Zさんに触発されたわけではありませんが、久々にガンダム談義でも。数年前にはよく書いていたんですけどね。先に書いておきますが、ネタバレありでかなり長いです。
今回はサンライズ非公式扱いではあるものの、旧作からのファンにもすんなりと入りやすいと思われます。
Gジェネからは省かれてますし、ガンプラにもなっていませんし、映像化なんて夢のまた夢ですけどね。
お話としては、
第二次ネオジオン抗争から6年、新米パイロットのタクナ・S・アンダーソンが地球低軌道艦隊唯一の空母ベクトラに着任する。このベクトラ、たった一隻で全宇宙艦隊と対抗しうる能力を備えてはいるものの、第二のティターンズになることを恐れた連邦上層部によって寧艦案が内定するなど、連邦の腐敗は着々と進行していた。タクナは初陣で降り立ったダブリン謎のMSと戦闘となり、辛くも撃退する。コロニーが落ちてきたときに連邦軍が何もしなかったダブリンで。そんな折、ネオジオン残党とヌーベルエゥーゴが手を組み、月の発電施設を急襲。最大の発電施設である「シッガルド」をも占拠。月に住む2億2千万の民を人質に取ったテロが勃発。アクシズ及びネオジオン艦船の引渡しを要求する。月軌道艦隊がネオジオン・ヌーベルエゥーゴ共同軍の艦、アウーラ一隻に壊滅させられる中、ルナ2艦隊やベクトラも月奪還へと向かう。
とまぁ、こんなところです。
ベクトラに搭載されてるMSは基本的にZ系列ばかり。
戦争において一分一秒でも急行し、目標に多大な一撃を与えるという目的のために編成されています。センチネルにも出てきたZプラス、ZプラスP型ことZプロンプト、8年ぶり(リ・ガズィ以来)に再設計されたZプルトニウスなどなど。このZプルトニウス、可変型であるのはもちろん、Iフィールドまで備えた至れり尽くせりなMSです。あと、νガンダム(量産型と思われ)とかZZ(後述)をはじめ、往年のMSも多数出てきます。
ちなみに、作中に旧作の主要人物もチラホラ顔を見せているのもファンとしてはうれしい限り。月には
紫豚ことニナ・パープルトンがいたり、ZZで復活したカミーユがファとともに病院で勤務してたりします。また、ラー・カイラムのブライト艦長は即座に対応しようとするものの、上層部からの命令で臨戦態勢のまま待機を命ぜられるという相変わらずの苦労人。ちなみに、ジュドーも最後の最後に出てきます。アムロは6年前に死んでるので出てきません。
そして一番重要なのがドズルの忘れ形見こと
メイファ・ギルボードことミネバ・ラオ・ザビ。ネオジオン・ヌーベルエゥーゴ共同軍のシンボルとして祭り上げられています。が、ヌーベルエゥーゴの首謀者
タウ・リン(名前からして強化人間)が反乱を起こしたため、誘拐されてしまいます。何とか逃げ果せたものの、側近たちも凶弾に倒れ、シャトルも大気圏突入体勢に入り、成すすべなし。そこへ、タクナの乗るZプロンプトが救出に現れ、ベクトラへと収容されます。しかし、ベクトラの甲板長(元ジオン)が命を賭してメイファをZプロンプトに乗せてタウ・リンの元へ送る。すべてはこの事件を終わらせるために。
何とかタウ・リンの元へ戻ったものの、メイファを待ち受けていたのは裏切りでして、味方であるはずのMSから集中砲火を受けます。そこへタクナの乗るZプルトニウスが到着。ベクトラも急行し、アウーラと対艦戦に突入。しかし、アウーラにはバリアが展開されており、苦戦します。しかし、このバリアが消える数秒の間にZ部隊が急襲をかけ、撃沈させます。タクナに救出されたメイファは自分がミネバであることを告げ、このテロを終わらせようとします。が、自分は責任を取って死ぬことを決意。そこへタクナが
「僕の父さんと母さんはネオジオンのテロで死んで、僕だけが一人残されたんだぞ!!」
と自分の過去を話し、説得を試みるも、メイファはジオンの名と共に滅ぶ決意は変わらず。そんな時、最大の協力者である
ハウエルから
「あなたはジオンの血など受け継いでなどいません。本当はミネバ・ラオ・ザビのクローンの一人なのです。」
と告げられる。これで吹っ切れたメイファはタクナと共に戻ることを選びます。
しかし、そこへ後がなくなったタウ・リンがかのジオングの再設計機、グラン・ジオングを機動させ、Zプルトニウスと最後の戦いに入ります。アンチフィールドシステムを備えたグラン・ジオングに苦戦するものの、メイファに操縦を代わったタクナがコクピットハッチをこじ開け、タウ・リンを射殺。ビームで貫かれたり爆発したりという決着方法でないのはある意味斬新。タウ・リンを倒したタクナとメイファでしたが、2人の前に残党の無人MSが現れます。しかし、そこへベクトラのZ部隊が救援に駆けつけ、「重装改」ことZZのハイメガキャノンで一掃(ZZの正しい使い方)。無事に救出されます。
タウ・リンの最後を見届けたハウエルは沈みゆくレウルーラの艦橋で
「命をかけてまがい物に忠誠を尽くすバカなどおるものか」
と呟きながら宇宙に散っていきます。結局最後まで書いてしまいましたね。非公式ながらも、宇宙世紀0100年の「ジオン」という名の終末を描いてる稀有な作品です。これ以降、ジオンはオールズモビルになり、さらに歴史になっていきますね。
また、この作品は戦闘シーンばかりではなく、地球連邦の代表大統領であるレイニーゴールドマンにもスポットが当てられており、一年戦争の折にオーストラリアでコロニー落としに会ったとか、テロが起きた際にいち早く対応しようとしたところ、G7によって制止させられるとか、いろいろと苦労人です。
とまぁ、つらつらと書いてきましたが、どちらかといえば旧作からのファン向けですかね。連載されてたのは93年~94年の間ですから、今ほどバカスカガンダムが展開されてない時期です。しかし、サンライズさんよ、ヘイズルとかユニコーンとかが公式でなんでこれが非公式かな~? また、本編の他に若き日のタウ・リンが出てくる一年戦争のお話や、Gガンダムの外伝なんかもあります。特に、Gガンの外伝なんて滅多に出回ってるものではないので貴重だと思いますよ。よろしければご一読ください。