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古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

限界越え集落を訪ねるつもりです

2009年10月17日 04時13分15秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 田舎を散歩しているとよく廃屋を見かけます。写真の廃屋は家のまわりの草を刈る人があるらしく、家をおおうほどの草むらになっていませんが、それでもいまが花盛りのセイタカアワダチソウが茂っています。
 母屋の藁屋根はトタン板でカバーされており、まだ腐食がすすんでいませんから五年や十年で倒壊することはないでしょう。でもいくら手を入れても再びだれかが住むことは無理なようです。
 もう十五年以上前になりますが鳥取県中部の山奥の集落を訪ねたことがあります。その頃は『限界集落』という言葉はまだあまり聞かれませんでしたが、『限界を越えた集落跡』といえばいいような有様でした。
 道だけは舗装された谷を車でのぼっていくと、真ん中が陥没して両側の壁だけになった元『藁屋根』の家が見えてきました。車を止めてその家の跡を見ていると胸がざわめきます。どんな人が住んだのだろう。いつごろ見捨てられたのだろう。
 谷沿いにのぼるとそんな家の跡が連なるように現われて、体験したことのない、どう表現すればいいかわからない、ある気持ちになります。『故郷の廃家』でも歌おうかというような情緒的な気分ではなく、なんというか、カラカラに乾いた、サラサラ音を立てて心が崩れていくような気分といえばいいか。
 NHKの『クローズアップ現代』で数年前にこの集落消滅のテーマを取り上げたときは「全国で8000のが限界集落でありそのうち5000は消滅してしまった」と伝えていました。
 近くふるさとで同窓会があり、そのときにまた限界越え集落に行ってみようと思っています。この先もう訪ねることもないでしょうし、見てもどうしようもないけど、むかしから人が住みつき、時代を経て見捨てられる集落にもう一度この身を置いてみたい。
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