタクも非オタクも平等にネタにするフラットさと言いましょうか、こういうゲーム感覚なら大歓迎です。