アライグマの檻にはなにも掛かっていなかくて、奥に置いた饅頭に蟻がたかっていました。それで檻はそのまま放置していました。ところがきのう見てまわったらまた猫が掛かっています。前はメタボの大トラ猫が掛かりましたが、今度はスマートな三毛猫です。
畑仕事をしながら考えました。川沿いでサツマイモをつくっている村の人はアライグマの檻に黒い猫が掛かったとき、14日閉じ込めたまま反省させました。ぼくもせめて一晩くらい反省してもらおうか。
でも気になって気になって、結局夕方道子さんと村の人立ち合いで解放しました。そして残りの饅頭を使ってしまおうとまた檻を仕掛けました。これで掛からなかったら檻は一旦市役所に返します。
午前中は家のまわりで仕事をし、昼に軽トラで稲刈り状況の視察に出掛けました。バス停のあたりの黒大豆畑が夜盗虫に葉っぱをひどく食い荒らされています。二日前に見たときと畑の色がちがい、葉の筋だけが残って畑全体が灰色に見えます。車を止めて畑を見て驚きました。大げさにいえば夜盗虫の海です。黒大豆の葉っぱを食べ尽くした夜盗虫が、外に出て行こうとうじゃうじゃ這っています。畝間に溜まった水には夜盗虫土左衛門之丞(どざえもんのじょう)が折り重なっています。夜活動するはずの夜盗虫が昼間から堂々と行進しているのです。
この葉っぱはまだ食べるところが残っており写真にも三匹のハスモンヨトウが見えますが、網目の葉っぱではわかりにくいのでこれをアップします。足もとにも畦の通路にも夜盗虫がぞろぞろ這っており、立っているだけでゾクッ! とします。
となりの黒大豆畑も夜盗虫にひどく食い荒らされています。このは黒大豆つくりに熱心で、うちのより戸数は少ないのに黒大豆は倍近くつくっておられます。おじいさんが畑を見ておられたのできいてみました。「わしゃ70年生きとるけどこんなことははじめてだ」
そうか。今年はそんなに異常な夜盗虫の大発生なのか。
うちの畑近くに戻ってくると畑のそばの家の奥さんが道をうろうろしておられます。家の前の黒大豆畑から道に這い出て、屋敷に入ろうとする夜盗虫を踏み潰しておられるのです。「さっきから100匹は潰しました」
次は土手を這い上がってうちの畑に。元から住んでいる夜盗虫と合流して食い荒らしたら我が家の畑くらい朝飯前です。せめて目にふれる虫だけでもやっつけようと黒大豆の畝にとりついて100匹は潰しましたが、日が暮れたのでまた明日。
なんかなー、ため息が出ます。