霜月会の翌日、
中島公園の道立文学館を訪ねる。
昨日の風でかなり落葉していたが、木々の枝や地面に濡れた紅葉や黄葉が折り重なって、
園内はしっとりした静かな雰囲気に充ちていた。
西勝君の講演演目は、
「斎藤瀏・史の旭川時代」
スライドを駆使しての説明がわかりやすく、あっと言う間の時間であった。
鉄道馬車が通った時代の旭橋の写真を見た、要するに橋が並行して二つあったということなのか、
これはわたしにとって驚きである。
講演の資料から歌を二つ・・
酒もちて来るべかりけり落葉しき膝かいだける牧水はさびし
斎藤瀏
野をわたる陽光(ひかげ)と風にまぎれつつかの少年も光りて駆けし
斎藤史
若山牧水と一日酒一升をセットで世話した斎藤瀏の太っ腹な人柄に惹かれた。
それを知って瀏の歌に接すると、どの歌も人間としてのやさしさに満ちているが感じるのである。
そして、美しき斎藤史の歌、「かの少年」とは、史の幼馴染、栗原中尉(二二六事件で刑死)ではないかと思った。
老いてなほ艶とよぶべきものありや 花は始めも終わりもよろし
斎藤史
幼馴染のy君(小学三年生で同じクラス)と会場で再会、
講演のあと、西勝君とy君とわたしたちは寿司・ラーメン談義ですっかり盛り上がってしまった。
y君は短歌雑誌「かぎろい」に歌を12首投稿している。
そうそう、講演前の昼食は「狼スープ」の味噌ラーメン、かなり美味しい!
店は中島公園ホテルライフォートの右小路にある。