自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

幼虫のその後(1)

2015-04-30 | アカタテハ

4月29日(水)。朝。誕生したアカタテハの幼虫がどこにいるのか,気になって探してみました。すると,新芽の一枚を糸で綴って棲み処とし,その中にいるのを発見。幼虫は身の安全を守りながら,そこで葉を食べていました。


夜見ると,葉を食べている最中でした。糞の数も増えているようです。


せっかくなので,この幼虫について,成長を追える限り追ってみようと思います。


4月30日(木)。早朝。葉を食しています。朝から,しごとは食べること!

 

 
逆光にして撮りました。食痕と頭部がわかります。

 


いつまでここにいるのでしょうか。 

 


ジャコウアゲハ観察記(その337)

2015-04-30 | ジャコウアゲハ

ウマノスズクサがぐんぐん伸びています。それに呼応して,ジャコウアゲハがたくさん飛来して,産卵を繰り返しています。

脅かさないようにしていれば,目の前で産卵します。その風景は,何度見てもわくわくします。「なんと人なつっこい!」と思う程なのです。 


ほとんどは,葉の裏側に産付します。下写真の上端に,向こう側にある葉に産み付けられた卵が数個写っています。この分だと,相当数の卵が産み付けられていることでしょう。
 

 
ポツンと1個,付いた葉。


葉の表側に産付られた例。アリマウマノスズクサ(別名ホソバウマノスズクサ)です。地面からの高さは10cm程度。 


タケに付いた卵も。たまたまこのときの産卵行動を目撃しました。勘違いではありますが,ここにくっ付けようとする姿勢でした。 

 


庭園には生きものの匂いがあります。長くいても,飽きることはありません。

 


モンキチョウ,パンジーに飛来

2015-04-29 | 昆虫と花

アゲハの庭園にて。

庭のパンジーに白っぽいチョウがいるので,「モンシロチョウが蜜を吸いに来たんだな」と思い,近寄るとそうではなく,モンキチョウ。見慣れたチョウながら,ドキッとしました。というのは,パンジーはありふれた花ながら,昆虫が訪花しているのを見かける機会はそうないからなのです。

花弁の色はたいへん目立っていて,遠くからでもいろんな昆虫を招いているように見えます。しかし,花の蜜に口吻が達するのはどうやら決まった昆虫らしいのです。花の入口がこれだけ狭くては,ハナバチやハエのような口器の持ち主では到底無理でしょう。

つまり,パンジーが招きたい昆虫とは,花弁に脚を載せてからだを安定させてじっくり吸蜜してくれる得意先ということになりそうです。そんな昆虫がやって来てくれたら,確実に受粉率が上がるでしょう。 


モンキチョウはしばらく蜜を吸った後,すぐ隣りの花に移っていきました。それも歩いて! 花弁の大きさがその行動を助けているわけですし,色が蜜の存在をアピールすることに成功している証拠でもあります。写真では,口吻が花の奥に伸びていることが確認できます。 

 
ここで吸蜜を終えると,舞い上がって,すこし離れた花に移動しました。ここでも同じ行動をしました。下写真には,蜜源方向に伸びた口吻がわずかに写っています。


思いがけない訪花昆虫との出合いに感謝,です。 

 


ジャコウアゲハ観察記(その336)

2015-04-29 | ジャコウアゲハ

4月26日(日)。ヤッさんに誘われて,ジャコウアゲハの棲息地へ。

アゲハが数頭,産卵行動やら食餌行動やらに勤しんでいました。これだけいれば,申し分ないといったところです。ウマノスズクサの葉には,卵が産み付けられていました。辺りはタンポポだらけなので,格好の餌になっていました。

オスも。 


メスも。わたしたちが近づいても,アゲハはちっとも警戒していない様子。ヤッさんいわく「ジャコウアゲハは人間をちっとも恐れへんなあ。大したチョウや」。 


逃げないので,こちらもびっくりさせないように気遣いながら近寄っていきました。そうして,何枚も写真を撮りました。口吻が蜜源に伸びているのが肉眼でも確認できました。 


栗林の中に,カキドオシの群落があります。そちらでチョウを観察中のヨッさんから,「こっちの小さい花でも蜜を吸いよるで。来てみてん」と,声が掛かりました。 


行ってみると,チョウが一頭カキドオシの花で吸蜜中でした。一つの花で吸い終わると,次の花に移っていきました。おいしいのか,さほどでもないのか,それはわかりませんが,どうやら群落はジャコウアゲハの独擅場のようです。花は小さくても,これだけあれば空腹は満たせるでしょう。

この日,棲息地は活気に満ちて見えました。  

 


アカタテハ,幼虫誕生第1号!

2015-04-28 | アカタテハ

待ちに待った孵化の瞬間が訪れました。

午前10時50分。殻を透かして,からだが見えています。いつ出てきてもおかしくない状態です。目が離せません。


午後2時02分。幼虫は,中から卵の天井部分を開き始めました。その部分は,側面と違って筋状の凹凸がなく,口で容易に開けられるつくりになっています。 

 


午後2時30分。 開き始めてから30分経過。頭をすっぽり出しました。外気に触れた瞬間です。

 


午後2時31分。頭を出すと,間もなくからだを出しかけました。 

 


午後2時31分。 「出てきたなあ」という感じです。

 


部分拡大をしてみると,「このからだが殻に入っていたのか」と驚く程,大きく見えます。口付近にあるのは,殻の一部です。 

 


午後2時31分。 どんどん出ていきます。

 


午後2時31分。頭部が葉の表面に着いた瞬間です。 

 


午後2時32分。続いて,腹脚が葉に着きました。幼虫の体長は1.3mm。 

 


午後2時33分。殻を残して,幼虫は立ち去っていきます。 


午後2時34分。この後,幼虫は葉の裏側に消えて行きました。

 


昼間に大変化があるのは,観察者にとっては大助かりです。お蔭で,孵化時の一部始終を見届けることができました。今季の孵化第一号です。 

 


ダイコンの花とチョウ

2015-04-28 | 昆虫と花

畑のダイコンは今が満開。

そこに,いろんな昆虫たちが訪れています。近寄ると,ハナバチたちがたくさんいることに気づきますが,遠くからでも目に付くのがチョウ。ヒラヒラと舞いながら,花々を巡っています。

「ようし」と思って,虫の目レンズでチャンスを窺って撮ったのが下写真です。純白で装ったモンシロチョウが数頭。白と青空のコントラストを入れたくて,カメラを縦向けに構えて撮りました。 


しばらくして,キタテハが飛来。数の少ない昆虫が目の前にいるときは,ドキッとします。そうして,「どうか飛び去らないで」と祈る気持ちです。 


時間をおいて訪れたのが,ジャコウアゲハ。風が吹く上に,翅をしきりに動かして吸蜜するので,コンデジではなかなかうまく写せません。それでも,口吻が写っていれば,うれしいものです。


アゲハもやって来ました。

 


 びっくりさせないように観察すれば,アゲハは吸蜜に熱中し続けます。

 


ダイコン畑は,チョウと花が織り成す物語に満ちています。

 


アゲハ,初見

2015-04-27 | アゲハ(ナミアゲハ)

4月22日(水)。久し振りに青空を見ました。近頃はうっとうしい日がずっと続いていたので,がっかりしていたところです。

さて,正午直前のこと。アゲハの庭園では,昆虫たちの動きが活発でした。ベニカミキリがレモンの葉で日光浴をしていました。 

 
そこに飛来したのがアゲハ。どうやら産卵しそうな動きに見えました。見ていると,キンカンに木に行ったり,レモンに行ったり。前脚が葉に触れることがありましたが,産卵までにはいたりませんでした。

そのうちにまた,レモンを訪れました。と思った瞬間,若葉にとまって産卵孔をくっ付けたのです。飛び去った後,そこには卵が一つありました。離れたところからでも,この卵はくっきりと見えました。


夕方,撮ったのが下写真です。産卵後,6時間経過しています。


アゲハの成虫は今春の初見です。産卵も併せて見られるなんて,なんと贅沢なこと! 成長を追ってみます。

4月24日(金)。 産卵後,2日経過。肉眼で見る限り,大きな変化は感じられません。


4月26(日)。 色が薄黄から赤みがかった黄に。 確実に変化しつつあります。

 

 


ツマグロヒョウモン(?)の蛹の経過<その2>

2015-04-26 | ツマグロヒョウモン

4月26日(日)。もうびっくり,びっくり。あるいは,がっかりというか。

「これだけ暖かくなってきたのだから,変化が起こりかけるはず」。そんな気持ちで蛹を見に行きました。しかし,色は一向に変化の兆しがありません。

触ると硬いので,「おかしいな」と思って,軽く指でつまんでみたのです。


すると,わずかに隙間が! 「これは,中がもう空っぽなんだ!」と直感。それで,もう少し指に力を加えてつまむと,なんと二つに割れてしまったのです。見ると,中は空っぽ!

 
この個体が蛹のままで越冬できるのかどうか,見守ってきたのに,結果はこんな結末になりました。とても残念。

長期に亘る一連の観察からいえるのは,この蛹がツマグロヒョウモンだったとすれば,「ツマグロヒョウモンは蛹では越冬できない」ということです。たった一例から結論付けるのは危険かもしれませんが,冬の寒さはどうやらいのちにとって厳しすぎたようです。 

 


卵から孵化へ(1)

2015-04-26 | アカタテハ

4月21日(火)。続いた雨がやっと収まり,久し振りに青空を見ました。予報では,しばらく晴れ日が続くようです。

先日せっかくアカタテハの卵を発見したのですから,できれば孵化を見届けようと思います。様子が変化していく経過も併せて,記録していくことにします。

卵は見事な翡翠色。

 


卵の直径0.7mm,高さ0.8mm。

 


卵を部分拡大して見てみましょう。誠に見事なツヤ,それに色です。


4月23日(木)。
卵は複数あります。そのうちの一つ。下半分がこころもち黒っぽくなり始めた感じがします。

 


4月24日(金)。これは採集して持ち帰った別の卵です。中に,黒い影が薄っすらとまだら模様に見えています。

 

 
4月25日(金)。影がはっきり見えるようになりました。

 


カラムシに真っ白な卵

2015-04-25 | 昆虫

カラムシの葉を調べながら,アカタテハの卵を探していると,初めて目にする卵を見かけました。それも,すぐ隣りの茎でも見つかって,合計2個。


どんな卵かといいますと,色は真っ白。かたちはジャコウアゲハに似通って,縦向きに突起が走っています。直径は1mmに届きません。

 


こんな扁平なかたちをしています。


成虫は,幼虫の食餌を思ってこの葉に産卵したのですから,食草はカラムシということになります。カラムシを食するものとしては,ヒメアカタテハやフクラスズメが思い浮かびますが,それらの卵ではなさそうですし……。

そういえば,この色とかたち,それに大きさといい,昨秋ホトケノザで見かけて,継続観察してきたガの卵とそっくり!

採集せずにそのままにしておいて,変化を観察していこうと思います。