モズの早贄(はやにえ)を取り上げるのはほんとうに久しぶりです。
モズが木の枝やら金網などに,獲物を引っかける習性があることはよく知られています。その獲物を指して早贄と呼んでいることも周知のとおりです。なぜそうするのか,再びそれを食するのか,くわしいことはモズ自身に尋ねて回答を待つほかありません。いろんな説は,それぞれに人が推測する以上のなにものでもありません。ということは,真実に限りなく近づけるでしょうが,到達点に達するのは不可能だということです。
その早贄らしきものを,わが家の前栽で見かけました。鉢から成長しているマンサクの枝に,なんとミミズが引っかけてあるのです。高さは70cmほど。ミミズの長さは7cm。びっくり,びっくり。ただ,この話題についてひとこと。それはわたしが勝手に早贄と決めてかかっているかもしれない点です。なお,過去にもわが家で早贄を見つけたことがあります。
今回は,地中の生きものであるミミズがモズに捕獲され,それが干からびるまで放置されています。モズにすれば,たぶん,いつか食べたいと思って引っかけておいたのでしょうが,今となっては来そうにありません。枝との区別がいたってわかりにくくなっています。わたしにしても,よく目に入ったものだと感心しています。
今回の発見はわたしには意味があります。わが家の周りにモズがすみ付いている点と関連づけて,平均的な高さと思われる個所に獲物が引っかけられているという点で。
このミミズ,さてどうなるかな。もしなくなったとしたら,モズが食べたか,あるいはヒヨドリのような鳥が食べたか,でしょう。