2022年夏シーズン、TBS系列の金曜夜10時「金曜ドラマ」枠でスタートした、西田征史さんのオリジナル脚本による連続ドラマ。
司法試験に4回落ちた崖っぷち東大卒パラリーガル・石子(有村架純)と、1回で司法試験に合格した高卒の弁護士・羽男(中村倫也)の“イシハネコンビ”が、誰にでも起こりうる珍トラブルに挑む異色のリーガル・エンターテインメント。
2人が勤めるマチベン「潮法律事務所」の所長にして石子の父=綿郎にさだまさし、アルバイトスタッフの蒼生に赤楚衛二、石子に惚れてる蕎麦屋の店員においでやす小田、といったレギュラーキャスト陣。
どうにも「掴みどころがない」っていう印象です。サブタイトル通り「そんなことが訴訟沙汰になっちゃうの!?」っていう物珍しさ(実話を元にしてるらしい)が企画の肝だと思うんだけど、初回前半の「喫茶店でケータイを充電してたら訴えられた」はともかく、後半の「パワハラ」を巡る訴訟はさして珍しいとも思えない。
創り手もそれを自覚してか、先輩にパワハラされた後輩の側が実は罠を仕掛けてたとか、その裏には上司からのパワハラがあったとか、どんでん返しを加えて無理くりミステリー仕立てにしちゃってる。ほんとテレビ業界はビョーキだと思う。
せっかく身近な民事訴訟の話を、あたかも刑事事件みたいに見せようとするから嘘っぽくなっちゃう。そのまま伝えれば面白かったかも知れない話を、大袈裟な尾ヒレをつけて台無しにしちゃってる。私はそう感じました。
それでも、主役コンビの掛け合いが面白ければ観てられるんだけど、これがまたイマイチだったりする。芸達者なお二人なのに!
脚本、演出、音楽、キャスティング……いろんな要素の食い合わせが上手くいってない。そんな感じがします。
良いテーマがあって、スタッフもキャストもみんな優秀でも、なぜか上手くいかない時がある。ドラマ創りって本当に難しい。特にコメディってのは繊細で、ほんの微妙なサジ加減でスベっちゃう。
だから、一刀両断につまんないとか言うべきじゃない。明らかに「やっつけ仕事」と見れば容赦しないけど、本作には志しを感じるだけに「掴みどころがない」としか私は言えません。
やっぱり「謎を解かなきゃダメ」「恋をしなきゃダメ」っていう、ドラマ業界のおかしな思い込みが元凶の1つになってると思う。みんながそれに囚われて、結果どれもこれも「似たりよったり」になっちゃってるのが何より深刻。
だから私のレビューも、毎度毎度おんなじこと書くしか無いワケです。で、最後は「おっぱい見せろ」「しゃぶらせろ」の下ネタで締めるウルトラ・ワンパターン。なにか問題あんのかこらあああぁぁぁーっ!!!
唯一の希望は、以前より大きくなった気がする有村架純さんのおっぱいです。おっぱいさえ見せてくれたら何もかも丸く収まります。どうか見せて下さいしゃぶらせて下さい。お願いしますお願いしますお願いします。
2022年夏シーズン、日本テレビ系列の土曜夜10時「土曜ドラマ」枠でスタートした、坂元裕二さんのオリジナル脚本によるミステリー・ラブコメディ。
神奈川県警・境川警察署に所属するも、停職処分中で自宅に籠もってる刑事課の鹿浜(林 遣都)と、総務課職員の馬淵(仲野太賀)、生活安全課職員の摘木(松岡茉優)、会計課職員の小鳥(柄本 佑)という、いずれも捜査権を持たない4人が鹿浜邸で密かに「自宅捜査会議」を開き、本部が冤罪を生みそうな事件の真犯人を推理し、解決に導いていくというストーリー。
あの坂元裕二さんの作品ですから、そりゃあ普通の刑事ドラマにならないのはハナから明白。
男3人と女1人のカルテットによる「警察署を舞台にしたラブコメ」と聞いて、私は元祖トレンディドラマ『君の瞳をタイホする!』へのオマージュかな?って、最初は思いました。(坂元さんのデビュー作はトレンディドラマの金字塔『東京ラブストーリー』)
けど、実際に観たら『女たちの特捜最前線』(’16) の方が近いと感じました。あれも総務課職員(高島礼子)、広報課職員(宮崎美子)、そして食堂のオバチャン(高畑淳子)の3人が「女子会」という名の捜査会議で事件を解決していくミステリーコメディでした。
あと、庶務課職員の小松菜奈さんが1人で事件を解決しちゃう『スリル!/赤の章』(’17) なんてドラマもありました。
つまり、設定自体はそれほど斬新でもない。肝心なのはキャラクターとユーモアと、見せ方のユニークさ。それこそ坂元さんの得意とするもんだと思います。
とりあえず初回は楽しめました。クセの強すぎるキャラクターにしつこいほどのユーモア、CGを使った実験的な見せ方など、拒否反応を示す視聴者もいそうだけど私は大歓迎! 正攻法の謎解きなんかクソ面白くもない!(乳首)
芸達者なキャスト陣の力量あればこそだけど、今季ナンバーワン候補の1本には間違いなくなるでしょう。
ただ、そこはやっぱり坂元裕二脚本ですから、人間のダークサイドをエグいほど見せつけられる可能性も大。すでに初回でその片鱗は伺えました。
そこんとこをやり過ぎて、胸クソ悪くなるような作品にはして欲しくないところ。あくまで笑える範囲内でよろしく頼みます!
主役4人のほか、境川警察署の雪松署長に伊藤英明、刑事課の尾白課長に瀬戸カトリーヌ、元・監察医の小洗ドクターに田中裕子、鹿浜邸の隣に住む怪しげな小説家に安田顕、といったレギュラーキャストの顔ぶれ。
そして私が一番注目したいのは、刑事課の新米刑事=服部渚に扮する、佐久間由衣さん!
由衣さんの刑事役は初じゃないけど、不器用で一生懸命な三枚目キャラはとても新鮮! 今回ヤンキーキャラの松岡茉優さんとのコントラストも楽しくて、私はこれだけで最終回まで引っ張られそうです。
2022年07月16日(土)の夜、NHKBSプレミアムにて放映された90分に及ぶドキュメンタリー番組。
自社製作映画の興行的失敗から多額の負債を抱えた石原裕次郎さんが、日本テレビのプロデューサーに口説かれ「13本だけ」を条件に渋々出演された刑事ドラマ『太陽にほえろ!』誕生の裏側と、裕次郎さんを通して回想されるテレビ界の黄金時代。
あらためて思い返せば『太陽にほえろ!』が放映されてた15年弱(1972年〜’86年)って、テレビ番組が一番元気で面白かった、まさに絶頂期。日本の映画界とテレビ界、両方の黄金期を象徴するスーパースターが石原裕次郎さんなワケで、そりゃNHKさんも繰り返し特集するってもんです。
しかし『太陽にほえろ!』が今年で放映開始50周年なら、私のマニア歴も50年近くになっちゃうワケで、その間ずっとアンテナを伸ばし続けて来たもんだから、これまで発信されたもので知らない情報は、ほぼ皆無。
だから過度には期待してなかったけど、やっぱりさすがは天下の国営放送局さん。実に濃厚で見応えある90分間、私は久々に食い入るようにテレビを観ましたよ!
なぜ、これを生みの親である日テレさんがやらない!?ってな疑問はとりあえず置いといて、特に印象に残った場面をピックアップしていこうと思います。
まず、3年前の『アナザーストーリーズ/運命の分岐点』における『太陽〜』特集にも登場された、東宝プロデューサーの梅浦洋一さん。
企画の立ち上げに際し、日テレ側のチーフプロデューサー=岡田晋吉さんが『ブリット』や『ダーティハリー』などアメリカ産のヒロイックな刑事映画からヒントを得られたのに対して、梅浦さんはまた違う理由で刑事モノをやりたかったと語られました。
「ぼくの場合は、特に浅間山荘事件で、警察官が人質をかばって死んでいくようなシーンを(リアルタイムで)目撃して、命を懸けて人を守るということが、一番わかり易い、人間の仕事だと思ったワケです」
悪人を捕まえたり処刑したりするヒーローじゃなく、命懸けで市民を守るという職業に就いた「人間」たちのストーリー。
まさにそのコンセプトこそが、時代の空気が変遷しても最後まで変わらなかった、良くも悪くも『太陽〜』の特長でした。私なんぞは「ええからそんな悪人、ぶっ殺せよ!」ってw、文句を言いながら観てたもんです。
そして、お馴染みの岡田さん。『太陽〜』のみならず『傷だらけの天使』『俺たちの旅』『あぶない刑事』など数々のドラマをヒットさせ、松田優作さんや中村雅俊さん等をスターに育てたチョー大物プロデューサー。
裕次郎さんには「13本だけ」と約束しつつ、局の偉いさんには「最低1年は出てもらいます」と言って見切り発車を敢行された大嘘つきでもありますw
「クビとか、違う部署に飛ばされても仕方ないやと思っていたんでね、強引にやっちゃったんですけどね(笑)」
今、そういうことが出来る人、つまり1つの作品に自分の人生を賭けちゃうクリエイターって、日本にいるんでしょうか? いや、当時でも稀有な存在だったからこそ、凄い作品を生み出すチョー大物になれたワケです。
「とにかく全シーンに刑事が出てて欲しい。あの7人いる刑事の誰でもいいから、刑事のいないシーンっていうのはやめようよって。このシーン、刑事が出てないからカットって(笑)」
徹底して刑事たちの心情を描くことにこだわり、犯人なんかどうでもいい!とまで言っちゃう岡田さんが、メインライターだった故・小川英さんとしょっちゅうバトルされてたのもマニア間じゃ有名な話。
そりゃあ脚本家の立場からすれば、犯人の心情を描かずにどうやって犯罪を描くの?って話だから、岡田さんの主張はほとんど暴論に近い。
今回、そのバトルの様子を隣の部屋でよく聞かされてたという、小川さんのご長男=小川真樹さんも証言を残してくれました。
「一言で言うと喧嘩なんですよね。お互いに主張して譲らない感じで、延々とやってました」
そうして徹夜でバトルするようなことを、1度や2度ならずしょっちゅう、何年も繰り返すという恐るべきエネルギー。そんな光景も昨今のテレビ業界じゃ見られないだろうと思います。
一言で表せば「情熱」ですよね。それが昨今のテレビ番組からは伝わって来ません。たとえ情熱があったとしても、そこまで作品創りに時間をかけられる余裕が、今の映像業界には無いっていう哀しい背景もある。
ライター陣のお一人、四十物光男さんはこう証言されてます。
「アニメなんかは1日か2日で書き上げるんだけど、『太陽〜』は20日から1か月ぐらいかかりましたから」
正味45分のドラマを書くのに何故そんなに時間がかかるかと言えば、岡田さんや小川さんが簡単にオッケーを出してくれず、何度も何度も「直し」を要求されるから。業界でも『太陽〜』の脚本家は「地獄らしい」と噂されてたそうですw
「刑事がどうやって関わって、人間的な解決をするか。それが刑事ドラマなんだ、という風にしてやって行ったワケです」
言うのは易しだけど、刑事側だけの描写で犯罪ドラマを成立させるのって、本当に至難の技。それを手間暇かけてやり続けた『太陽〜』を、十数年も夢中で観続けた私が、ただ事件の謎を解くだけで済んじゃう昨今の刑事ドラマに満足できるワケがありません。
さて、そうして創られた『太陽にほえろ!』の撮影現場で、石原裕次郎さんはどんな存在だったか? シンコ役の高橋惠子さん(当時は関根恵子さん)が証言されてます。
「とにかく周りが嬉しそうなんです。裕次郎さんのためにライト当てようとか、音声を録ろうとかっていうのがすごく分かって。周りの人を輝かせる、嬉しいなぁと思わせるのがスターなんだなって、実感しました」
だから「太陽そのもの」って言われるんですよね。緊張もするだろうけど、気持ちを明るくさせてくれるスター中のスター。
そんな裕次郎さんを、離れた場所から見つめるしか出来なかったとおっしゃるのは、第1話ゲストにして犯人第1号の、水谷豊さん。
『相棒』では髪が黒いから若く見えるけど、やっぱり水谷さんも歳相応に老いてられます。当たり前だけど、このドキュメンタリーにはご老人しか登場されませんw
第1話の撮影を振り返って、水谷さんはとにかく走るのが大変だったと苦笑。マカロニ刑事役のショーケン=萩原健一さんが「オレ、芝居はできないから」とか言って本気で走るもんだから、追いつかれないよう全力疾走するしかなかったワケです。
「でも、本気で、がむしゃらに走るとかってね、芝居を超えていけるんですよ。うん、別の世界があったと思いますね」
石原裕次郎という映画界のスーパースターに加え、演技という概念をあっさり超えて見せるショーケン。
「やはり特別な番組という意味ではそうですね、凄いことが始まるんだなというムードがありましたね」
そんな現場に立ち会えたことが、現在に至るまで俳優業を続けて来られた原動力になってると、水谷さんは仰ってます。
「徐々にテレビのエネルギーが(映画よりも)大きくなっていったっていうキッカケは、僕らにとっては青春モノであったり、まさに『太陽にほえろ!』なんてその代表ですよね。そこに石原裕次郎さんが出たということも物凄く、きっかけとしては大きかったような気がします」
しかし忘れちゃいけない、その裕次郎さんは「13本だけ」という約束で出演を引き受けたワケだから、当然、1クールで降りようとされます。
それを徹夜で説得して引き止めたのは、ゴリさん役の竜雷太さんってことに今まではなってたけど、当時チーフ助監督だった櫻井一孝さんが「僕が自宅に押しかけて承諾を頂いた」と衝撃の新証言w
誰も嘘はついてなくて、皆さん自分のお手柄だと思いたいんでしょうw けど実際のところは、奥様=石原まき子さんによる「あんなに仰ってるんだから、続けてみれば?」の一言が効いた、っていうのが真相みたいです。
男ってそんなもんですよね。いくらスーパースターでもそこだけは変わんない。結果、足かけ15年のご出演ですから、女性のパワーってのは本当に凄い!
そして、このブログでもさんざん書いてきた通り、番組の人気を決定づけたのはショーケンさんによる規格外の演技。デンカ役の小野寺昭さんも仰ってます。
「もう、突き抜けてるんですよ。えっ、こんな芝居あるのか?って思うくらい。僕らなんかがやったら、おいやめろ!そんなことするのって言われそうなことも平気でやっちゃう。監督がオッケーって言っちゃうんですよ」
そして、高橋惠子さんも。
「誰も今までやったことの無いことを、最初にやるって凄く勇気のいることだったと思うんですけど。そのショーケンと、裕次郎さんとのバランスがね、とっても良かったと思いますね」
そんなショーケンさんが斬新な「殉職」を遂げて話題をさらい、その後釜に無名の新人=松田優作を(上司らの猛反対をはね退けて)抜擢された、岡田プロデューサーの大英断。
だけど岡田さんが本当に神懸ってるのは、ショーケン、優作と続いた新人刑事枠の3人目に、今度はまったくタイプが違うこの人を選んだこと。
とんでもないプレッシャーの中でデビューされたテキサス役の勝野洋さんは、こんな呑気なコメントをされてますw
「あんなに走るとは思わなかったですけどね(笑)。僕はもう、陸上部に入ったんじゃないかと思うくらい走りましたから」
それじゃ事の重大さが伝わらないので、竜雷太さんが代弁して下さいました。
「ワケの分かんない長髪のムチャクチャな2人の後に、ホント絵に描いたような、新人のお巡りさんって言ったらこれだ!っていう人が来た。この鮮やかな変わり方がね、僕は楽しかったですね」
「コレで、やったねっていう、ある結果が見えたねっていう感じはありました。3人で『太陽にほえろ!』の基礎というか、建物っていうのが見えたなっていう」
なんだか抽象的ではあるけど、解るような気がします。それまではショーケンさんや優作さんのカラーで注目されてた番組が、まったく無色な勝野さんでも成立したことにより、はじめて『太陽にほえろ!』という器そのものが世間に認識された……ってことでしょうか。
さらに、最終回を演出された鈴木一平監督、大物脚本家の鎌田敏夫さん(声のみ)、メインカメラマンの安本英さんまで登場され、貴重な証言を残して下さいました。
そしてそして、これまで映像メディアの取材は断り続けて来られたこの御方が、満を持してのご登場!
作曲家の大野克夫さん! 日本で恐らく最も有名なインストゥルメンタル曲『太陽にほえろ!メインテーマ』をはじめ、全BGMの作・編曲を担当されたレジェンド中のレジェンド!
「なんか熱いものを感じましたね、あの頃。何をやっても熱く、観てる人の答えが返ってくるし」
あの『傷だらけの天使』や『名探偵コナン』、そして全盛期のジュリー=沢田研二さんの名曲&大ヒット曲も数々生み出された大野さんにとって、『太陽にほえろ!』の音楽創りはどういう位置づけだったのか?
「ライフワークとして、これは一生やり続ける音楽になったなという、自負はありましたね。これが私の音楽の中で一番だなという、そういう感覚がありました」
過去に紙媒体のインタビューでも「ライフワーク」って言い方はされてたけど、こうして表情込みでコメントを聞くと(決してリップサービスじゃなく)本心からそう思われてるのが伝わってきて、私は感動しました。
今回のドキュメンタリーは『石原裕次郎がテレビと出会った時』ですから、石原プロモーション初のテレビ番組『大都会/闘いの日々』についても時間が割かれ、そのドラマで俳優デビューされた神田正輝さんが裏側を語られました。
『太陽〜』の後期を支えたドック刑事についても語って頂きたかったけど、いくらなんでも90分じゃ収まんないから仕方ありません。
そしてラストは、番組終了後の’87年春に催された「太陽にほえろ!さよならパーティー」に、ハワイで療養中だった裕次郎さんが寄せられた音声メッセージのフルバージョン公開。部分的には聴いたことあるけどフルは初めてです。
「昨年の春でしたか、岡田・梅浦 両プロデューサーと、こうなったら丸々15年やろうねと、私の口から言ったことを思い出します。それがあんなことになってしまい、大勢の皆様方に多大なご迷惑をお掛けしてしまいました。今更ながら何とお詫びしてよいやら、心から大きな責任を感じております」
あんなことっていうのは、裕次郎さんが体調悪化により降板を決意され、番組も終了を余儀なくされた顛末を指します。
「思い起こせば、この『太陽にほえろ!』を私が初めて手掛けたのは、37歳の初夏でした。それから足掛け15年、色々なことがありました。この14年4ヶ月は、私にとって、第ニの青春だったのかも知れません。大勢の方々と知り合い、また大勢のスタッフとの出逢い、数限りない俳優さん方との出逢い。これは私にとって、大きな大きな宝ものであり、今後これからの私の人生にとって大きな糧となるでしょう。皆様に感謝いたします。ありがとうございました」
「私にとって、長かったようで短かったこの14年4ヶ月。舌の手術やら、生死をさまよったあの6年前の大手術。また、ついに降板やむなくに至った昨年の入院などを考えてみると、ご心配とご迷惑ばかりかけっぱなしの14年4ヶ月でした。体調をしっかり整えて、また出直します。その節はまた皆様方と、違う仕事場でお目にかかれることでしょう。皆様ほんとに長い間ありがとうございました。遠くハワイの空から、私も乾杯させて頂きます。太陽にほえろ!に、乾杯」
裕次郎さんが亡くなられたのは、その年の夏でした。
「こういうの聞くと、今になって後悔してね。やっぱり、最後までやることも、あったなぁという気がしますね」
竜雷太さんが仰ってるのは、かつて自ら強く希望し、満10年で番組を卒業したけれど、最後の最後までボスに寄り添う道も選べたし、そうすれば良かったと今は思う、ってことみたいです。
次は、竜さんと一緒に先の音声メッセージを聴かれた、梅浦プロデューサーのコメント。
「石原さんは最後まで、どの番組よりも『太陽にほえろ!』を優先してくれて、本当に石原さんご自身が命懸けて取り組んでくれたという風に実感しますね」
実際、様々な証言を聞くと、裕次郎さんはかなり無理をしてテレビの仕事を続けておられたのが分かります。片手間で顔出しされてただけ、みたいなイメージが世間にはあったと思うけど、全然そんなんじゃない。
そして、裕次郎さん以上に命懸けだったに違いない、岡田プロデューサーの一言。
「僕自身も『太陽〜』が第二の青春でしたね」
しつこいようだけど、現在のテレビ制作者さんたちに、そこまで言える作品は無いだろうと思います。そこまでやりたくても、やらせてもらえないのが今の現実。
それを思えば、本当に『太陽にほえろ!』に関わられた人は皆さん、幸せですよね。そして、50年経った今でもこうして感動を分けてもらえる我々ファンもまた、ホントに幸せです。
堂々とパクります。太陽にほえろに乾杯!
そう言えば、今月の21日で丸50周年なんですよね。『太陽にほえろ!』が放映をスタートしてから。そりゃ歳も食いますよ!
しかし生みの親である筈の日テレさんは、かつて黄金期を築き上げた自局の番組をすっかりお忘れのご様子で、な〜んの動きも無し。
なのに、なぜかまた、NHKさんがやってくれました! 2022/07/16 (土) 21:00~22:30、NHKBSプレミアムにて放映!
↓
『石原裕次郎がテレビと出会った時/太陽にほえろ!の時代』
石原裕次郎の没後35年、「太陽にほえろ!」の放送開始から50年となる今年7月。裕次郎がテレビの可能性を切り開いた時代と、金字塔とうたわれる刑事ドラマの舞台裏を描く。
1970年代、映画が斜陽の時代を迎えても裕次郎は大作を作り続けた。しかし無理がたたり36歳の時に病に倒れる。
そんな裕次郎に声をかけ続けたのがテレビのプロデューサーたち。当初は断っていたが13本だけという条件で「太陽にほえろ!」に出演する。
それがなぜ14年間も続き、刑事ドラマの金字塔とうたわれるようになったのか? 竜雷太、水谷豊などの出演者、スタッフの証言から、裕次郎がテレビと出会った時代を振り返る。
【出演】竜雷太,水谷豊,高橋惠子,勝野洋,小野寺昭,神田正輝,岡田晋吉,梅浦洋一,大野克夫。
ショーケンさんが亡くなられた3年前に『アナザーストーリーズ』で『太陽〜』を特集してくれたのも、やっぱりNHKさんでした。局内によっぽど好きな方がおられるとしか思えませんw
いや、仮にそういう方がいて、猛烈にプッシュされたとしても、他局の娯楽番組を特集するような企画、ふつうは通さないでしょう。
天下の国営放送局にこれだけリスペクトされてる『太陽にほえろ!』って、やっぱり凄い!
しかしメインスタッフやレギュラーキャストの方々のお話はもう、すでに出尽くした感があるんだけど、今回注目すべきは、この方のご登場!
記念すべき第1話のメインゲストにして犯人第1号、水谷豊さん! 私の知るかぎり、この方が『太陽〜』について語られるのは初めての筈。
通算4回出演されてるとは言え、ふつうは犯人役のゲストにまでインタビューしないですよねw なんてファンキーなんだNHKさん!
というワケで、寂しい想いをされてた『太陽』フリークの皆さんはもちろん、そうでない方も、このブログに関わってしまった以上、刑事ドラマのレジェンドにして金字塔が生まれた瞬間のドキュメンタリーを、是非!
2022年夏シーズン、フジテレビ系列の月曜夜9時「月9」枠でスタートした、公正取引委員会の活躍を描く新ドラマ。新川帆立さんのミステリー小説が原作です。
警視庁捜査一課の敏腕刑事だった白熊 楓(杏)が、捜査ミスにより公正取引委員会の審査局・第6審査=通称「ダイロク」に異動させられ、見習い審査官となって東大法学部卒のエリート=小勝負審査官(坂口健太郎)とバディを組むことに。
ダイロクのキャップ=風見に大倉孝二、主査=桃園に小池栄子、若手審査官の六角に加藤清史郎、そして審査長の本庄に寺島しのぶが扮するほか、小日向文世、黒羽麻璃央、大西礼芳、石川萌香etc…といったレギュラーキャスト陣。
公取委っていう題材は目新しいし、芸達者なキャスト陣による掛け合いも楽しいんだけど、肝心のストーリーや演出に新鮮味が感じられません。
例えばキムタクの『HERO』が刑事ドラマの検事版、マツジュンの『99.9』が弁護士版だったのと同じように、今回は公取委の仕事をまんま刑事ドラマのフォーマットで描いてる。
原作だと警察学校中退者だったヒロインを、わざわざ捜査一課の敏腕刑事に設定変更してまで刑事ドラマに寄せちゃってる。
刑事物マニアの私としては、久々に杏さんの刑事役(2010年の『ジョーカー』以来?)が観られて嬉しかったけど、大方の視聴者は逆に辟易してるんじゃないですか?
月9としては『HERO』に次ぐ新たな人気シリーズをそろそろ生み出したい、ってことだろうけど、二番煎じ三番煎じに食いつくほど視聴者は甘くない!
……って、言いたいところだけど……『相棒』とか『刑事7人』が延々ダラダラ続いてる状況を見るにつけ、斬新よりも安心をチョイスするのがテレビの視聴者なんだと、つくづく思わざるを得ません。
だからこそ、あえて従来のフォーマットに嵌める創り方をしてるんでしょう。年配視聴者を切り捨てるみたいなこと言いながら、相も変わらずガッチガチの保守。それじゃ若い人らも食いつかず、いよいよ誰も観なくなっちゃうのでは?(乳首)
というワケでセクシーショットは、公取委のデジタル解析チームに所属する、データ復元のスペシャリスト=紺野守里役でレギュラー出演の、石川萌香さん。
もとは谷口桃香の芸名で活躍されてたモデルさんで、現在は小池栄子さんの個人事務所に移籍され、女優業に邁進されてる模様です。