百合が原公園
池のまわりの小路はまだびしゃびしゃで歩けそうもない。
しかし、公園を囲む広い道はすっかり乾いて、
長い冬から解放された子供たちの弾けそうな笑顔に早春の冷たい風が少し和んできた。
立原道造詩編「優しき歌」より「さびしき野辺に」
大げさでない素直なメロディが詩にマッチして、とても心地よい合唱曲になりました。
いま だれかが 私に
花の名を ささやいて行つた
私の耳に 風が それを告げた
追憶の日のやうに
いま だれかが しづかに
身をおこす 私のそばに
もつれ飛ぶ ちひさい蝶らに
手をさしのべるやうに
ああ しかし と
なぜ私は いふのだらう
そのひとは だれでもいい と
いま だれかが とほく
私の名を 呼んでゐる・・・・・ああ しかし
私は答へない おまへ だれでもないひとに