ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』#339

2020-04-20 00:00:07 | 刑事ドラマ'70年代










 
☆第339話『暴発』(1979.1.26.OA/脚本=柏原寛司/監督=木下 亮)

1979年の新春第1弾となる第336話『ドジな二人』では、ドジなコソ泥コンビと対比する形で、ボン(宮内 淳)&ロッキー(木之元 亮)のドジっぷりがしつこい位に描かれました。

ロッキーが登場してから約1年半、これまでボンの著しい成長ぶりが強調されて来たと言うのに、殉職が1年延期されたことで半人前の刑事に退化させられちゃったボンが、ちょっと気の毒にも思えて来ます。

今回もロッキーと2人揃って非番日だったボンが、署への定時連絡をサボったせいで殺人事件発生の知らせを受けるのが遅れ、それでも真っ先に犯人と遭遇したというのに、2人でモタモタしてる内に逃げられちゃうという、これまで描かれた成長は一体何だったの?って言わざるを得ないドジっぷりを披露。

「俺たちが主役の回はいつも中身がない」ってw、宮内さんが愚痴られるのも無理ありません。こういうチーム物のドラマにおいては、その時その時のポジションによって同じ人物でもキャラが微妙に変わっちゃう。特にボンは一進一退が激しかったような気がするけど、後のブルース(又野誠治)みたいにどんどんバカになっちゃうよりはマシかも知れませんw

さて、今回殺されたのは筒井という商事会社の社長で、目撃情報から犯人は幸男(飯山弘章)というチンピラであることがすぐに判明。

で、幸男が横浜を根城にしてることから、ボス(石原裕次郎)に横浜出張を命じられたボン&ロッキーがまず訪ねたのが、幸男の幼なじみで恋人の洋子(森下愛子)。

洋子は拳銃で2人を脅してまで幸男を逃がそうとしますが、そこはさすがにボンがモデルガンであることを見破ります。だけど刑事ならそれが当たり前で、気づかずに顔を毛むくじゃらにしながらオロオロしてたロッキーが、単にアホ過ぎるだけw そういうポジションだから仕方ありません。

そんなワケで幸男はあっさり確保されるんだけど、犯行に使われた拳銃が見つからない。「殺すつもりは無かった」と言う幸男の話をよく聞いてみると、彼は暴力団「竜神会」の幹部に被害者=筒井社長を拳銃で「脅して来い」と命じられただけで、全て言われた通りにやったら銃が「暴発」してしまったらしい。

もしかすると、その拳銃は安全装置が効かないよう細工されてたんじゃないか?と、ボンは推理します。

殺意を持って撃ったのと、騙された挙げ句の事故で撃ったのとでは、量刑が大きく違って来る。幸男の話を信じたボンは、彼が堀川に捨てたという拳銃をロッキーと2人、徹夜でドブさらいして見つけ出し、安全装置への細工を証明してみせるのでした。

そんな心優しいボン&ロッキーに感激した洋子が、覆面車を運転中の2人のホッペにお礼のキッス。それで2人が大騒ぎして事故を起こしかけ、無線で聞いてたボスに「いい加減にしろっ!」って怒鳴られちゃう、いかにも日テレ青春ドラマなラストシーン。いい大人がホッペにチューされただけで取り乱す、それが『太陽にほえろ!』なんですよねw

まぁ、かくも他愛ないストーリーではあるんだけど、洋子を演じた森下愛子さん(当時20歳)がとにもかくにも可愛くて、萌えるしかありませんw

前年に出演したATG映画『サード』における大胆演技で注目され、本作の後にセントラルアーツ映画『殺人遊戯』『俺達に墓はない』でジーパン=松田優作さんと共演、'81年にはセントラルアーツの連ドラ『探偵同盟』で宮内淳さんとレギュラーで再共演されてます。

刑事ドラマは他に『明日の刑事』『特捜最前線』等にゲスト出演。近年では宮藤官九郎作品のミューズ的存在で『うぬぼれ刑事』にもレギュラー出演されてます。

現在でも可愛い人だけど'79年当時の輝き方はハンパなく、言っちゃ悪いけど今回みたいな凡庸なストーリーでも、森下さんの魅力で観てられるんですよね。

相手役の飯山弘章さん(東京キッドブラザース)もツッパリ系の役者さんにしては好感度が高いし、チョイ役で本田博太郎さんが顔を見せられる等、ゲスト陣が充実してます。

また、ボン&ロッキーのコンビネーションももはや鉄壁で、横浜へと向かう車内で口喧嘩しながら、ルームランプをボンが点けてロッキーが消すやり取りを繰り返すくだり等も息ぴったり。そんなさりげない描写で楽しませてくれるから退屈しません。

ドラマそのものはハッキリ言って、既にマンネリという名の泥沼に嵌まってるんだけど、ボンの存在とゲストの充実で何とかクオリティーを維持してる状態。王座陥落へのカウントダウンは、もう既に始まってます。
 

コメント
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