1月27日(月)。花があちこちでほころびかけました。
そっちで。
あっちで。花弁はゼンマイ式。ふわっと緩んで伸びます。離弁花は,こうして花を大きく見せて虫にアピール。
1月29日(水)。ハナバエのなかまを発見。訪花昆虫第一号! 花の中から出て来て,花弁の先に移動。
さあ,花と昆虫のつながりを記録する日がやって来ました。
1月27日(月)。花があちこちでほころびかけました。
そっちで。
あっちで。花弁はゼンマイ式。ふわっと緩んで伸びます。離弁花は,こうして花を大きく見せて虫にアピール。
1月29日(水)。ハナバエのなかまを発見。訪花昆虫第一号! 花の中から出て来て,花弁の先に移動。
さあ,花と昆虫のつながりを記録する日がやって来ました。
公園にて。
早咲きのマンサクが満開です。この木には実がどっさりできるのですが,ときどき花を観察する限りでは訪花昆虫はほとんど目に付きません。ふしぎなほどです。なのに結実率100%ぐらいなのです。
右にある背の高い木はワシントンヤシです。
匂いは鼻を近づけないとわかりません。
木は数本あります。それぞれがかなり成長していますが,根元から幹が林立しているので,思うほど背は高くなっていません。
いずれ昆虫が来ているのを目撃できるでしょう。
1月13日(月)。マンサクの花が咲く頃を迎えました。蕾を見ていると,こころもち萼片が開きかけたかなといった感じ。
ユスリカのなかまが何匹か来ていました。毎年,この花をたのしみにしている昆虫の一つです。
1月16日(木)。花弁が開いた花を見つけました。鼻を近づけて匂ったのですが,これでは匂いはちっとも感じられません。
これからどんな昆虫がやって来るか,たのしみにしています。
以下は,ついで話です。先日,地元写真家である大家の先生と話しているとき,問われたのが次のことでした。
「冬に昆虫が出てくるものなのですか」「どうやって見つけるのですか」
昆虫と花との関係をわたしはこう話しました。
「冬に咲く花があります。たとえばサザンカ,ロウバイです。花弁に色が付いていたり,匂いを放ったりしています。花のこころを推察したら,色や匂いはある種の昆虫に呼び掛ける作戦と考えてよいのではないでしょうか。すると,冬に咲く花に注目,といったところでしょうか」
大家の先生いわく,「ははーん,自然にはしくみがちゃんとあるんですな。みごとですな。それを考えて昆虫を追うって,おもしろいでしょう。だれにだって簡単にできる話じゃありませんからね」。
体長1cmにも達しない虫を,このレンズでとらえました。たびたび目撃したものの,まだその画像をアップしていません。後日するつもりでいます。同定もしないままなのが気になっています。
レンズを近づけすぎたために,この虫はレンズに乗り移ってきました。まるで警戒心なしです。
このユスリカは羽化したばかり,あるいは脱皮したばかりのような色合いをしています。とてもみずみずしい色合いなのです。初めて見ました。
直後にパッと飛んで枝に移動。
別個体です。触覚からオスとわかります。動きを見ていると花に関心があることはまちがいありません。
歩いて移動。後を追います。
正面から撮る瞬間がありました。もっとアップで撮れたらよかったのですが。
からだの下側から撮るチャンスがありました。
小さいだけに動きが速く撮るのがたいへんでした。初めての出会いなので何としてでもしっかり記録しておこうと思って焦ってしまいました。
本シリーズ(6)に続き,ブユのなかまを取り上げます。
今冬はこのブユに何度も出会いました。かつてないことです。繰り返し取り上げる価値があると思った次第です。
蕊・花弁の付け根に頭を突っ込んでいます。レンズを近づけても夢中で摂食しているので,こちらに気づいていません。
別の日も同じような行動を見かけました。
これも別の日。複眼が葯に触れています。口元は目的の好物を削り取るようにして舐めていると見られます。
それにしても,マンサクの花を巡る物語はゆたかです。
なんとも小さな昆虫を発見。口器を見るとユスリカのようでもあり,翅を見るとハエのなかまのようでもあります。小さいと書きましたが,花弁の幅が1mm程度なので,体長はせいぜい1mmです。それにしても,「よくもまあ見えたことか」と我ながらびっくり。
この虫にも平均棍が見えます。行動を観察している限り花の奥に関心があるみたいです。
蕊の根元に頭を入れました。
しばらくして出てきました。
ほんとうに小さな小さな昆虫です。この昆虫からすればマンサクの花はとてつもなく大きな花なのです。初めて見たので強く印象に残りました。
ケブカカスミカメムシの続編です。
またこれを見かけました。吻先を花の中に伸ばしていました。
頭を起こすと,吻が真っ直ぐに伸びていました。花の奥のなにかに突き刺して吸汁していたのです。
花からなかなか離れようとはしません。
頭部には花粉がかなり付着していますy。
やがて花のそばにある枯れ葉に移動。脚にも花粉がかなり付いています。
次々に昆虫に出会えます。冬だって気さえ抜かなければ発見が続きます。
小さなハエが二匹。からだには花粉が付いています。たぶんマンサクのそれでしょう。
向きを変えてさかんにからだを清潔にしようとしています。
じっとしているようでいて,けっしてじっとはしていません。
マンサクの花には小さないのちはいくらでもいます。ふしぎなほどに。やはり,“小さな花には小さな昆虫”がお似合いです。
花を見ているうちに,一つの花の花弁にごく小さな幼虫がいることを発見。体形から見て,「ははーん,これはシャクガのなかまにちがいない」と直感。幼虫の尾端が花弁をつかんでいるのです。
がっちりとつかんでいます。
そのときは頭部は見えませんでした。ところがしばらくして幼虫が動き出しました。見る方向を変えると,頭部が見えかけました。この姿勢はまさに尺を撮っている格好です。
食痕は見当たらなかったのですが,マンサクの木のどこかで育ってきたことはまちがいなさそう。
たぶん花弁を食べているのでしょう。過去の観察でもよく似た事例を見かけました。しかし,小さ過ぎて見逃してしまいそう。冬の花を観察するときは観察眼をかなり研ぎ澄ませておかなくてはならないようです。