自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

久しぶり,モズの早贄

2025-01-18 | 生物

モズの早贄(はやにえ)を取り上げるのはほんとうに久しぶりです。

モズが木の枝やら金網などに,獲物を引っかける習性があることはよく知られています。その獲物を指して早贄と呼んでいることも周知のとおりです。なぜそうするのか,再びそれを食するのか,くわしいことはモズ自身に尋ねて回答を待つほかありません。いろんな説は,それぞれに人が推測する以上のなにものでもありません。ということは,真実に限りなく近づけるでしょうが,到達点に達するのは不可能だということです。

その早贄らしきものを,わが家の前栽で見かけました。鉢から成長しているマンサクの枝に,なんとミミズが引っかけてあるのです。高さは70cmほど。ミミズの長さは7cm。びっくり,びっくり。ただ,この話題についてひとこと。それはわたしが勝手に早贄と決めてかかっているかもしれない点です。なお,過去にもわが家で早贄を見つけたことがあります。

 

今回は,地中の生きものであるミミズがモズに捕獲され,それが干からびるまで放置されています。モズにすれば,たぶん,いつか食べたいと思って引っかけておいたのでしょうが,今となっては来そうにありません。枝との区別がいたってわかりにくくなっています。わたしにしても,よく目に入ったものだと感心しています。

 

今回の発見はわたしには意味があります。わが家の周りにモズがすみ付いている点と関連づけて,平均的な高さと思われる個所に獲物が引っかけられているという点で。

 

このミミズ,さてどうなるかな。もしなくなったとしたら,モズが食べたか,あるいはヒヨドリのような鳥が食べたか,でしょう。

 


アゲハの卵を襲うアカダニ

2024-06-29 | 生物

ミニ果樹園にて。

レモンが実をたくさん付けています。新芽がどんどん成長する中,ほんの数カ所若い芽が伸びています。そこに,アゲハが飛来して産卵。新しく柔らかい葉を,ちゃんと心得ているのです。その卵の一つに,アカダニが! この場面を見たのは初めてです。

 

吻を突き刺しています。

 

至近距離から深度の深い写真を撮ろうと思い,撮ったのが下写真です。

 

位置を変えて吸汁。その執着心はさすがです。

 

新しい世界を垣間見るのはまことに心躍るものです。

 


'24夏 虫の目レンズは友 ~ハッチョウトンボとモウセンゴケ~

2024-06-20 | 生物

“わんだぁの森”には湿地が広がっています。結構広くて野性味が残り,人影がほとんどないので,わたしには重宝な撮影地になっています。

湿地にはとにかくモウセンゴケがどっさり分布しています。土地がやせていて,ほとんどの草が生えていけない環境なのです。モウセンゴケなら昆虫類を栄養源にしてなんとかくらしていけます。ハッチョウトンボも捕獲対象になります。

 

下写真を撮った際,トンボの翅先はレンズに触れたままでした。

 

モウセンゴケに花にとまったハッチョウトンボです。

 

油断していると,葉にからめとられます。

 

ちょっとした油断です。自然界で生きるものすべてに待ち受ける試練です。逃れることができない悲劇の一場面です。

 

ハッチョウトンボについてはまだまだ印象的な場面を記録しています。いずれ時期が過ぎたころになるでしょうが,ご紹介します。

 


クモに寄生したタカラダニの幼虫

2024-05-21 | 生物

ニセアカシアの葉の間に,ごくごく小さな赤いものが見えました。妙なかたちに見えます。なんだろうと思って目を凝らすとクモ。こんな赤くて小さなクモがあったかなと思い,よくよく見てみると,クモのからだにタカラダニがくっ付いていました。

 

クモと赤いものが別個体であることがわかります。

 

さらによく見ようと葉を裏返しにしました。タカラダニの幼虫が寄生しているのが一目瞭然。

 

タカラダニの幼虫の体長は0.3mmだそうです。小さなクモにさらに小さな天敵あり,ですね。

 


ナメクジ,卵から孵化まで(5)

2024-05-11 | 生物

4月19日(金)。卵の数がかなりあるので,生まれ始めたらどんどん続くといった感じです。下写真は出始めた瞬間を撮ったものです。

 

一つの卵を撮っていたら,向こう側からの孵化が始まっていました。

 

こういうときの撮影はたいへんです。

 

多くの卵では孵化が終わっています。そんな間からぽっかりと頭が出始めました。

 

ここからも。

 

誕生が始まると,どんどんいのちが生まれ出ます。これがナメクジの生態の一側面です。 

 


ナメクジ,卵から孵化まで(4)

2024-05-10 | 生物

4月17日(水)。いつ誕生してもおかしくない,そんな感じです。オタマジャクシが入っているみたいに見えます。

 

4月18日(木)。待ちに待っていた瞬間が来ました。誕生です。それも二匹同時です。

 

しばらくすると,すぐ横にある卵も孵化。

 

奥の方からの出てきます。「よいしょ」。そんな声が聞こえてきそう。幼体が出終わった殻はジワリと凹んでいます。この皮は厚みがありそうです。それが中のいのちを守っていたのです。とりわけ乾燥から。

 

後はどんどん誕生が続きました。次回,いくつかご紹介します。

 


ナメクジ,卵から孵化まで(3)

2024-05-09 | 生物

4月14日(日)。はじめに採取した卵に変化がくっきり。

 

共通して黒っぽい部分が現れています。頭部辺りでしょう。

 

4月15日(月)。これはもう,はっきりとからだが整ってきています。誕生間近です。

 

4月16日(火)。下の写真二枚は数分間隔をおいて撮りました。中の幼体が動いているのがわかります。

 

見ていても,ヒトの赤ちゃんが羊水の中で動くのと同じに感じられます。生まれたときに備えてウォーミングアップをしているのでしょう。

 

誕生が迫っています。

 


ナメクジ,卵から孵化まで(1)

2024-04-11 | 生物

3月30日(土)。畑にて。

除草作業をしていたら掘り残しのジャガイモがひょっくり。そこには親イモが腐って皮が。見たら,その中にナメクジの卵が! 昨年の観察を思い出しました。

 

ひっくり返すと,思ったとおり卵塊があったのです。春の観察にはもってこいです。

 

4月2日(火)。

シャーレに土を置き,その上に卵塊を載せておきました。卵は楕円形,サイズは長径4.0mm,短径2.5mm。

 

乾燥しないように注意しておけば孵化を見届けることができるでしょう。

 

観察経過はもちろん記事アップします。

 


紅葉と黄葉の古刹(4)~クモの糸とモミジ葉~

2023-12-14 | 生物

紅葉したモミジ葉が落ちる頃,雨が降りました。しっとりとした風景が見たくなって,翌朝,近くの古刹に出かけました。朝靄が辺りを覆っていました。この風景を狙って,すでにカメラ愛好家が撮影中でした。

当たり前の風景を画像に収めてもおもしろくありません。それでいくつか視点を決めて撮影開始。本記事はクモの糸に絡みついたモミジ葉を取り上げます。

赤い葉がぶら下がっています。わずかな風に,ゆーらゆーらと揺れています。

 

別の葉です。

 

葉が揺れるので,意外と苦労しました。

 

同じ葉を反対側から見ました。背景は古刹の本堂です。なんだか幻想的。

 

ゆっくり撮影できました。感謝。