前回に続いてキアゲハを取り上げます。今回は両眼を写し込んだ頭部写真です。
翅の赤色部分が見えると,いかにもキアゲハだという感じがします。
同じ角度からアップで撮りました。
以下は縦方向で撮った写真です。毛の密度が目を引き付けます。
真正面から撮りました。チョウはときどき動くので,すばやく撮らなくてはなりません,
枠ぎりぎりに収めました。
春の初め,なかなかすてきな画像が得られました。
前回に続いてキアゲハを取り上げます。今回は両眼を写し込んだ頭部写真です。
翅の赤色部分が見えると,いかにもキアゲハだという感じがします。
同じ角度からアップで撮りました。
以下は縦方向で撮った写真です。毛の密度が目を引き付けます。
真正面から撮りました。チョウはときどき動くので,すばやく撮らなくてはなりません,
枠ぎりぎりに収めました。
春の初め,なかなかすてきな画像が得られました。
4月3日(土),飼育ケースを見るとキアゲハが二頭羽化していました。倉庫外の棚に置いていたので,野外と同じ環境です。もうキアゲハが現れる時期ということになります。
さて,そこで頭と顔写真を記録することにしました。黒い紙に載せ動きが止まるまで待ちます。
白っぽさと黒っぽさが複雑に入り混じているので,白トビが際立たないように注意を払います。
毛が密に生えています。チョウやガのなかまはとにかくすごい!
真横から撮りました。
真正面からも。複眼は毛の間からぽつんと突き出している感じがします。
よく見えるようで,指を近くに持っていこうとすると大きな反応があります。
撮影後,外で放つと元気よく舞い上がりました。
黒くなったキアゲハの卵の奥に,キイロタマゴバチの腹部が見えます。間もなく出て来るでしょう。
そこへ翅の拡がった成虫が一匹現れました。この卵から生まれ出た個体ではないでしょうか。すぐにどこかに行っていってしまいました。
キイロタマゴバチが外に出たがっているようです。
触覚を出しました。
これはいいチャンス,と思ったのは束の間。さらに頭を出そうとしたものの,また戻ってしまったのです。そして卵内をうろうろしているだけでした。
結局,生まれ出る瞬間は撮影できませんでした。たぶん,たった一匹単独で出て来たことでしょう。外でなかまが見守るとき,たくさんのなかまが待ち構えているとき,まったくなかまがいないとき,いろいろあります。
卵殻からでたばかりのキイロタマゴバチの成虫は盛んに歩き回ります。翅が縮んでいるので,脚を使うほかないのです。かなり長い間,卵殻に空いた穴の周辺にいたり,卵殻から離れて歩き回ったりします。離れた場合,きっちりまた戻って来ます。穴の周りにいるのは,殻の中にいるきょうだいたちを待っているからなのです。穴の奥に,そのきょうだいの影が見えます。
うろうろしながら中を気にしています。と,そのうちに翅が突然拡がりかけました。拡がりかけても歩きます。
ほんのしばらく,じっとして,翅をパタパタとさせます。拡がって来た事実を感知する感覚器官がはたらいたのでしょう。翅をしっかりと拡げたくて,精一杯の努力をしているみたいです。神経系のはたらきをくっきりと感じます。
翅を開いたまま移動。かたちが整うまで開いているかのようです。
翅のかたちが整うと,翅を重ねて移動しました。
そうしてまた穴のところに戻ってきたのです。
これで飛翔能力を獲得しました。観察は具体的世界について情報を提供してくれます。情報は真実に迫る拠りどころです。
10月16日(金)。キイロタマゴバチの雌雄の判別については,わたしにはさっぱりわかりません。そんななか,交尾かもしれない行動を目撃しました。ふしぎなことに,まだ翅が縮んでいて飛べない状態なのにその行動を繰り返したのです。
卵にいるのは殻から出てきて間もないキイロタマゴバチ。右の個体は体形が小型で,黒っぽく小さめの眼をしています。どちらがオスで,どちらがメスなのでしょうか。この姿は,続いて出てくるはずのきょうだいを気にしているところです。
すると突然,大きい方が小さな方を追いかけようとしました。
そうして交尾のような態勢に入ったのです。
これは交尾ではないでしょうか。すると,大きい方がオスということになりそうですが,果たして……。
きょうだいが新たに一匹出終わったあと,また同じ行動が始まりました。下写真は触覚で持ち上げているみたいです。
そうしてまた交尾(らしき)行動に。
翅がまだ拡がっていないときに,この行動をとるのにはびっくり。種族維持のために生まれて来たとはいえ,こんなにも繁殖行動が旺盛だなんて。きょうだいの関係でもこの行動が成り立つのですから,ヒトのふつうの感覚からは理解を超えています。それが生きものの世界の有りようなのでしょう。
10月14日(木)。ほとんどの卵が黒変して,中がよく見えません。これは単なる変化なのか,あるいは未受精卵の結末なのか,よくわかりません。ただ過去に,真っ黒の卵で小さな穴が開いて寄生バチが出て行ったと思われる事例に何度か出会っているので,まだ期待は持てます。
そんななか,やっぱり穴が開いた卵が一つ見つかりました。これで,まだ他の卵に寄生バチが入っている可能性が出て来ました。
10月15日(金)。朝見ると,偶然一つの卵で寄生バチがいました。なんとそれはキイロタマゴバチでした。卵の色はもちろん黒です。穴も開いています。まだ中にハチがいるようなのです。この瞬間を待っていました! コンデジを三脚にセットして撮影開始。なお,画像解像度はさっぱりです。
外のハチは複数。卵殻の上にいるもの。下を歩き回っているもの。穴からちらっと覗いて見えるもの。数はかなりのもののようです。当初の卵の姿が重なって思い浮かびます。
ハチは動きながらも,穴を覗き込んだり穴の周りを歩き回ったり。それはきょうだいたちの脱出を手助けするしぐさのように見えます。まるで社会性生活を営んでいるみたいなのです。
あるときは脱出を手伝いました。抱きかかえるようにして外に出してやります。
そうしてそのまま移動。
同じ動作が卵殻から出る度に繰り返されました。
それらのシーンはすべてふしぎだらけでした。
10月12日(火)。採取したキアゲハの卵はおよそ20個。そのうち,正常に孵化したか,あるいは孵化に向かっているか,いずれかなのはほんの2割ほどです。それだけ生き延びるうえで自然は容赦がないということです。
はじめから観察を続けている4個の様子です。
その1。なにかが詰まっていて,何事かが進行している感じがしますが……。
その2。様子はそれぞれにちがっています。
その3。なにかがごちゃごちゃして詰まっているように見えます。
その4。内部の様子が比較的わかりやすいのですが,寄生バチが育っているのか,まったくわかりません。
他の卵を見ると,これまた様子がちがっていて,先の予測がつきません。
10月8日(金)。卵を見ると、色が濃くなってきました。それにそれぞれが混とんとした様相を呈しています。それぞれというほどに、一つひとつの様子が異なっています。異なっていながら、異変が生じているようなのです。
窪んだ部分がありますが,問題なし,といったところ。
10月9日(土)。いずれも黒っぽくなってきました。いかにも中にはいのちがあるような感じがしてきます。
まず,すぐ上の写真の卵は……。
他の卵は……。
かたちが見えます。
いのちがいくつか詰まっているように見えます。
10月7日(木)。今日キアゲハの卵をいくつか発見。孵化するまでを追うことにします。
10月9日(土)。はちまき状に帯斑紋が見えてきました。これは正常な変化です。この卵については産付日は定かではありません。
10月10日(日)。深夜。ほとんど変化はありません。順調のようです。
10月11日(月)。早朝。たった6時間経っただけで,大変化。もうかたちがしっかりできていて,今日中には孵化しそう。
動きはありません。
空間の気泡が見えます。これがどんどん広がって孵化準備が整います。
昼見ると,孵化済み! ちょっと気を抜いていました。
10月7日(木)。昼間,隣家の畑の片隅にあるミツバ群落でキアゲハを見ました。どうやら産卵していたよう。過日我が家のパセリで発見した幼虫はすべて蛹になり,ほとんどが羽化しました。今日産卵したはずの卵はたぶん,今年最後に産み付けられたもので,育った幼虫は蛹になってそのまま越冬するでしょう。
卵を探すと,うれしいことにあちこちにありました。パッ,パッと目に付くほどに。それらが孵化するところを撮影したくて葉を採取。
これは産付後日が浅いものです。
卵を撮影しているうちに,一つの卵の内部に寄生バチの兆候を発見。こんな光景を見たのは,今回が初めてです。実際には何匹育っているのでしょう。現段階での貴重な写真となります。
さらに,一枚の葉に三個の卵が産み付けられた例で,どうやらいずれの卵も寄生バチに襲われたらしいものが見つかりました。
それらを接写したものが以下の画像です。
寄生バチの被害を受けた卵はまだあります。これらの卵の変化を追うシリーズを始めます。