自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

空中ジャガイモ,ここでも!

2015-11-30 | ジャガイモ

夏,実験検証するために育苗箱に播種したジャガイモがかなり大きくなりました。これの観察経過については,いずれ報告したいと思っています。

11月25日(水)現在の様子が下写真です。よく見ると,地上にイモがたくさんあるのがわかります。これは昨年度の結果と似通っています。ただ,昨年度はポット植えを継続観察していたので,育苗箱程の「これでもか」「これでもか」といった,わんさか状態ではありませんでした。ところが,今秋はスゴイ様相です。

結局,密植・過密状態で光を十分浴びることができないために,地上部にこれだけ塊茎ができたのでしょう。地表から離れた空間,つまり空中にもできているのです。これらは,すべて地上部の節に形成されています。 


ストロン(匐枝)がすこし伸びて,その先端に養分が蓄えられていきます。養分が蓄えられると塊茎ができ,目から葉が出芽します。色は光をわずかに浴びているために地上茎と同じです。イモはやはり茎なのです。


空中イモの例です。イモ先の頂芽が「オレがストロンの先だぞ!」と主張しているような感じで,しっかり出ています。 


ここにも空中イモがあります。ストロンはほとんど伸びずに,節直近でイモが形成されています。これだと,余分なエネルギーを費やす必要はありません。やはり頂芽が出ています。緑色を帯びているのが,いかにも「茎先だあ!」といっている雰囲気です。 

 
葉や茎の成長に見合ってイモを太らせようとすれば,イモの数を増やすか,このようにイモを大きくするか,いずれかの方法しかありません。


イモの数を増やす場合は,複数の節の腋芽が使われることもあります。ストロンはまったくつくられずに,合理的に養分が貯められています。これが空中ジャガイモです。 

 
こういう風景を観察できるのは,“自然となかよしおじさん”の冥利に尽きます。ありがたい,ありがたい。 

 


空中ジャガイモ!

2015-11-29 | ジャガイモ

畑のジャガイモを見ていて,おもしろい風景は目にとまりました。地上の節々にジャガイモの塊茎ができているのです。このジャガイモの品種はアンデスレッドなので,当然塊茎は赤色をしています。

春から夏にかけて栽培していた際も,数株,そうした地上イモ・空中イモができたのですが,今回はできる確率としてはそれよりも多めです。季節によってちがいが生じるのかもしれません。

いちばんすごかったのは,地上にも空中にもぼこぼこっとイモができている例です。できかたを見ると,明らかに茎の数の多さに関係あるように思われます。それと,根元あたりが日陰になって地中の環境に近かったのでしょう。


その他にも,節ごとに腋芽が膨らんで空中イモになっている例が見られました。


それらを並べてみると……。


ジャガイモはまったくユニークな植物です。栽培も観察も知的好奇心の的になります。


 


探検活動 ~シイの実拾い~

2015-11-28 | 随想

こんなに単純で,素朴な作業が,子どもたちのこころを引き付けるのですから,自然のほんとうの魅力は奥深いものです。ここで使った“こんなに” は,シイの実拾いを指します。

これまでの活動で,すこしばかり,わたしが拾ってきたシイを生で,あるいは炒って試食しました。これが背景にあって,シイの実拾いをたのしみにする子らのこころは増幅していったはず。

実施日は今日11月28日(土)。参加者はおとな4人,子ども15人。自動車に乗って採集地に移動。

そこは由緒ある寺院。山門をくぐると,もう足元には実が! 子ども隊員たちは歓声を上げて拾い始めました。そして,お母さんたちも。

長い石段を上がりながら,ていねいに拾っていきました。小さな粒ですから,集めてもそうたくさんにはなりません。それでも,「あったー!」「かたまってある!」「ここにも!」「もう見分けがつくよ」なんていいながら,どんどん拾っていました。


拾いながら食べ続ける子も。大事に袋に入れ続ける子も。


採集が終わって,近くの公園へ。そこで,携帯ガスコンロとフライパンを使って炒りました。おとなと子どもが力を合わせて作業を進めたのはサイコー!

炒った実をなかよく試食。小さい実なのに,「おいしい」「おいしい」といいながら,熱心に味わっている姿は印象的でした。お菓子が大好きな子らが,こんな地味な,自然の味覚を堪能するのはとてもいいこと。わたしは,参加されたお母さん方とそんな話をしていました。「子どもたち,この味,ぜったいに忘れませんね」。あるお母さんの,このことば,原体験のたいせつさを物語っているように思いました。


試食後,子どもたちは木枯らしのなか,元気に群れて遊び始めました。これは,隊長・副隊長役の子の提案によるもの。歓迎したい動きです。

終わってみれば,2時間半が経過していました。参加者には充実した体験になったでしょう。体験を提供できたことを,仕掛け人として素直に喜びたいと思います。 

 


二度芋の収穫

2015-11-27 | ジャガイモ

11月23日(月)。 9月に植えたジャガイモ“アンデスレッド”の収穫日。

二度芋,つまりジャガイモは,一年に二度,夏と秋に収穫します。その,秋の収穫がやってきました。初めての栽培試みだったので,とてもたのしみでした。霜が降りたら品質がさっぱりダメになるので,地上部が枯れ始めたのを目安にして掘り起こしました。


じつはこれに先立つ数日前,今頃のイモでも味・食感は大丈夫か心配になって,試し掘りをして試食していました。結果は良好。なんら問題はありませんでした。それで,この日の掘り上げをたのしみにしていました。

茎が多めの株では,やはりイモが小さめです。それがたくさん入っていました。来春用の種イモにぴったりです。 

 


茎が少ないもの,つまり,1本か2本のものは,大きめのイモができています。ジャガイモの栽培では,出芽期に芽欠きをして芽を2本程度にするのが基本です。したがって,この株は芽欠きの効果が現れているわけです。

 


一つの株に,ストロン(匐枝)が伸びている途中にある,あるいはイモができ始めている,そんな若い株がありました。掘り上げて観察すると,ストロンは種イモよりも上部の節から出ているのがわかります。それの付け根からは根が数本出ています。ジャガイモを栽培するときは,株に覆土を数回します。これは,ストロンが伸びるのを手助けするのに役立ちます。茎の地中部分は赤っぽくなっています。地上部は緑色です。ジャガイモの成長にかかる特徴的な姿が,ここに見られます。

 


作業が終わってイモを見ると, 結構収穫できたことがわかりました。よく考えてみると,ジャガイモのふるさとは南米の高地です。高地の冷涼な風土に適応して進化を遂げてきたわけで,わたしたちの地方に当てはめて考えれば,この程度の秋の気候ぐらい大したことはないということなのでしょう。

 

 
二度芋を栽培して印象づけられたのは,春から夏にかけて一度だけ栽培するより,二度栽培した方がより新鮮なイモを味わい続けることができるという点です。もちろん,品種によって二度栽培にふさわしいもの,そうでないものがありますが,アンデスレッドはふさわしい部類に入ります。ホッカイコガネは,今,実を観察している品種です。これも,実が順調に成長していることから考えると,二度栽培が可能かもしれません。

ジャガイモについて,また新しい視点が見えてきました。 

 


探検活動 ~ターザンごっこ Ⅲ~

2015-11-26 | 随想

仕事場(児童館)でわたしが担当している事業に,土曜日に行う探検活動があります。『土曜ちょこっと探検隊』 と名づけて,月3回程度,それも午後の1,2時間,希望する子どもと親がやって来て,様々なふるさと体験をします。土曜日の開館を利用増に結び付ける,家にいてこれといってすることのない子,テレビ・ゲームに夢中になっている子らに魅力的な遊び空間をすこしでも提供する,それが事業に込めるわたしたちの願いです。

現在登録者はおとなも入れて15名余り。活動場所は野外。野に出かけたり,川に行ったり,さらには近くの山に入ったりします。

子どもたちは,田舎であっても,習い事やスポーツ活動をしている子が多く,みんなが揃うのはたいへんで,当日参加できるメンバーでやっているというのが実情です。それでも,毎回10人程は集まります。

内容は,だいたいわたしが中心になって考え,参加者の希望を大事にしながら決めていきます。参加者任せでは,活動に深さや広がりがないので,先細りするだけです。むしろ,わたしが新しい目線で仕掛け,メンバーの気持ちを刺激することで,活動するたのしさを存分に味わってもらうことが重要だと今は考えています。

そうであっても,活動を終始わたしが引っ張るというのでは子どもは受身になってしまいます。そうはしたくありません。自立した子に近づけるために,すこしでも子どもの主体性を大事に育てたいのです。それで探検隊長・副隊長を相談して決めてもらいました。活動をとおして,彼らが中心になって動きます。活動に慣れるにしたがって,内容もまた高まっていくはず。わたしはあくまでガイド役なのです。

過日のこと。「スライムを作りたい」という希望が出されました。わたしは,日頃から子どもの希望はひとまずたいせつにしたいので,たくさんの子がそれを望むなら応えたいと思っています。そのとおりの雰囲気だったので,従うことにしました。しかし,ほんとうは,そうした工作内容は客寄せパンダのようなものと思っていますので,大々的には取り上げたくはありません。

そうでありながら,「ヤッター!」と喜ぶ子らのこころに沿っていってはじめて,子らを理解できる“おじさん”目線に立てるのだ自分にいい聞かせています。そんな複雑な気持ちで当日を迎えました。

ところが,サッカー少年たちに試合が入ったとの連絡が入りました。隊長・副隊長もそれで欠席。結局参加者は3人に。

この活動も外で実施。スライムは単純に作るのでなく,異なった液を混ぜる化学反応を利用するという点を強調して,手順だけ説明し,3人にすべてやってもらいました。わたしは原材料を出して,あとは見守るだけ。子らにはわくわく感がたっぷり。こんな楽なガイド役はありません。

さて,ここでわたしのほんとうの出番。作業の間に,「ターザンごっこをしよう」と誘いました。子どもたちは乗り気じゅうぶん。


たまたまそれを見た,来館児童3人が「わたしも入れて!」といってやって来ました。しばらくやった後,「おもしろい! 探検隊に入りたい!」といい出しました。たのしそうな雰囲気が伝わったのでしょう。


ターザンごっこはこれでおしまい。仕掛けは大成功。あとはスライム作りの続きです。 結局6人が作りました。

この活動を,子を育てる手伝いをする事業として位置づけるために,次の約束事を決めています。これを『安全に,たのしく活動するための探検5カ条』と呼んでいます。

 第1条 準備を整えて活動に入る。(忘れ物?!)

 第2条 きちんと理解して活動する。(傾聴! 質問!)

 第3条 人と気持ちよくふれ合う。(言葉遣い,しぐさ! コミュニケーション!)

 第4条 自分から進んで動き,汗を流す。(合い言葉「わたしがやりましょう!」)

 第5条 自分のことは自分で責任をもって行動する。(社会ルールを鍛える!)

これを決めているのは,そうではない場面があってとても気になったからです。お蔭で今では,子どもの自主性・責任感が育っているように感じています。子どもとガイド役のわたしとの間にコミュニケーションが築かれ,結構良好な関係のなかで活動がたのしめています。 

 


秋の“虫の目”写真(13)

2015-11-25 | 随想

タンポポの花はけっして春だけのものではなく,一年中見ることができます。ことセイヨウタンポポともなると,それこそあちこちで咲いているというふうです。田舎でもそうですから,都市部にいけば相当に目に付くのではないでしょうか。これはセイヨウタンポポならではの結実戦略を備えていることによります。

ところで,今はセイヨウタンポポも在来種も共に咲いています。意外にもたくさん。もちろん,セイヨウタンポポの方が圧倒的に目立ちます。季節が進んで昆虫がいなくなる頃には,在来種はほとんど見かけなくなります。

咲いているこれらの花を頻繁に訪れているのがホソヒラタアブです。つい先日,アゲハの庭園の隅っこに咲く一輪のセイヨウタンポポにホソヒラタアブが1匹とまっているのを見かけました。とても神経質で,わたしが近寄るとパッと飛び上がって周りを回り,わたしが離れると,しばらくしてまた舞い戻ってきて,花近くでホバーリング。そして着地。わたし動きを察知するたびに,“飛ぶ”“降りる”という動作の繰り返しです。

降りると,安心したのか,餌をたっぷり舐めていました。


後日,道の隅で咲く一輪のセイヨウタンポポにホソヒラタアブがとまっているのを見ました。路面からの高さは15cm。黄色い花がすくないので,目立つのでしょう。蜜やら花粉やらを舐めるのに熱中気味でした。わたしが通り過ぎると,パッと花から離れました。立ち止まってじっと見ていると,元の花に戻ってきました。ホバーリングを繰り返す行動は,やはり慎重さを物語っています。

それほどに執着心をもっているようだから,写真を撮るのは比較的容易だろうと思って撮ったのが下写真です。実際,こちらがゆっくり行動すれば気づかないようで,慌てずに撮れました。


地面近くの虫の目写真は,地表の広がりを感じさせてくれます。わたしたちの日頃の目線よりずっと低く,新鮮な印象を与えてくれます。

 


秋の“虫の目”写真(12)

2015-11-24 | 随想

家のすぐ近くの市道。法面が大きな斜面になっています。そこにカラムシが生えていて,それを食草とするアカタテハの幼虫が棲息しています。その幼虫と競合するようにして,フクラスズメの幼虫がたくさん棲んでいます。

どちらも葉を綴って巣をつくるので,見つけるのは簡単です。

体色が鮮やかなので,ひどく嫌う人がいます。もしかすると毒をもっているのかも,という警戒心が生まれるようです。しかし,体色ほどの強烈ななにかを持っているわけでもなく,素手で触っても大丈夫です。それともう一つ,指を触れると,からだを反らせて頭部を振動させ,併せて緑色の液体を吐きます。これは,あくまで危険を回避する防御行動です。そうした特有のあり方によって,生き延びるために自分の毒々しさをアピールしているにすぎません。

たくさんいれば,成長の進み具合に開きがあるので,若齢期のものから終齢期のものまでを連続的に観察できます。そればかりか,運がよければ脱皮のような大きな変化を目撃することだってできます。

偶然,脱皮直後の幼虫を見かけました。頭がオレンジ色。尾部近くに,脱ぎ捨てた皮がありました。このときの幼虫は他の幼虫同様,表皮はまだ軟らかく,動きもゆっくりとしています。

 


翌日,この皮を食べたかどうか確かめました。皮はそのままでした。どうやら,フクラスズメは脱いだ皮を食べようとしないみたいです。

幼虫はたくさんいるので,いろんな様子を画像に残すことができました。もちろん,虫の目レンズでも撮っておきました。葉の下にいるからだを,周りの環境を広角にいれて写し込むのは,なかなかむずかしいものです。撮影地点は路面より下に位置します。なんとか遠景の家並みを取り込むことができました。


撮り終わると同時に,あらあらふしぎ,幼虫は下に向かって移動し始めました。

 


この幼虫は間もなく蛹になります。しかし,その蛹を一度も見たことがありません。この際,飼育して確認しようかなと思っています。 

 


紅葉ハイキング ~湖東三山の古刹を巡る~

2015-11-23 | 旅行

11月22日(日)。曇りがちの空模様ながら,暑くも寒くもなく,それに風もなく,穏やかな一日になりました。最高気温は15℃あたりかな。市内のハイク実行委員会が主催する紅葉ハイキングに行ってきました。行く先は滋賀県の湖東三山。今回の目玉は,10㎞を歩いて三古刹を巡るところ。

湖東地方は鈴鹿山脈の丘陵が近江平野に接する境目にある,緩やかな土地です。そこを歩くということで,いたって歩きやすいという前宣伝でした。じっさい,心地よいほどの運動量,からだには適量の負担となりました。その報告をすこしだけ。

出発時刻は9時40分,出発地点は西明寺。途中,斧磨地区を通過。“よきとぎ”と読むそうで,その由来解説板が立てられていました。昔,父が斧(おの)のことを「よき」と呼んでいた思い出がかすかによみがえってきました。

緩やかな坂道を登り降りしながら,金剛輪寺に到着。連休で,マイカーやバスで訪れた観光客でごった返していました。


ここでしばらく見学休憩。わたしたち夫婦は,とにかく三重塔を見ておこうということでひたすら参道を歩いて,いちばん奥へ。この塔は,宮大工松浦昭次さんが中心になって再建がなされた貴重な建築物です。それは昭和50年代の初期のこと。じつは前日,松浦さんの著書『宮大工千年の手と技』を引っ張り出して,この部分を読み直していました。

この塔は室町時代に建立されたもので,その後三層めが失われて二層構造になり,さらに朽ち果てたまま無残な姿になっていました。それをわずかな手がかりをもとに復元していった経緯がごく簡潔にまとめられた文です。これを読んでから塔を見るのと,そうでないのとでは,ずいぶん印象が違ってくるはず。

じっさい,その美しいライン,みごとな姿にこころを奪われました。


昼食は依智秦氏古墳公園。田園の中にあって,古墳群がきれいに整理保存されているところです。知人と会話を交わしながら食べると,口にするご飯がいっそうおいしく感じられました。

食事が終わると,目的地の百済寺に向かいました。途中はずっとなだらかな丘陵が続いて,のんびりとした気持ちで歩いていきました。周りの山々の紅葉は,期待外れというか,そんなに見ごたえしないように感じました。どうやら例年になく暖かいというのと,晴れた日が少なかったという理由のようです。

午後2時40分に百済寺に着きました。そこは紅葉の名所とかで,またまた観光客の多いこと。しかし,見ごたえのする紅葉とまではいきませんでした。なんだか,中途半端な感じで,葉の散った木々,まだ緑の葉を付けたモミジが混在していました。


石垣がとくに有名とかで,そのことについて現地ガイドの方から説明をしていただきました。


帰路,道の駅で撮ったヒマワリ畑の風景を2枚載せておきます。やっぱり,旅先においても“自然となかよしおじさん”です。


帰宅したのは午後7時。実行委員会スタッフの皆さんのお世話で気持ちのよい汗を流せました。企画・実施のたいへんさを感じつつ,「いい(11)夫婦(22)の日」にこころに残る旅ができたことを嬉しく思っています。

 


秋の“虫の目”写真(11)

2015-11-22 | 随想

ウォーキングをしている途中のこと。マイマイカブリが路上で緩慢な動きを見せていました。じっとしたり,すこし動いたり,また止まったり。

比較的大きな甲虫で,体形がいかにもたくましく感じられます。それで,持ち帰って,改めて虫の目写真で撮り直そうと思いました。近頃のわたしは,こんなふうに見たものを被写体にできないかとすぐに思うようになっています。というのは,冬に入ると昆虫の数が激減するので,「今のうちに」という気持ちがたいへん強いからなのです。

まずは接写撮影を試みました。

斜め前方から。


次に,頭部だけを撮りました。鋭い口器がきらりと光っています。カタツムリの殻のなかに顎を入れる場面が浮かびます。ハンターそのものです。


そして,正面から。大顎の威力が伝わってきます。


しめくくりに,虫の目レンズで撮ることに。マイマイカブリは文字どおり,カタツムリを大好物にして生きています。つまり,棲息環境はカタツムリの匂いがするところというわけです。それで,近くの神社境内に出かけました。夕方近くだったので,フラッシュを使用しての撮影になりました。マイマイカブリはすてきなモデル役を引き受けてくれました。

 


舗装がなされた参道の脇には苔が生えています。そこに枯れ葉が吹き寄せられて,晩秋の趣きが漂います。

翌日は快晴の穏やかな日だったので,再び出かけました。そうして撮ったのが下写真です。


このあと,自然に戻しました。すると,どうでしょう! さっそく落ち葉の間に見える土に口を入れたのでした。ミミズでも探し始めたにちがいありません。よほどお腹が空いていたのでしょう。

出合いは一つひとつが宝です。感謝。

 


秋,ツマグロヒョウモン(2)

2015-11-21 | ツマグロヒョウモン

本記事は,11月17日(火)付けの記事で取り上げた個体がたどった変化です。したがって,日をさかのぼることになって,日付けが逆転します。しかし,変化を客観的にとらえる資料として役立つと思い,アップすることにします。


10月22日(木)。道の隅に生えたスミレで育った幼虫の一匹が,1mほど上にある石塀で前蛹になっていました。

 
そこは,下部に空間ができて垂蛹になるにはもってこいの位置です。翌23日の夕方には蛹化していました。このときの大変化の様子は目撃できていません。


10月24日(土)。早朝に撮ったのが下写真です。

 


10月30日(金)。 1週間後,虫の目写真を撮りました。背景は空き家やら山やら。田舎の匂いがたっぷりするなかで,ツマグロヒョウモンは育っています。さて,いつ羽化するやら。

 


と,ここまでが既に書き上げていた記事です。 10月23日(金)に蛹化して11月16日(月)に羽化したわけですから,蛹期間は24日間だったことがわかります。一例にすぎませんが,秋の蛹はこの程度の期間とみておいてよさそうです。

まだ,幼虫が何匹もいます。ただ,これまでの観察事例からみると,それらはほとんどがいのちを失いながら,一部がそのまま越冬するでしょう。飼っている以上,そうならないようにしながら観察を続けようと思っています。