屯田物語

フォレスターとα6000が
旅の仲間
さあ、カメラを持って
出かけよう!

旧約聖書を知っていますか

2009年02月11日 | 


朝から間断なく雪が降っている。
そのなかをぼわっと見えるのが太陽だよ。

沖縄旅行中は「風の盆恋歌」を読むつもりであったが、
アイヤーヨッの掛け声につられて「旧約聖書を知っていますか」を開いてしまった。
旧約聖書はアブラハムの事蹟からたどるのが初心者向きといわれる。
なんせ人の名前が延々とつづくので、いい加減いやになるが、
アイヤーヨッの呪文を唱えれば・・
アブラハムの子がイサク、イサクの子がヤコブ、ヤコブの子がヨセフとつなげて憶えることは容易である。
このあとにモーセが登場し、ダビデとソロモンが威風堂々とやってくる。
憶えてしまえば旧約聖書が身近に感じてしまうから不思議である。
アイヤーヨ、モーセ、ダビデ、ソロモンと一気呵成に読むうちに那覇についてしまった。

イスラエルとパレスチナ、いつまでも続く憎しみの原点はどこにあるのか、
出来ることなら旧約聖書を読んでみたい。
わたしなりに彼らの紛争の源がわかるかもしれないと思うから。

そうか、もう君はいないのか

2009年01月14日 | 


百合が原で冬の木の芽をみてまわるが、
一面の雪原では木の芽といっても木蓮?とツツジかな、ほとんどが裸枝ばかりであった。
二十日からラン展が開かれるので、
そのときは華やかな花の姿を撮ってみたい。



そういうわけで、しばらくはふんわりした白い花を楽しんでくださいな・・

きのうのHBCドラマ特別企画
城山三郎原作
「そうか、もう君はいないのか」

彼が初めて容子さんに出逢ったのは名古屋の図書館前である。
なんと図書館は閉館になっていて、
「おかしいな」と佇んでいると、そこにオレンジ色がかった赤いワンピースの娘がやってきた。
「くすんだ図書館の建物と不似合いな華やかさで、間違って、天から妖精が落ちてきた」
と、思い出を語る城山・・
二人の50年の愛の軌跡がここから始まった。


とても素敵なドラマであったから、原作を読んでみようかと・・

わたしたちも結婚して43年目に入ったが、
出会いは中学二年のクラス替えのとき、あれから55年も経ってしまったね。


EOS40D で遊んでみた。

海辺のカフカ

2008年07月31日 | 


夕陽の三連荘・・何度みても気持ちが癒されます。

「海辺のカフカ」を読みおえたとき、
甲村記念図書館は実在しているような気がした。
父親の呪いから逃れて、
「世界で最もタフな15歳になる」ことを目指すボクは田村カフカ、
引き寄せられるように高知の甲村記念図書館に棲みつくことになる。

そこには、司書の大島さん(性同一性障害)がいて、
恋人を亡くして以来、自分の影の半分を失った佐伯さん(50歳になっても美しい女性)がいる。
 
そして、ナカタさん、
疎開先の事故で過去の記憶と読み書きの能力をなくし、やはり自分の影の半分を失ってしまった。
ナカタさんの過去と現実は甲村記念図書館でボクと交叉する。

夕陽に映えて、屯田の街並に赤みがかってきた。
あのブックオフで「海辺のカフカ」を購入して、
ふわふわした心地のなかでいつのまにか読んでしまった。
星野さんやさくらさんも、とても魅力的に描かれていたしね。

”メタファー”という言葉が何度も出てくる。
”隠喩、暗喩といって、言語表現における修辞技法”ということはわかったが、
頻繁に会話のなかに登場するので、それはちょっとシラケるね。(笑)


おひとりさまの老後

2007年12月22日 | 
上野千鶴子の「おひとりさまの老後」

結婚していようがいまいが、だれでも最後はひとり。
「これで安心して死ねる」
いよいよのときを選ぶことはできないが、
それまでの生きるだけは楽しくありたいものである。

女性のための”老いたる道”の指針であるが、
まあ、歳をとれば男でもさしてかわるまい。

露出補正をマイナスにしたせいか、
ちょっと暗いが、こんなふうに撮ってみたいときもあるんだし。




誘蛾灯のような東京タワー

2007年01月28日 | 
それはまるで、独楽の芯のようにきっちりと、ど真ん中に突き刺さっている。
東京の中心に、日本の中心に。
ボクらの憧れの中心に。
きれいに遠心力が伝わるよう、測った場所から伸びている。
・・・
「東京タワー」
”オカンとボクと、時々、オトン” から


リリー・フランキーの「東京タワー」を読んだこともあって、
ここにいってみようと思っていた。
でも、どうして「東京タワー」というタイトルにしたのかなあ・・
やはり、”オカンとボクと、時々、オトン”、
このサブタイトルに著者のすべての想いが込められているのだと思った。



浜松町から増上寺をぬけて東京タワーへ・・
いまは大江戸線があって、赤羽橋で下車すればかなり近道であった。

東京タワーを見上げながら歩いていると目が回ってくる。
いつしか、独楽の芯をグルグルまわりながら、
誘蛾灯にひきよせられる蛾の気分になっていた。


「東京タワー」 オカンとボクと・・

2007年01月11日 | 
リリー・フランキーの「東京タワー」を読みおえたばかり、
”オカンとボクと、時々、オトン”
このサブタイトルに作者のせつない気持ちが込められていたのだとわかる。
母子の濃密な関係は驚きであった。
しかし、母に寄せる想いが淡白なわたしでは素直な感情表現はとても苦手である。

来週、甥の結婚式で東京へゆくから、
岩佐又兵衛の絵を観たいと思っているが、
ネットで検索してもどこもやっていそうもない。
それで、品川のホテルから近いので、「東京タワー」でも昇ってくるかと思う。
そこから、ボクの気持ちになって東京の街を眺めてみたい。



百合が原公園・・


海がきこえる・・

2006年06月23日 | 


「海がきこえる」「海がきこえるⅡ」を衝動買いしてしまった。
なんせ、一冊105円(ブックオフ)だからね。(笑)
DVDを観ているので、原作にも興味があったし。。
作者は氷室冴子さん、北海道出身ということで親近感もある。

土佐を舞台にした青春小説・・・
友情と恋愛をクロスさせながら、若き日の風景とかイメージを生き生きと描いている。
美人で気が強い武藤里伽子は跳んでいるけど繊細でもある。
「青い山脈」の新子と同質の魅力を感じた。

「海がきこえる」を読んでいると、
四十五年以上も時はたつのに高校時代のセピアな記憶から
色がじわっとわきあがってくる。
どこかで、里伽子はだれ、新子はだれかなって考えていたりする。

もし、ひとりでさびしくなったら「海がきこえる」をみてごらん。
きっと、昔の友達に逢ってみたくなると思うよ。

夕焼けの手稲山

父への恋文 新田次郎の娘

2006年03月10日 | 
  街路を人々が叫びながら走っていた。
  人の流れが一方向に集中して滞留すると、人の群れは街路から溢れだし、
  並び建っている師団司令部と旅団司令部の庁舎の前にまで人垣を作った。
  「火事だっ」
  ・・・・・


三省堂の喫茶店のなか・・
藤原咲子著「父への恋文 新田次郎の娘に生まれて」を読み始めた。
冒頭の「八甲田山死の彷徨」はなぜ火事の場面から書き始めたのか。
ヒット作品の誕生秘話を愛娘の咲子さんが語ってくれる。
新田次郎は咲子さんの作文の師であり、彼女の机の前に
「読むことは築くこと。書くことは創ること」という紙を貼ったという。

昼下がりの静かな珈琲の香り、
娘から父への愛情に満ちた優しい語りかけはとても心地よい。
書店と直結しているから店内に新刊を持ち込んで読むのは差し支えない。
コーヒ二杯で読み終えてしまった。
でも、考えてみればその代金で本を買ったほうがよかったかも。(笑)

北国の春の訪れはコブシの花から、
枝先から綿毛につつまれた若芽がはじけるのはもう少し先である。
芽の雫から青い春が透けてみえる・・



(屯田防風林の近く)

美瑛川と畔に咲く野草たち 

2005年08月22日 | 
「氷点」の舞台となった旭川、そこには六条教会、三条食堂、丸井デパート、富貴堂など
旭川市民にはおなじみの場所が描かれている。
とくに六条教会は「塩狩峠」でも重要な舞台となっている。
ぜひここを訪れたくて、6条10丁目の町内を車で一周したけど見つけられなかった。
六条教会は「塩狩峠」のモデルになった長野政雄さんが講話したところでもある。
今度は歩いていくことにしよう。

神楽見本林の裏に流れる美瑛川、上流に釣人がいる。
この日はやや薄曇、
畔にミヤコグサとエゾノコンギクが咲いていた。



ミヤコグサ
西洋都草なのかな、ふわっとして食べたくなるような花である。



エゾノコンギク
蝦夷野紺菊、細くすらっとしている花びらが美しい。





「氷点」 ”ちろる”で夏枝は村井と会う

2005年08月21日 | 
”ちろる”の主人は詩人であった。
その詩人らしい雰囲気が店にもただよっていた。
少しこんではいたが、店の中はいかにも静かであった。
夏枝は大きな棕櫚のかげのテーブルについた。
夏枝は一人で喫茶店にはいることなど、ほとんどなかった。
だから何かしらない街にでもきたような、新鮮なかんじだった。
時々、夏枝は周囲の視線をかんじた。
その一人一人に、微笑を送りたいような大胆なものが、夏枝の心の中にあった。

三浦綾子著「氷点」から


ここ3条8丁目にある喫茶店”ちろる”は昭和14年に開業した。
レンガ壁の雰囲気は、いまも昭和29年当時(夏枝が訪れたとき)と変わっていない
ような気がする。

高校一年のとき、休みで帰旭した兄から彼女へデートの連絡を頼まれたことがある。
彼女は同じ高校の三年、休み時間にそのクラスに出向き、彼女を呼び出して兄の
ことづてを伝えた。
上級生がじろじろ見ているので、ちょっと緊張する。
兄と彼女の待ち合わせ場所はいつも”ちろる”であった。



棕櫚のかげではないけど、この席で夏枝は村井と会ったのではないか、と思う。