屯田物語

フォレスターとα6000が
旅の仲間
さあ、カメラを持って
出かけよう!

塩狩峠 峠路の線路守りし・・

2005年07月31日 | 
   政雄の碑 雪の降るまま 積もるまま
   殉難碑 知る人なしに 秋暮るる


三浦綾子著「塩狩峠」から・・
「たったいまこの速度なら、自分の体でこの車両をとめることができると、
信夫はとっさに判断した。
一瞬、ふじ子、菊、待子の顔が大きく目に浮かんだ。 それをふり払うように、
信夫は目をつむった。
と、その瞬間、信夫の手はハンドルブレーキから離れ、 その体は線路を
目がけて飛びおりていた。」


宗谷本線(旭川~稚内)、向って右は旭川方面です。
三浦綾子さんの手記によれば、ここ塩狩峠の風景は、塩狩峠の事故があった当時から
ずっと今まで、変わっていないそうです。



長野政雄さんの碑です。
駅舎で冒頭の句 「政雄の碑 雪の降るまま 積もるまま」 を目にしたとき、
胸が熱くなりました。




塩狩駅、
無人駅なのでしょうか。
駅舎のなかに、冒頭の二句のほか政雄さんを悼む十首の句が掲示されております。



ジャコウアオイ、
塩狩駅付近の線路脇に咲いてました。


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ぜるぶの丘 厚化粧のような・・

2005年07月30日 | 
    人は去る 厚化粧の丘あわれ

美瑛の丘陵地帯に広がる”ぜるぶの丘”は、ラベンダー、百合、ホピー、ひまわり
など華やかな色に染められていた。
駐車場はひっきりなしに車が出入りし、人は極彩色の丘を眺め、感嘆の声をあげる。


美瑛の丘の魅力はなんだろうと考える。
緩やかなうねりと柔らかな色彩、気持ちは癒され、目にやさしい風景がそこにある。
風にそよぐ麦畠や野草、子供のころ思い描いた絵のような丘、丘、丘、
そういう素直な懐かしい情景であろうと思う。
しかし、”ぜるぶの丘”はあまりに華美、
美しい素顔の女性をごてごてした厚化粧で塗ってしまった。
こういう花園を望むのなら、わざわざ美瑛までやってくる必要はない。

この百合のまわりを、さらに園芸種の極彩色の花が取り囲んでいた。
しかも、公園のなかに遊歩道はなく、観光用バギーが走っている。(もちろん有料)
向こうに見える緑の丘がとても美しい。



”ぜるぶの丘”の端、
ここはひまわりだけ、夕暮れの旭岳が眺められる。
やっと、ほっとした気持ち。


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白金不動の滝 湧き水の美味しさよ

2005年07月29日 | 
十勝岳の麓を源とする白金不動滝は、ここから不動滝川となる。
滝の周りには不動尊を祀っていて、落差15mの高さから階段状の岩にあたって
緑草を洗うように流れ落ちている。
近くの美郷不動尊は夏でも氷のように冷たく美味しい湧き水が湧いている。
湧き水を汲む人は管理費として「賽銭箱(名前は憶えていないが?)に志を寄付
してほしい」とあったが、寄付した人はいたのだろうか。
せめて、たくさん汲んでいく人(多分商売用か)は、それくらいの気を遣わないと
商売繁盛しないと思うけどね。



子供達だけでなく大人もザリガニ獲りに夢中になっていた。
しかし、大人は子供の領域を荒らさないようにしてほしい。



不動の滝に向う林道で、あちこちの木陰にイチヤクソウを見た。
ギンリュウソウも探したが見つけることはできなかった。



蝉の抜け殻があった。
空蝉、うつせみ、日本語の美しさを感じる言葉だね。
蝉は羽化してから三日後に死ぬという、三日は長いか短いか、
人間にとっては短いけど、蝉にとっては長過ぎるいのちなのかもしれない。

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十勝岳 砂防ダム

2005年07月28日 | 
十勝岳の噴火の歴史は生々しい。
過去、多数の死傷者をだした火砕流、泥流の防災対策として、砂防ダムが造られた。
十勝岳砂防ダムは、泥流発生から導流堤、尻無沢川第3号ダム、第2号ダム、第1号ダム、
十勝岳流路工と続き、河道を固定、流れをコントロールし、泥流を安全に流している。

あの巨大な不透過型ダムが泥流を食い止める。
万が一、このダムを乗り越えてきた泥流は流路工に流れ、街に被害をもたらすことはない。



十勝岳流路工は、温泉街の中心に位置するため平常時は公園として利用できるよう
散策路、せせらぎ水路などが設けられている。



一面に咲き乱れるタンポポモドキ、のどかな風景である、
白金温泉で温もってから、ビールを片手に散策すると気持ちいい・・
ここへ泥流が押し寄せることのないように祈りたい。。


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十勝岳 台風前夜

2005年07月27日 | 
明日は北海道に大型台風が上陸するかも知れない。
不安定な空模様のなか、白金温泉から望岳台にやってきた。
十勝岳の山頂は灰色の雲と噴煙が幾重にも重なってはっきりしないが、
度々の噴火のため、少し山容が変わっているようにも見える。
晴れていれば、右に上ホロカメットク、富良野岳、左に美瑛岳、美瑛富士、
オプタテシケの十勝連山を眺めることが出来る。
2千mクラスの山々をこれほど近くに感じられるところは少ない。

 気ままに野山 (亭主 ぶちょうほうさん)で 白馬岳花行脚 を掲載中、
3千mクラスの迫力ある白馬岳大雪渓をご覧下さい。


十勝岳 は活火山、
噴火に備えて白金温泉まで巨大な砂防ダムが設置されている。



少し雲間がきれて、かすかに山頂が見える、
見えてほしいと願う、期待。



画面の中央に避難小屋が見えるはず、
ここから岩礫をひたすら登っていくことになる。
最初の登山で、前十勝の尾根に立ったときの感動は何十年たっても忘れることはできない。



望岳台のあちこちに イワブクロ
深い鐘形が特徴だね。



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オオウバユリに一目惚れ

2005年07月26日 | 札幌の風景
屯田防風林の東端一帯は オオウバユリ の群生地である。
オオウバユリ(大姥百合)は山野の湿った林下に生え、高さ1~2mになる。
名前の由来は、花の咲く時期に歯(葉)がないことをかけたという。
関東以西に咲くウバユリは、全体に小さく、高さは1メートル位、花付きも
少ない、ということだ。

オオウバユリは単独で見ると、華やかなユリのイメージはなく地味である。
しかし、群生になると体が大きいので迫力もあるし、立ち姿の格好よさに
惚れ惚れする。

滝野の「鱒見の滝」にむかう沢でオオウバユリを何度もみた。
滝の流れの縁にオオウバユリがすくっと立っている、なんだか応援したく
なるよな不思議な気持ち。



花のなかに毛虫がいた。(画面には写ってませんが)
この暑さ、毛虫にとってオオウバユリは冷房付の格好のマンションである。

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五色温泉 イソツツジの群落

2005年07月25日 | 
ニセコアンヌプリの裏手か、イワオヌプリの麓にある五色温泉、
大湯沼にある雪秩父から倶知安方面に向かって、わずかだけ走ればよい。
ニセコにきたら、五色温泉、雪秩父と名湯巡りもわるくない。
以前は五色の混浴風呂は有名であったが、いまは残念ながら男女別、
酸ヶ湯温泉に比べれば、はるかにおおらかで健康的な雰囲気であったのに、
惜しまれる。
しかし、泉質は申し分ない、新しくなっても独特の風情は旅を楽しくさせる。

五色温泉すぐのお花畑、ここからイワオヌプリの登山道、
見渡す限りの イソツツジ の群落は華やかで、ただ言葉もない。







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大谷地を歩く コバイケソウとチセヌプリ

2005年07月24日 | 
大谷地は山間にできた小さな高層湿原、
コバイケソウ、エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメの花々が濃い緑の湿原をあざやかに彩る。

コバイケソウ のかげになっているチセヌプリに雲がかかるころ、
そろそろ夕暮れも近い。



ヒオウギアヤメの向こうはエゾカンゾウかな、
背高の草が生い茂る湿原にはいりこむと、遊歩道はまるで迷路のようなって、
いまどこを歩いているのか方向がよくわからない。



遊歩道のそばにアカモノを見つける、
なんとなくユーモラスな姿で、しばらくみつめていた。
薄暗くなるとヒグマが怖い、はやく戻ろうか。


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長沼の道へ ベニバナイチヤクソウ

2005年07月23日 | 
いつのまにか緩やかな風にのって霧はぬぐわれ、ニセコの山々は
ゆっくりとその姿をあらわした。
ワタスゲの真っ白い綿毛が風に揺れている。
時が止まったかのように、しばらくその場に立ち尽くす。



神仙沼から長沼へ、誰もいない道、
マイズルソウや野いちごがあちこちに咲いている。
まだ、食べごろのタケノコもあるようだ。



ソコナイ川が流れているらしい。
チセヌプリを間近に眺められるはずなのに、
霧のため、うっそうと茂った草木と静かな水面しか感じない。



霧のなかで、ベニバナイチヤクソウの群生をみて歓声をあげた。
鮮やかな紅色を長沼のほとりで見られるとは思わなかった。



足元には、コケと一緒に野イチゴが、
「食べられるのかな」と思いつつ、
長沼のほとり、ほとんど道なき道を、わずかな踏み跡を確認しながら歩く、
小さな冒険に胸が高鳴る。



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神仙沼を歩く 雪の結晶に似て

2005年07月22日 | 
チセヌプリから湧き出た霧は神仙沼を漂う、
静かな昼下がり



群落から取り残されたエゾカンゾウ
屈託ない姿は水辺に佇む



氷河期を生きぬいたミツガシワの花冠、
雪の結晶に似て



時は過ぎ時は極り、ツマトリソウの花びら一切崩れるという、
純白の潔さ


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