ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『M/愛すべき人がいて』#01

2020-04-23 00:27:24 | TVドラマ全般










 
期待された新作ドラマの多くが放映延期を余儀なくされてる中、誰にも期待されてなかった作品が放映を始めてしまいましたw

歌手・浜崎あゆみさんとエイべックス会長(当時専務)M氏との大恋愛を描いた、ノンフィクション作家・小松成美さんによる「事実を基にした」フィクション小説のドラマ化で、テレビ朝日とABEMAの共同制作。テレ朝では土曜の深夜枠、ABEMASPECIALチャンネルでは日曜夜10時枠で放映されてますが、まぁ誰も観ないですよねw

よっぽどの浜崎あゆみファンでなければ興味すら沸かないし、誰が演じたところでファンは「こんなのアユじゃない!」って文句言うに決まってるんだから、これは最初から負けが決まってる戦い。そんな企画を任された創り手の皆さんは、さぞや途方に暮れたこととお察しします。

果たして、どう料理しても美味くはならないであろう食材を、シェフたちがどんな苦肉の策で食えるものに仕立てるのか? その興味だけで初回を観てみました。

いや驚きました。なるほど、その手があったか!w

創り手たちが選んだのは、ベタすぎる展開と臭すぎるセリフ、あり得ないほど極端なキャラクターと大袈裟な演技で、視聴者に「笑ってもらう」という、いにしえの大映ドラマ方式。クレジットをよく見たら角川「大映」スタジオが制作協力している!w

だからM役が三浦翔平くんで社長役が高嶋政伸さんで、第2話ゲストが水野美紀さんなのですね!w(キワモノ企画には欠かせない人たちです)

どうやったところで叩かれるんだから、ならばいっそ、それを逆手に取って話題性に転換させるという、一種の炎上商法。考えましたね!

B級、C級の下らないストーリーも、Z級まで行っちゃうとその下らなさこそが味になる。浜崎さんご本人やエイベックスは怒るかも知れないけど、世間に無視されるよりはずっとマシ。私は大正解だと思います。

で、このドラマで最も笑いを取りそうなのが、わざとらしいアイパッチで異彩を放ちまくるMの秘書=姫野礼香を演じる田中みな実さん。

眼を傷めたのはどうやらMのせいらしく、大映お笑いドラマの金字塔『スチュワーデス物語』の手袋女(片平なぎさ)の二番煎じ丸出しですw

ヒロインのアユ(安斉かれん)はMに見初められたことから、その眼帯秘書や同級生(久保田紗友)たちから嫉妬による嫌がらせを受け、水野美紀さん扮するトレーナーにはとことんシゴかれるみたいだけど、全て笑いのネタだから気楽に観てられますw

ほんとバカとキチガイしか出て来ないドラマだから、まともに観ると腹が立つだけ。笑ってナンボのドラマなんです。

惜しむらくは、田中みな実さんの表情筋がいまいち硬く、迫力に欠けること。そこはやっぱり女優としては駆け出しで、水野美紀さんレベルには遠く及びません。あえて汚れ役を引き受けられた心意気は素晴らしいと思うので、もっともっと突き抜けた演技で一皮剥けて頂きたいです。

そんな願いもこめて、セクシーショットは田中みな実さんです。
 

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『映像研には手を出すな!』#02~#03

2020-04-22 00:07:14 | TVドラマ全般










 
残念ながら、実写版『映像研には手を出すな!』は非常に残念な出来になってしまったようです。特撮シーンは良いだけにホント残念。

まず、初回レビューに書いた、野球部内における揉め事を5分近くもかけてダラダラ見せる、まったくもって無駄な描写。第2話以降も同じようなシーンが毎回入るなら、私は視聴をやめてしまうかも知れないと書きましたが、その通りになっちゃいました。

初回で見せられたのは、野球部から枝分かれした「内野部」と「外野部」の対立でした。第2話では「メロディック・ハードコア部」と「グラウンド・コア部」と「カオティック・ハードコア部」が対立。これにも随分と時間を割いてました。

さらに、新聞部から独立した「号外部」が発足以来6年間、一度も号外を(それに値する校内の大事件が起きないから)発行してない、けれど「映像研」の発足により初めて号外が出せた!っていう、無理くり本筋と絡めたエピソードも描かれました。ほんと無理くりとしか言いようありません。

第3話では「下水道部」と「上水道部」という、これまたナンセンスとしか言いようがない対立が、さすがに尺は短めでしたが描かれてました。が、残念ながらクスリとも笑えない。これで私はもう、堪忍袋の緒が切れました。

言うまでもなく、私が絶賛したアニメ版『映像研には手を出すな!』には、それらのシーンは一切ありません。

じゃあ、大童澄瞳さんによる原作マンガはどうなのか? もし仮に原作にあったとしても、こんなムダな枝葉をわざわざピックアップするドラマ版スタッフはセンス最悪だけど、もし原作に無いのにオリジナルで付け足したとすれば、最悪のまた最悪、救いようの無いレベルだと私は思うので、わざわざ原作の第1巻と2巻を買って読んでみました。

そしたら案の定、原作にもそんな描写は存在しませんでした。このドラマの創り手は、救いようなくセンスの悪いクリエイターだと言わざるを得ません。

原作とアニメ版には、「映像研」が発足する以前に「アニメ部」が存在し、それとは別途で生徒会から予算を貰うため「映像全般」を研究する(でも実際はアニメだけ創る)部を主人公たちがでっち上げる、という流れがあります。

だったら、野球部とかも内野部と外野部に岐れてたら面白くね? 水道を研究する部まであって上水と下水で対立してたら笑うよね!って、たぶん制作会議で盛り上がったんでしょう。

酒でも呑んでたんですか? 宴会でそんな話をする分には楽しいかも知れないけど、それを実際に役者が演じても到底笑えない事ぐらい、プロのクリエイターなら分かりそうなもんですが……

これはもうシロート以下、小学生の学芸会レベルだと言わざるを得ません。ほんと、素晴らしい原作とアニメを「台無し」にしちゃいました。

『映像研~』が面白いのは、描写はファンタジックでも根本にリアリティーがあるからです。アニメを創るにはお金がかかる、それを調達するには交渉力が要る、創ったら創ったで商品化して売らなきゃいけない、その為にどうやって宣伝するのか?等々、これまで描かれて来なかった生々しいリアルがあるからなんです。

ドラマ版でもそこは一応なぞってはいるけど、まったく現実離れしたその他の描写があるせいで、何もかもが嘘臭くなっちゃった。

なんだか軍隊っぽい生徒会の描き方にしても、原作とアニメではちょっとした遊び心、あくまで隠し味に過ぎないんですよね。それをドラマ版では大々的に取り上げ、前面に押し出してしまった。枝分かれしまくってる部活動も含めて、世にも奇妙な学園を舞台にした変人たちのドタバタ喜劇(笑えないけど)にしちゃったワケです。

ちー、がー、うー、だー、ろーっ!? このハゲェーッ!!(薄毛の皆さん、すみません。私の頭髪も最近ヤバいです)

原作やアニメとまったく同じことをしても仕方がない、実写版ならではの味付けをしないとやる意味がないっていう姿勢は、決して間違ってないと思います。

続編として公開されるであろう劇場版にクライマックスを持っていく為、ドラマ版は尺を稼がなきゃならない大人の事情も、まぁ解らなくはありません。

けど、あの素晴らしい原作から、よりによってそこをピックアップするか? そこを広げてしまうのか? っていう、我が眼を疑うような描写があまりに多すぎる。これはホントに、センスの問題としか言いようがありません。

ストーリーよりセンスが命とも言える作品の実写化を、こんなセンスの悪いクリエイターに任せてしまったのが運の尽き。私の中での『映像研~』ブームは、これにて終了となりました。せっかくの素晴らしい素材を、ほんと台無しにしましたね。

浅草氏、水崎氏、金森氏を演じるアイドルたちは健気に頑張ってくれてます。しかし如何せん、キャラクターに実在感が無いから感情移入できません。アニメでは出来たのに、生身の人間が演じてなぜ出来ないのか?

それもこれも、創り手にセンスが無いからです。彼女らに罪はありません。

アニメ版では、三人の女子高生それぞれのルーツ(アニメの動きに興味を持つようになったきっかけや、守銭奴になった理由など)も手際よく描かれてました。実写化するなら普通、そのへんを掘り下げないかい? 尺を稼ぐには持ってこいの素材でしょうに。

ふざけてるように見えて、実は真摯で深い物語。だから私はハマったのに、ふざけてる部分だけを拡大解釈しちゃった実写版スタッフは、ほんとセンスが無いと思います。

多くの「実写化」作品は、こうして潰れていく。何度失敗を繰り返しても学ばない、学ぼうとする気もない創り手たちには、さすがの私も敬意を払う気になれません。

創作のセンスだけじゃプロのクリエイターにはなれないけど、営業能力(それと体力)さえあれば、センスが無くてもプロになれちゃうみたいです。嗚呼、やれやれ……

久々にボロカス書いちゃいました。それだけアニメ版が素晴らしかったからです。実写版だけ観て「ハリソン君って奴はこんなもんにハマってたのか?」って、笑われちゃたまったもんじゃないですから、書かずにいられませんでした。
 

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『太陽にほえろ!』#340

2020-04-21 00:00:16 | 刑事ドラマ'70年代










 
☆第340話『勝利者』(1989.2.2.OA/脚本=小川 英&高橋紀子/監督=木下 亮)

柴崎という男が時限爆弾で殺害され、その現場で目撃された沢(山西道広)という写真家の顔写真を見て長さん(下川辰平)が驚きます。

数年前、ビル荒しの犯人を長さんが捕まえる際に協力した警備員が、その沢という男。体力には自信のある長さんを凌ぐほどのパワーと持久力で犯人を追った沢が、とても印象的で長さんはよく憶えていたのでした。

あれから写真家に転身した沢は、大手企業「クラウンウイスキー」の専属カメラマンに起用されたばかりで順風満帆。いきなり長さんが訪ねて来ても笑顔で迎え、殺人を犯すような陰は微塵も感じられません。

顔を毛むくじゃらにしてついて来たロッキー(木之元 亮)に「シンデレラボーイと呼ばれてるそうですね」と言われ、沢はサラッとこう答えます。

「いや、僕はそうは思ってませんよ。むしろ幸運だったのは僕を起用したクラウンウイスキーの方ですからね」

冗談めかしてはいるものの、沢がかなりの自信家であることが伺えます。同居してる妹=ゆり子(戸川京子)も、そんな兄を誇らしく思ってる様子。

だけど長さんは、沢の部屋に目撃情報と同じジャケットがあることを見逃しませんでした。持ち前の粘り腰で捜査すればするほど、沢への疑惑は深まるばかり。

そんな長さんにご立腹のゆり子に呼び出され、沢が写真の現像に使ってる廃屋の地下室を訪ねた長さんは、殺す気満々の沢の襲撃を受ける羽目になります。やっぱり犯人は沢だった!

しかし体力じゃ負けない長さんは互角に闘い、あと一歩のところまで追い詰めるんだけど、あろうことか沢が殺人の証拠、すなわち長さんの遺体を吹き飛ばすつもりで用意してた爆弾が暴発! 部屋の出入口が瓦礫で塞がれ、長さんと沢、そしてゆり子が密室に閉じ込められてしまうのでした。

残念ながら長さんの拳銃は、ゆり子に奪われてしまいます。長さんの説得にも彼女は耳を貸しません。ずっと沢に頼って生きて来たゆり子にとって、彼は絶対的な存在なのでした。

「お兄ちゃんは強くて正しいのよ。お兄ちゃんのすることが間違ってる筈なんか無いのよ!」

一方、藤堂チームの面々は長さん流の地道な捜査により、爆殺事件の真相に迫ってました。

どうやらクラウンウイスキーの専務が数年前に起こした轢き逃げ事故が全ての発端で、殺された柴崎はその秘密を握っていた。そして柴崎が死んだ3日後に、沢がクラウンウイスキーの専属カメラマンに採用された。そう、専務がそれと引き換えに殺しを依頼したに違いない!

そこまで判ったのに沢は行方不明で、おまけに長さんまで連絡がつかなくなり、ボス(石原裕次郎)は厭な予感を覚えます。

そのころ地下室では、沢が残った起爆管を長さんの拳銃で撃って爆発させ、出入口を塞いだ瓦礫を吹き飛ばすというミッションにチャレンジしてました。地下に保管してたせいで起爆剤が湿っており、導火線では爆破出来ないのでした。

が、至近距離から撃つワケにもいかず、素人の沢には起爆管に命中させることが出来ません。残った弾丸は僅か1発!

「貸しなさい、俺が撃つ」

「ダメだ、こいつは残しとく!」

「出たくないのか? ここを出たら……」

「俺に命令するな! どうするかは俺が決める!」

妹の命も懸かってるというのに、沢は頑として拳銃を返そうとしません。

残された方法は、ただ1つ。起爆剤を分解し、ドライヤーで火薬を乾かすという超アナログでインポッシブルなミッション。当然、ドライヤーの熱で起爆したら一巻の終わりです。

「あんた、死にたいのか?」

「離れていろ。たぶん、死ぬのは俺一人で済む」

一人で黙々と決死のミッションに挑む長さんを、ゆり子と二人離れた場所から眺める沢は、冷ややかに笑います。

「死ぬぞ、あいつ。しかし、あんな馬鹿げた仕事はあいつ向きだよ」

「…………」

そんな兄の横顔を、ゆり子はただじっと見つめるのでした。

一夜明け、なんとか無事に起爆剤を乾かした長さんは、それを出入口にセットします。

「早く火を点けろ! グズグズするなっ!」

「お兄ちゃん、あのまま火を点けたら、あの人……」

「やらせるんだ! あいつは刑事だ。自分を犠牲にしても人命を救うのが仕事なんだ。そうだろ刑事さん!」

「……かいかぶるなよ。俺はそんな聖人君子じゃない。俺はただ、やらなきゃならないことを、やってるだけだ」

果たして爆破は決行され、出入口を塞いでた瓦礫は見事に排除され、長さんも満身創痍ながら何とか死なずに済みました。

しかし到底自力では動けない長さんを、沢は人質に使うために連れて行くことを決め、ゆり子にタクシーを呼びに行かせます。

ところが、代わりにやって来たのは藤堂チームの刑事たち。沢はあっけなく御用となり、その自白により殺人を依頼した専務も逮捕されるのでした。

「教えろよ、なぜあの場所が判った? 教えろよ!」

取調室でわめく沢の前に、ボスが現れます。

「お前の逮捕を願った人がいるんだ」

「なにっ?」

ボスの傍らにいるのは、これまで自分を頼りきってた筈の妹。

「ゆり子……」

みじめな兄の姿を見て、ゆり子は逃げるように廊下の端まで走り、号泣するのでした。

そんな彼女に駆け寄ろうとする長さんを、ボスが引き留めます。

「分かったんだよ、あの子には。誰が一番強い男かってことが。分かったから、悲しいんだ」

この兄妹の生い立ちについては言及されてませんが、恐らく両親は離婚したか死別したかで、ゆり子は兄以外に頼れる人間がいなかったんでしょう。

沢も沢なりに、妹の期待に応えるべく頑張って来たはず。だから長さんに負けない体力と、爆弾を造るだけの知力も備えてたワケです。

けれど、犯罪に走った時点で彼の負け。この世の中、正しく生きていく方がイバラの道。ラクな道を選んで堕落した沢は結局、弱かったんでしょう。

ゆり子役の戸川京子さんは、当時若冠14歳とは思えない演技力で、このエピソードを見応えあるものにしてくれました。

歌手・戸川純さんの妹としても知られる子役出身の女優さんで、モデル、タレント、ミュージシャンとしても活躍されたけど、2002年に自ら命を絶たれてしまいました。とても明るいキャラクターだったので衝撃を受けた記憶があります。合掌。

『太陽にほえろ!』には'85年放映の第663話にもご登場されたほか、刑事ドラマは『大捜査線』『同シリーズ・追跡』『はみだし刑事情熱系PART2』『同PART5』等にゲスト出演。'92年の『裏刑事/URADEKA』では主人公に殺しの依頼を通達するエージェント・芹沢雅子役でレギュラー出演されてます。
 

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『太陽にほえろ!』#339

2020-04-20 00:00:07 | 刑事ドラマ'70年代










 
☆第339話『暴発』(1979.1.26.OA/脚本=柏原寛司/監督=木下 亮)

1979年の新春第1弾となる第336話『ドジな二人』では、ドジなコソ泥コンビと対比する形で、ボン(宮内 淳)&ロッキー(木之元 亮)のドジっぷりがしつこい位に描かれました。

ロッキーが登場してから約1年半、これまでボンの著しい成長ぶりが強調されて来たと言うのに、殉職が1年延期されたことで半人前の刑事に退化させられちゃったボンが、ちょっと気の毒にも思えて来ます。

今回もロッキーと2人揃って非番日だったボンが、署への定時連絡をサボったせいで殺人事件発生の知らせを受けるのが遅れ、それでも真っ先に犯人と遭遇したというのに、2人でモタモタしてる内に逃げられちゃうという、これまで描かれた成長は一体何だったの?って言わざるを得ないドジっぷりを披露。

「俺たちが主役の回はいつも中身がない」ってw、宮内さんが愚痴られるのも無理ありません。こういうチーム物のドラマにおいては、その時その時のポジションによって同じ人物でもキャラが微妙に変わっちゃう。特にボンは一進一退が激しかったような気がするけど、後のブルース(又野誠治)みたいにどんどんバカになっちゃうよりはマシかも知れませんw

さて、今回殺されたのは筒井という商事会社の社長で、目撃情報から犯人は幸男(飯山弘章)というチンピラであることがすぐに判明。

で、幸男が横浜を根城にしてることから、ボス(石原裕次郎)に横浜出張を命じられたボン&ロッキーがまず訪ねたのが、幸男の幼なじみで恋人の洋子(森下愛子)。

洋子は拳銃で2人を脅してまで幸男を逃がそうとしますが、そこはさすがにボンがモデルガンであることを見破ります。だけど刑事ならそれが当たり前で、気づかずに顔を毛むくじゃらにしながらオロオロしてたロッキーが、単にアホ過ぎるだけw そういうポジションだから仕方ありません。

そんなワケで幸男はあっさり確保されるんだけど、犯行に使われた拳銃が見つからない。「殺すつもりは無かった」と言う幸男の話をよく聞いてみると、彼は暴力団「竜神会」の幹部に被害者=筒井社長を拳銃で「脅して来い」と命じられただけで、全て言われた通りにやったら銃が「暴発」してしまったらしい。

もしかすると、その拳銃は安全装置が効かないよう細工されてたんじゃないか?と、ボンは推理します。

殺意を持って撃ったのと、騙された挙げ句の事故で撃ったのとでは、量刑が大きく違って来る。幸男の話を信じたボンは、彼が堀川に捨てたという拳銃をロッキーと2人、徹夜でドブさらいして見つけ出し、安全装置への細工を証明してみせるのでした。

そんな心優しいボン&ロッキーに感激した洋子が、覆面車を運転中の2人のホッペにお礼のキッス。それで2人が大騒ぎして事故を起こしかけ、無線で聞いてたボスに「いい加減にしろっ!」って怒鳴られちゃう、いかにも日テレ青春ドラマなラストシーン。いい大人がホッペにチューされただけで取り乱す、それが『太陽にほえろ!』なんですよねw

まぁ、かくも他愛ないストーリーではあるんだけど、洋子を演じた森下愛子さん(当時20歳)がとにもかくにも可愛くて、萌えるしかありませんw

前年に出演したATG映画『サード』における大胆演技で注目され、本作の後にセントラルアーツ映画『殺人遊戯』『俺達に墓はない』でジーパン=松田優作さんと共演、'81年にはセントラルアーツの連ドラ『探偵同盟』で宮内淳さんとレギュラーで再共演されてます。

刑事ドラマは他に『明日の刑事』『特捜最前線』等にゲスト出演。近年では宮藤官九郎作品のミューズ的存在で『うぬぼれ刑事』にもレギュラー出演されてます。

現在でも可愛い人だけど'79年当時の輝き方はハンパなく、言っちゃ悪いけど今回みたいな凡庸なストーリーでも、森下さんの魅力で観てられるんですよね。

相手役の飯山弘章さん(東京キッドブラザース)もツッパリ系の役者さんにしては好感度が高いし、チョイ役で本田博太郎さんが顔を見せられる等、ゲスト陣が充実してます。

また、ボン&ロッキーのコンビネーションももはや鉄壁で、横浜へと向かう車内で口喧嘩しながら、ルームランプをボンが点けてロッキーが消すやり取りを繰り返すくだり等も息ぴったり。そんなさりげない描写で楽しませてくれるから退屈しません。

ドラマそのものはハッキリ言って、既にマンネリという名の泥沼に嵌まってるんだけど、ボンの存在とゲストの充実で何とかクオリティーを維持してる状態。王座陥落へのカウントダウンは、もう既に始まってます。
 

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『警視庁・捜査一課長2020』#02

2020-04-19 00:05:36 | 刑事ドラマ2000年~










 
やはり、大福こと平井真琴 刑事(斉藤由貴)が現場復帰したことで、がぜん面白くなりました。七曲署の山さんにも負けない勘の鋭さで事件の先を読み、迷わずガンガン行動に移す彼女のアクティブさが、ただでさえ熱いドラマをさらに弾ませてくれます。

そして何より嬉しいのは、小山田管理官(金田明夫)と大福との「愛あるけなし合い」が復活したことで、金田さんも水を得た魚みたいに活き活きされてます。

で、そんな2人に引っ張られてか、重鎮である筈の笹川刑事部長(本田博太郎)の変人ぶりも更に磨きがかかって来ましたw

毎回、ドラマの中盤に登場しては大岩捜査一課長(内藤剛志)にハッパをかけるのがお約束なんだけど、今回は大岩課長と大福が隅田川の縁で会話してたら、笹川刑事部長が何の脈略もなく漁船に乗って登場し、あらかじめ用意してた手旗でエールを送るというナンセンスさw

こうなるともう、次はヘリコプターに乗って、その次はパラシュート、あるいは馬、ラクダ、像、しまいには壁画の中や墓の下から登場するなどw、どんどんエスカレートしてネタが尽きるんじゃないかと心配になって来ますw

シリアスとコメディーの境目をさまよう、その曖昧さこそが本作の面白さだと私は思うので、あんまりコメディーに寄り過ぎちゃうと魅力を失うやも知れず、そこは注意されたしです。

ストーリー自体は、いつも言うようにただの謎解きゲームですから、これと言って書くことはありません。この第2話は、鋭い勘が武器の大福が久々の主役ってことで、勘が鋭いがゆえに事件を起こしたり巻き込まれたりした人たちの悲哀が描かれ、なんだかよく解んない話になってましたw

でも、ハナから謎解きに興味が無い私にとって、それは大した問題じゃない。大事なのは刑事たちの活躍を如何に面白く見せてくれるかで、その点においてはますます期待出来そうです。

セクシーショットは第2話メインゲストの、武田玲奈さんです。
 

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