詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺 <雨の日> 2021年10月09日 | 琴しぐれ <雨の日> 傘さしに 狭い坂路を 降りしきる雨露は いっか筋なし ちょろちょろと軽げに 長靴を通り過ぐ くもる空は鈍く 雨の音はそぼそ 結葉の滴つ音 歩り交う白露 坂路の途中に枝なす桜 白布を染める薄紅の淡き 透き小花むれなし枝々 その糸雨にいよよ彩なす 芦別:「三段の滝」