わたしがかかわっているミュージアム「市民ギャラリー」で,1月に「公園の四季」と題する写真展があります。出展者は市実術連盟の重鎮で,90歳近いMさんです。何度もお会いして写真作法あれこれ,作品に込める作者の情熱,そんなことで数々の話を伺っている方です。「一年後に写真展をなさいませんか」というわたしのお誘いに乗っかって,四季をとおして公園の風景を撮ってくださったのです。納得のゆく12点を厳選していただきました。構図も,表現も,じつに深みがあってわたしは圧倒されました。
年末の作品搬入日,展示した作品を前にMさんから出たのは,「こうした機会をいただけるのは,目標を持って生きようとする上で大きな刺激になります」という謙虚な一言。年齢を重ねてもなお「することがある」「やりたいことがあり続ける」というのは一日一日を充実して過ごすのに,とてもたいせつだとおっしゃるのです。「よい提案をいただき,ありがとう」とまでいっていただきました。
ミュージアムづくりに市民参加を掲げているわたしは,Mさんがお感じになっている生きがいにちょっとお役に立てているようで,素直にうれしく思いました。「今日することがある」「日々,やってみたいことがある」のは,こころ若く暮らすポイントだなあとつくづく感じます。
これをわたしの一年に当てはめると,人との交流,自然との対話という面で,中身の濃い出会い・出合いでいっぱい。「することがある」日々をきっちり重ねられた結果,こころの錆び具合を先送りできたかなと感じています。人のお陰,仕事のお陰,昆虫を中心とした自然のお陰,レンズのお陰,そんなお陰で詰まっているように思えます。
さらには,このブログを通して人とのつながりを築けるがゆえに,表現するたのしさをさらに掘り起こすことができました。アクセスいただいている皆様に深くお礼を申し上げます。来年もよろしくお願いいたします。
本年最後の夕食で,おかげ様の詰まったソバを味わいました。気持ちよく年が越せます。