☆第245話『刑事犬 対 ギャング犬』
(1977.4.1.OA/脚本=田波靖男&四十物光男&小川 英/監督=竹林 進)
スコッチ(沖 雅也)が山田署へと転勤した、その翌週に放映されたエピソード。つまりレギュラー6人体制=ボン(宮内 淳)単独活躍期の幕開けですが、まだボンの人気も実力も信用してない制作陣は、ゲストの顔ぶれを強化することでスコッチの抜けた穴を埋めようとした、ような感じがします。
その第1弾が大好評「警察犬シリーズ」の再開で、かつてテキサス(勝野 洋)の良き相棒だった警察犬ジュンが、新たにボンとコンビを組んで大活躍します。
結局、ボンは常に誰かとコンビを組まされる運命なワケですw 翌週の第246話『赤ちゃん』には麻薬Gメンの村岡房江(浜 美枝)が、そして第252話『鮫島結婚相談所』には元刑事の鮫やん(藤岡琢也)が再登場し、入れ替わり立ち替わりボンの相棒を務めます。
おまけにこの245話には、後にボンと2年間もコンビを組む毛むくじゃら男=木之元 亮さんがカメラテストでプレ登場するんですよね。
冒頭、ボンがジュンに会いに行く警察犬訓練所のトレーナー役で、髭なのかモミアゲなのか髪の毛なのか判んないモジャモジャの爆裂したビジュアルに加え、独特な野太い声と滑舌の悪さでインパクトは絶大。後にロッキー刑事として七曲署に現れた時も「あれ、あの時の爆裂モジャモジャ男やん!」って、クラスで話題になったもんです。
それはともかく、確かにこの時点じゃボンも頼りないイメージがまだ払拭出来てないし、ビジュアル的にも精悍さが足りてません。ボンが本当に格好良くなるのは、爆裂モジャモジャ男の先輩格に昇格し、とっくりセーターを着なくなり、髪をセンター分けにしてオデコを出すようになってからです。
そしてボンだけじゃなく、他の七曲署レギュラー刑事たちも以前より垢抜け、どんどん格好良くなって行きます。ほんと男前揃いです。
スコッチがいた頃はそれこそ太陽みたいに丸かったボス(石原裕次郎)のお顔も、程よく贅肉が落ちて来ました。万人が抱くボスのイメージに落ち着きましたよね。
ゴリさん(竜 雷太)は金八先生みたいにしょっちゅう指でかき上げてた髪を短くカットし、竜さんが教師を演じられたデビュー作『これが青春だ』の頃に戻った感じ。ロッキー加入後は更に髪が短くなります。
殿下(小野寺 昭)だけはルックスがほとんど変化しないんだけど、歳を重ねて精悍さが増し、やっと刑事らしく見えて来ました。
長さん(下川辰平)もボスと同じで、丸かったお顔がシュッと引き締まって男前になられました。もっと後期になると頬が痩けて老いを感じちゃうので、この時期のルックスがベストかも知れません。
そして山さん(露口 茂)の、誰にも真似出来ない唯一無二の格好良さ! 角刈りのべらんめえ親父から刑事コロンボ(ピーター・フォーク)期を経て、大学教授的イメージの山さん像がついに完成した感じです。
ボン単独活躍期は、ルックス的にもキャラクター的にも、メンバー全員がそれぞれのイメージを完成させた時期とも言えます。
良くも悪くも、ほとんど変化しない『太陽にほえろ!』の長期安定時代が、これから数年に渡り続くことになります。
番組内容がどんどん重くなって、ボンの軽さで何とかバランスを保ってたのが、ボンがいなくなって崩れちゃった。後任のスニーカーも決して悪くはなかったけど、番組自体が迷走しちゃうんですよね。
私も本放送時はボンが一番好きでした。
「太陽にほえろ!」もこの頃最も入れ込んで見てました。
私の中では「太陽ー」ってボンがいた時とそれ以降で別れてしまっております。そしてそれ以降ってそれまでのようには入れ込めなかった記憶が…
それにしても木之元さん、そんな警察犬のトレーナーおるかいなという風貌ですね。