自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

'24 昆虫の頭・顔 ~オンブバッタ(メス)~

2024-11-30 | 昆虫

ハクサイの葉にオンブバッタがいました。メスです。晩秋で寒くて,動きがさっぱり。おかげで顔写真はらくに撮れました。オンブバッタの顔写真を撮ったのは,久しぶりです。ふつうは,頭が長めなので深度の深い写真を撮るのがたいへん。今の時期だからこそ時間をかけて撮れる写真でもあります。

褐色型です。

 

長い顔はたしかに撮影に苦労します。

 

見やすいように写真を90度回転しました。顔はいくぶん反り返っています。

 

下から見上げて撮りました。

 

やっぱり締めくくりは真正面から。複眼それぞれの上に単眼が二つ,真ん中に中央単眼が一つ。併せて三つの単眼。

 

撮っていると,こんな場面も。なにを思っているのか,ついつい想像したくなります。

 

オンブバッタの越冬態は卵。したがって,これらはいのち尽きる直前の証明写真になります

 


今秋の紅葉・黄葉(2)

2024-11-29 | 自然一般

「行ったら撮れる写真は撮るな」。写真教室の主宰者はそう教えるのだそうです。だれでも撮れるような写真は人に見せるべきでないということでしょう。同感です。人が写した写真が気に入って,「自分もそこへ行って同じ風景写真を撮りたい」と思い,実行する人がいます。絵葉書に使われる写真を思い浮かべるとよくわかります。それとそっくりな写真を撮りたいというようなものです。しかし,平凡さの典型例だとわたしは感じています。平凡さは上達にはマイナスにはたらきます。それより自分のカラーを見つめることが大事だと思うのです。この話,自分で写り映えをたのしむ限りはまったく当てはまりません。

撮影時間帯を考えて撮る,特異な状況下で撮る,それだって自分色の表出に大いに関係します。紅葉・黄葉の風景写真も同じです。

ここは市内にある古刹です。ここでよく知られた構図は参道の中央から撮るもの。その辺りにアマチュアカメラマンがかたまった日がよくあります。その中に入ろうとは思いません。白壁が毎年の撮影ポイントの一つになっています。この日は風がかなりあって,葉が揺れました。葉のシルエットが主役です。色づいた葉が少ないのが惜しいといえば惜しい。

 

露出を変えながら試し撮り。フラッシュが強すぎ! これも勉強のうちです。

 

シルエットを大きく写し込みました。葉の輪郭がぼんやりしているのは葉が揺れているからです。

 

白壁の上の屋根に紅葉が一枚ありました。

 

数枚あるところも。

 

葉が落ちそうになっています。参道を歩く人をかすかに入れました。「小さなものを大きく,大きなものを小さく」。これはわたしが師匠と感じている方の教えです。

 

写真の素人なのになんだか偉そうな書き方をしたような。「なんだ,これが自分色なのか」と問われれば,ドキッとします。それでも自分ならではにこだわり,見え方や表し方を気にしていきたいと思っています。

 


今秋の紅葉・黄葉(1)

2024-11-28 | 自然一般

今秋のモミジは,夏の暑さと秋の高温のせいか,見ごたえはあまりない感じです。耳にする紅葉情報も今一つ。そんな中で,やっと色づいたモミジに目を向けました。

ここは隣り町にある古刹。サクラの木に挟まれるようにしてモミジがある風景です。近づいて葉の色を写しとるとよいのでしょうが,そこまでしませんでした。どこで撮影しても場所がわからない写真はできるだけ避けたからです。色彩がゆたかというだけでは,なんだか物足りないのです。

 

階段の参道の脇にヤマザクラの幹が。横たわるようにして伸びています。

 

その幹を,根元の方から撮りました。シダがよじ登っています。相当古い木です。趣を感じました。

 

大イチョウはまだこんな色。イチョウの推定樹齢は180年だそうです。180年前といえば1840代にさかのぼり,江戸期の終わりにあたります.このイチョウの下で,偶然住職さんの奥様と話す機会に恵まれました。ほんの立ち話程度ですが,古刹を守る責任の重さが伝わって来ました。

 

紅葉を一枚,コケの上に載せて。

 

参道に木漏れ日が射したとき,ここにモミジ葉をおきました。

 

なにもかも新しいのがよいわけでなく,こんな古さを感じとれる雰囲気が気に入りました。

 

古刹の秋をもうすこし訪ねてみようかなと思っています。

 


'24秋 虫の目レンズは友 ~オンブバッタ(続々)~

2024-11-27 | 昆虫

朝,畑にて。

カブの葉にオンブバッタがいました。メスです。からだの露の付き方からすると,ここで一夜を明かしたようです。寒いのに,よく耐えたこと!

 

向こうの国道をバスが走ってゆきました。バッタは朝日をからだいっぱいの浴びています。しかし,相当に冷え込んでいるので,からだが温まるまでにまだまだといったところ。

 

カマキリがいなくなって,オンブバッタもまたいなくなります。季節はどんどん冬に進んでいます。

 


'24 昆虫の頭・顔 ~クロバエのなかま~

2024-11-26 | 昆虫

ツワブキの花でクロバエの仲間を見かけました。

 

もちろん,顔写真を撮影開始です。ずいぶん花粉が付着しています。

 

夢中で摂食。

 

反対側からも。

 

おしまいはやっぱり正面から。

 

それを捕獲して,スタジオに持ち込んで証明写真を撮りました。

 

ハエの顔はじつに複雑。嗅覚・味覚・視覚,どれもが高度に発達している様が素人にも理解できそう。そんな風貌です。

 


'24 昆虫の頭・顔 ~続々・キタテハ(越冬型)~

2024-11-25 | 昆虫

今度はレンズを横に移動させながら撮りました。光源はツインフラッシュを使っています。他にとくべつな道具はありません。

 

チョウが平面的に写らないように左片側から光を当てています。

 

別の画像を使い複眼だけをトリミングして大きく見てみましょう。

 

両複眼が見える位置から撮りました。毛の様相の,なんとすごいこと!

 

もう一枚。

 

フラッシュは右片側から。どこもかも毛で覆われています。

 

完全な武装といったすがたです。おみごと!

 


'24 昆虫の頭・顔 ~続・キタテハ(越冬型)~

2024-11-24 | 昆虫

キタテハがタンポポの花で吸蜜中でした。この蝶は成虫越冬をします。耐寒性の強いチョウなので,冷えた夜は撮影に好都合。なにしろ元気でありながら,じっとしていますから。

まず正面から撮ることにしました。その際,フラッシュの位置や強さをいくつか考えて試みることに。

 

顔全体を入れながら近づきました。これだけの毛で覆われているなんて,ふつうは考えてみないでしょう。

 

フラッシュは右側から当てます。

 

左右から同じ光量でフラッシュを当てました。

 

じっとしているので深度の深い写真が撮れました。静止しているかどうか,それが顔写真を撮るときのポイントになります。

 


'24 秋 虫の目レンズは友 ~コバネイナゴのいる風景~

2024-11-23 | 昆虫

朝。ここは野菜畑。ネットは防虫用です。朝露に濡れたネットに,これまた水滴だらけのコバネイナゴ。昇って来た陽を浴びています。しかし,寒さゆえに動きはほとんどありません。こういうときは撮影に好都合です。太陽をとらえたくて,絞りを大きくしました。

 

レンズの向きを左に移動。向こうを国道が走っています。トラックが見えます。

 

バッタは前脚を上げました。まったくゆっくりと。触覚に付いた水玉がレンズになって,ずっと向こうの山と青空とを映し出しています。

 

バッタのいのちは残りわずか。否応なく寒気にさらされていのち絶えます。それが宿命なのです。

 


'24 昆虫の頭・顔 ~キマダラカメムシ~

2024-11-22 | 昆虫

家のカーテンにとまっていたのがこのキマダラカメムシ。

これまでカメムシの顔写真はほとんど撮っていなかったのですが,今回撮る気になりました。カメムシは触覚を盛んに動かすので,撮影しにくいところがあります。かつてサシガメを撮ったときはたいへんでした。それでじつはこりごりしたのでした。ところがこのキマダラ,寒くなって来たからなのか,性質からなのか,動きがじつにゆっくりしていました。それで意外と簡単に撮れたというわけです。

 

からだは硬い殻に包まれています。というより,そういう重装備のからだをしているというのが印象に残ります。

 

こうして見ると,いくぶん(?)美しさも感じられそう。

 

みごとな頭部です。

 

前方向から見ました。扁平さが際立つからだつきです。

 

頭部だけのアップです。

 

臭いがしない限り,カメムシの撮影もいいものだと感じました。臭いを嗅ぎながらの撮影はどうも。冬を利用してカメムシを撮るのもよいかもしれません。

 


'24 昆虫の頭・顔 ~ヤマトシジミ~

2024-11-21 | ヤマトシジミ

ツワブキの花で吸蜜するヤマトシジミ。撮影して画像を見ると,複眼に短い毛がまばらに生えているのでびっくり。これまではまったくないものと思い込んでいました。うかつ,うかつ。

 

くわしい顔写真を撮ってさらに確認しました。やはり毛が見えます。

 

もうこれははっきり。中央付近まで見えます。

 

真横方向からの画像です。まばらに生えていることがわかります。

 

締めくくりは真正面から。花粉が付着しています。

 

この方向からも毛が見えます。

 

トリミングした画像です。

 

複眼に生える毛は種によって様子が異なっています。ヤマトシジミのそれはなんとも短いこと! 「何に役立つの?」と尋ねたら,「いろんな刺激からすこしでも目を守るのさ」。そんな答えが返ってくるのでしょうか。そうなら,草払い機を持って作業する際に目を覆う保護メガネにそっくり。

発見というのは小さな事実でもこころ躍らせてくれるものです。